ZIGGY、ジュンスカ、PERSONZ。レジェンドたちが集結した<a-nation>3日目

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<a-nation island powered by inゼリー>の3日目、国立代々木競技場第一体育館(paradise stage)に集結したのは、ZIGGYほか日本の音楽シーンで長きにわたって“伝説”を築き上げてきた超ビッグアーティストたちだった。

◆<THE FIRE LEGEND 2014>ライブ画像

オフィシャルのレポートを紹介しよう。

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オープニング映像の後、特効の爆音とともに流れ始めたイントロに大きな歓声が沸きあがる。「今すぐKiss Me」。トップバッターは結成25周年を迎えた2014年、再始動をはたしたLINDBERG。疾走するサウンドの上で渡瀬マキが響かせるポップかつロックな歌声の魅力は、今もなお強い輝きを放つ。<ドキドキすること やめられない>というサビ前のフレーズを客席に委ね、「そんなもんか、東京!!」と煽りを入れることで、会場は一気にヒートアップしていく。キラーチューンを連発しながら、メンバー同士が寄り添い、絡み合ってプレイする様は本当に楽しそう。また、グルービィーなアッパーチューン「POWER」の途中、いきなりピンク・レディー「UFO」のフレーズを挿入し、渡瀬がキュートなダンスを披露するというお遊びも。大合唱が巻き起こったラスト「BELIEVE IN LOVE」まで一気に駆け抜けた全6曲で、LINDBERGというバンドの存在の大きさを改めて刻みつけた。


2番手は来年2015年でデビュー20周年を迎える相川七瀬。今回唯一のソロアーティストであるため、超豪華なバックバンドを従えての登場となった。マーティ・フリードマン(G)、SIAM SHADEのNATCHIN(B)と淳士(Dr)、そしてSOPHIAの都啓一(Key)という最強の布陣が生み出すサウンドの上で、力強い歌声を高らかに放っていく。モニターに足を掛け、スタンドマイクをクールに操って歌い、曲の締めを空手仕込みのハイキックで決めるなど、観る者を魅了するパフォーマンスは、これぞロックシンガー。「Sweet Emotion」「恋心」「夢見る少女じゃいられない」といった大ヒット曲の数々に、会場は歓喜の声で震える。MCでは「夢見る熟女になりました(笑)」と語っていたが、スクリーン上に映し出された当時のPVと比べても、今もなお若々しさを保っているし、なおかつ歌声は圧倒的な進化を遂げていることが衝撃的。ラストは自身の好きな花をタイトルに掲げた「ダリア-She Knows Love-」で、激しさの中にある美しさを表現し尽してライヴの幕を閉じた。

93年に大ヒットしたデビュー曲「このまま君だけを奪い去りたい」を感動的な歌声で届けるオープニングで観客の琴線をいきなり揺さぶったのはDEEN。曲が終わるとすぐさま自己紹介へ移り、軽妙なトークで笑いを誘いつつ会場を一瞬で一体化させていく。その手腕はライヴバンドとして評価の高い彼らならではのもの。その後は、聴き手ひとりひとりの中の思い出に寄り添うように「瞳そらさないで」「ひとりじゃない」「翼を広げて」といった幅広い音楽性を実感させるヒット曲をメドレーで披露。曲ごとにクラップや手を左右に振るワイパーなどを観客に促し、ハッピーな光景を生み出していく。6月リリースの洋楽カバーアルバムからは「The Loco-Motion」もプレイされ、曲中では楽しいコール&レスポンスも。ラストは今の時期にピッタリのサマーチューン「coconuts feat.kokomo」。サビでは、ボーカル・池森秀一のレクチャーにより楽しい振りをみんなで揃えて、最高の夏の思い出をともに作り上げた。

続いては、2014年でメジャーデビュー26周年を迎えたJUN SKY WALKER(S)が登場。変わることのない彼らのまっすぐなサウンドとメッセージは、いつまで経っても僕らの心にまっすぐに突き刺さる。そんなことを改めて実感させるパフォーマンスが嬉しい。MCではやんちゃな言動を見せるボーカル・宮田和弥だが、東日本大震災をきっかけにバンドを再集結させたことに触れ、「これからも音楽で大変な人たちの気持ちをアゲていきたい」と真摯に語る。「いつもここにいるよ」では皮肉を込めて、<原発が 増えすぎた 20世紀たち>と歌詞を変えていたのも実に彼らしい態度だった。「いつまでもこの気持ちは忘れたくありません」と叫んで歌われた「START」。みんなでクラップをしてロックへの敬意を示した「ロックンロール☆ミュージック」。宮田とギター・森純太が肩を突き合わせて1本のマイクで歌う胸熱なシーンが見られた「全部このままで」。そして「僕たちみんなの時代です」という言葉に続けて披露された「MY GENERATION」でライヴは終了。痛快で濃密な35分だった。

幻想的なSEで観客を一気に独自の世界観へと引き込んだのは、2014年デビュー30周年を迎えたPERSONZだ。1曲目「Fallin' Angel~嘆きの天使~」から卓越したバンドの演奏と、ボーカル・JILLの持っているカリスマ的な存在感でグイグイと会場を掌握していく。「BE HAPPY」や「DREAMERS」、「7COLORS(Over The Rainbow)」といった懐かしい楽曲が連発されたが、そこに懐古主義的な要素は一切なく、これまでの間に一瞬たりとも止まることなく進化を遂げてきたバンドの“今”がしっかり浮き彫りになっていたのが印象的だった。そんな中、特筆すべきはラストの「DEAR FRIENDS」だろう。30周年を迎えるまでにはたくさんの困難があったという。だが、それらすべてを活動の糧として、再び日本武道館に立つことを新たな夢として抱いているPERSONZが、心を込めて響かせた<涙を拭いたなら/ひとりじゃないのよ>のフレーズに激しく胸打たれた。「夢は必ず叶います。ついてきてください」。そんな最高の一言を残してステージを後にした。

大トリを務めたのは結成30周年を迎えたZIGGY。バンドが定位置に収まり、遅れてボーカルの森重樹一が姿をあらわすや、怒号のような歓声で会場が大きく揺れる。バンドが1音響かせれば、さらに大きな声が客席から上がる。森重の「All right!」の声を合図に1曲目「I'M GETTIN' BLUE」がスタート。ヘビィなサウンドながらも、耳なじみのいいメロディを有する彼らの楽曲は、日本のロックンロールの礎を築いたと言っても過言ではない。艶っぽいロックスター然とした森重のたたずまいも含め、まさに“LEGEND”の名にふさわしいパフォーマンスにすべての人が酔いしれていた。

ほぼMCもなく、畳み掛けるようにプレイされる名曲の数々。限られた時間の中、フェイクやハープを織り交ぜたミディアムナンバー「BURNIN' LOVE」などで緩急がつけられた構成も見事だった。ブルーのレーザーが飛び交う中で披露された大ヒット曲「GLORIA」では、この日一番の大合唱。そして、ラストの「DON'T STOP BELIEVING」へ。信じることを諦めず、続けていくことの意義。この日出演したすべてのアーティストが胸に抱いていたであろうメッセージを高らかに代弁し、約5時間半のイベントはエンディングを迎えた。

◆BARKSライブレポート
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