【インタビュー】AKANE LIV、クラシックの名曲をポップスに昇華させた野心作「NIGHT PARADE」

■今まで地声の音域で唄うってことはなかったので
■よくぞこういう曲を作ってくださったという感じで

▲『NIGHT PARADE』初回限定盤

▲『NIGHT PARADE』通常盤

──ダンスミュージック的なアプローチも強いですが、そこはどうでしたか？

AKANE LIV：それは挑戦でした。特に「NIGHT PARADE」は自分の中でもかなりチャレンジした曲で。ダンサブルな曲ってクラシックの歌唱法で唄うと合わないんですよね。Aメロからしてポップスの唄い方ですから。LIV MOONやっていた時って、Aメロも大事だけど、いかにサビで突き抜けるかっていうことを大事にしていたんです。楽器のほうもサビで盛り上がってくるし。個性的なプレイヤーと一緒にやっているから、そこでちゃんと表現ができないとダメだったので。でも、ポップスの方がプロデュースしてくれたことによって、ポップスって音数が少ないぶん、まずAメロでリスナーを引き込めないとダメなんだということを学びました。普段、ポップスを聴いている方からしたら、どれだけポップスになっているかはわからないですけど。

──ポップスって地声を多用しますが、今作はまさにそうなっていますもんね。声もかなり違って聞こえます。

AKANE LIV：そうですね。鍛えられました(笑)。「NIGHT PARADE」のAメロも地声だし、サビも、今まで地声の音域で唄うってことはなかったので。Jeffさんよくぞこういう曲を作ってくださったって感じで。

──作っている方が変わるだけで、いつもと違う感じというのが、ここまで引き出されるんですね。

AKANE LIV：びっくりしました。5年、シンフォニック・メタルというジャンルでLIV MOONをやっていて、また新たに違う音楽プロデューサーと組むと、こんなにも新しい部分を引き出してもらえるんだって感謝しています。新しい出会いによって生まれる音楽っていうのもあるので。

──すごいJeffさんの影響を感じているんですね。

AKANE LIV：そうですね。Jeffさんと知り合って、もう1年になるのかな？　ミュージカルのお仕事をしていても、1年前には唄えなかったような曲が唄えるようになったんです。唄い方がすごく変わったので。

──元々、AKANEさんは4オクターヴの声を持っていて、音域は広かったのに。

AKANE LIV：広かったんですけど、Jeffさんには中音域を鍛えてもらったっていう感じですね。

──宝塚時代は男役で低音を鍛え、LIV MOONで高音が出るようになり、今回が中音なんですね。

AKANE LIV：そう。高音域って、非現実的っていうか、天上の声っていう感じがしますよね。でも、地声が出ると、ハートから出ているような感じになります。真ん中の部分が安定すると、感情の伝わり方が変わってくるっていうのが面白い。どんなに感情を込めて唄っても、高い音だとなかなか相手に伝わりにくいというか。

──「HIKARI」では高音も聴けますね。

AKANE LIV：久々に高い声を出しているなぁと思いながらレコーディングをしました(笑)。本当はそこが得意なのに、高いところを出すのが久々すぎて、音の通り道が合っているかな？って思ったり、不思議な感じがしました。KAZSINさんの曲ってすごく壮大なんです。この曲は、私が「こんな感じで！」ってお願いしたわりには、転調していくことと、クワイヤーが入ることと、上から下まで唄わなければいけないということで鍛えられました。

──宝塚時代から数えると、AKANEさんは相当いろんなタイプの楽曲を唄ってきていると思うんですが、それでもまだまだ鍛えるべきところがあると感じるんですね。

AKANE LIV：宝塚時代は、ショーの中では色んな音楽に触れるけど、皆さんが作品を観て、口ずさみながら帰れるようなものが多くて。ミュージカルなんかでも、一度聴いたらスッと耳に馴染むものが多かったんですが、JeffさんのR&B的なニュアンスとかノリがぜんぜんつかめなくて。聴くのと唄うのとではまた違いますが、R&Bもあまり聴いていないほうだったので、このジャンルのリズム感っていうのは、一つのフレーズでこんなに時間がかかるのか!?と(笑)。本当にちょっとしたニュアンスなんですが、すごく時間がかかって。新しいジャンルでの面白さをこの年で感じることができるとは、という感じです。

──この先届くであろうアルバムが楽しみです。

AKANE LIV：楽しみにしていてください。アルバムでは私が作詞した曲も入るんですが、よりパーソナルな部分を出してほしいということで、私の等身大も出ると思います。ポップスのメロディに自分で歌詞を書くってすごく難しかったんですが、それによって自分に向き合う時間も多くて。きっと、時間が経ったときに、今以上に、Jeffさんとの出会いやソロ活動がもたらしてくれたものに重みがあったんだなって感じると思います。

取材・文●大橋美貴子



『NIGHT PARADE』
2014.08.20発売
【初回限定盤】CD+DVD　VIZL-662　\1,800+税
【通常盤】CD　VICL-36905　\1,200+税
01.NIGHT PARADE
02.Reborn
03.HIKARI
04.NIGHT PARADE (Instrumental)
05.Reborn (Instrumental)
06.HIKARI (Instrumental)
【初回限定盤特典DVD収録内容】
メイキング＆インタビュー

＜ミュージカル「黒執事」－地に燃えるリコリス－＞
出演：
松下優也　福崎那由他　植原卓也　太田基裕　広瀬友祐　輝馬 ／ 佐々木喜英　鷲尾昇　河原田巧也　寺崎裕香　髙木俊　寺山武志　和泉宗兵　荒木宏文 ／ AKANE LIV　ほか
【東京公演】2014年9月5日（金）〜23日（火・祝）＠六本木ブルーシアター
【大阪公演】2014年10月2日（木）〜5日（日）　＠梅田芸術劇場　シアター・ドラマシティ
黒執事オフィシャルHP　　http://www.namashitsuji.jp/

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