【インタビュー】デンジャー・デンジャー「今では音楽だけさ。ビジネスは関係なくなったよ」

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この9月上旬、デンジャー・デンジャーが日本上陸を果たす。正直、「それ誰?」という若い読者も多いだろうし、ロック・ファン歴の長い人たちのなかにも「まだそのバンド、続いてたの?」と感じる人は少なくないはずだ。しかし、今から四半世紀前にアメリカのロック・シーンに現れたこのバンドは、紆余曲折を経ながらも存続しており、2006年にもひょっこり14年ぶりの来日を果たしていたりする。そして今回はなんと、デビュー25周年を記念して、オリジナル・ラインナップでの来日公演が実現することになった。つまり、バンドの核ともいえるブルーノ・ラヴェル(B)やスティーヴ・ウェスト(Dr)ばかりではなく、2004年にこのバンドに復帰を果たしているテッド・ポーリー(Vo)も、さらにはアンディ・ティモンズ(G)とケイシー・スミス(Key)も名を連ねているというわけだ。今回は、公演実現の経緯を確かめつつ長い空白の時間を埋めるべく、ブルーノに話を聞くことになった。

◆デンジャー・デンジャー画像

――9月にオリジナル・ラインナップでの『デビュー25周年記念来日公演』が決定しました。素敵なニュースの到着に興奮しているファンも多いはずですが、あなた自身の心境は?

ブルーノ:めちゃくちゃエキサイトしているよ! なにしろオリジナル・ラインナップで、しかも大好きな日本に行くことができるんだからね。待ち遠しくてたまらない気分だ。絶対すごいライブになると思うよ。

――このバンドは、メンバー・チェンジを重ねながら存続してきましたよね。作品リリースは、9年ぶりのアルバムとして発表された『REVOLVE』(2009年)以降途絶えてますけど、あれ以降はどんな活動をしてきたんでしょうか?

ブルーノ:基本的にはずっとライブをやっていたよ。アルバムは出してこなかったけども。理由はいろいろあってね…。それを説明するのは難しいんだけど、正直に言えば、俺自身はいつも新しいアルバムを作る気満々だった。だけど、他のメンバーたちを俺と同じような気持ちにさせるのは簡単なことじゃなくてね。みんなと俺の間には温度差があるんだ。彼らをその気にさせようと努力してきたんだけど、結局、諦めざるを得なかった。ただ、俺のほうはいつでも準備はできてる状態だから、あとは彼ら次第ってとこではあるかな。

――『REVOLVE』当時のラインナップはあなたとテッド、スティーヴ、そしてロブ・マルセロというギタリストでしたよね? バンドはその顔ぶれのまま続いていて、今回は一時的にオリジナル・ラインナップが集結する、ということなんでしょうか?

ブルーノ:うん。ロブのことはすごく気に入っているし、彼とはうまくやっている。今回のリユニオンはあくまで一時的なものだ。だけど、一回限りってわけじゃないし、機会があればみんなで集まってやろうと思っている。だから、いわゆる“オリジナル・メンバーでの再結成”というやつではないんだ。アンディはいろいろ忙しくしているし、やりたいこともたくさんあるみたいだし。ケイシーもまだ音楽業界に戻ってくる気はないみたいだからね。彼には家庭があるから、時間のかかるレコーディングとかツアーをやろうとは思ってないみたいだよ。だからこそ、今回のオリジナル・ラインナップでのリユニオンはスペシャルなものなんだ。2014年は結成25周年という特別な年だから、みんなで集まろうってことになったのさ。とはいえ実際、今でもみんなすごく仲がいいままだから、何かあればこれからも集まる可能性はあるよ。

――たとえば今回のアニバーサリー・ツアーでの感触次第では、このオリジナル編成での活動継続とか、新たな音源制作といった可能性も強まってくるんじゃないですか?

ブルーノ:それはどうかな…。さっきの答えと同じになるけど、俺はそうしたいと思ってるんだ。でも、他のメンバーたちがやる気にならなければ実現しないものだからね。だから、それは他のみんなに聞いてくれよ(笑)。特にアンディはやりたいことをたくさん抱えてるから、難しいと思うよ。本格的な再結成ということになれば話は別かもしれないけど、少なくとも今のところ、彼がその話に乗るとは考えにくいな。おそらく彼自身、今回のツアーは「昔の仲間と楽しく過ごす、ちょっとした時間」みたいなものとして考えているんじゃないかな。でも、もしかしたらツアーをやった後、彼がこの顔ぶれでレコーディングしてみようって気になる可能性も否定はできない。まあ、あいつの気持ちがどうなるかなんて、俺には何とも言えないけどね(笑)。

――わかりました。それにしても、まず日本公演を組んでくださったことに感謝します。日本を“復活の場”として選んだことには何か理由や意図があるんでしょうか?

ブルーノ:日本はいつだって俺たちにとって特別な国だよ。日本のファンも文化も大好きだし、いい思い出ばかりが残ってる国だからね。

――しかも日本公演の後には、UKで行なわれる<ファイアーフェスト>にヘッドライナーとして出演することになってるんですよね?

ブルーノ:うん。そもそもは、そのフェスのプロモーターからのひと声が、今回のリユニオンの切っ掛けになったんだ。彼が、自分のフェスで演奏して欲しいって言ってきたのさ。ただしオリジナル・ラインナップで、いうのが条件だった。

――なるほど。そういうことなら、そのプロモーターの方に感謝しないと(笑)。

ブルーノ:そうなんだよ(笑)。俺たち、オリジナル・ラインナップでの再結成ツアーをやりたいとは思っていたんだけど、いつも話は「いつかやりたいね」というレベルで終わってしまってたんだ。ところがあるとき、UKのそのプロモーターから打診があってね。「俺はデンジャー・デンジャーの大ファンで、俺がやっているフェスに是非出演して欲しい」って言うんだ。実は、オリジナル・ラインナップでの最後のショウというのが、同じ<ファイアーフェスト>だったんだよ。それで「だったら他のメンバーにも連絡を取ってみるよ」ということになったのさ。

――日本についての話に戻りますね。約四半世紀前に初来日した際には、さまざまなカルチャー・ショックがあったはずだと思うんです。当時、特に印象的だったことというと?

ブルーノ:印象的だったこと? 全部だよ!(笑)日本のすべてが素晴らしかった。ファンもクレイジーだったし、ショウも最高だったよ。素晴らしいリアクションだったしね。初めて行ったそのときから、俺は日本が大好きになったんだ。とにかく本当に楽しいところだった。だから毎年行きたいくらいだったけど、その後は音楽シーンも変わったし、経済も低迷してしまって、状況がそれを許してくれなかった。だから今回、ようやく日本に行けるのが楽しみで仕方がないんだ。

――デビュー当時のあなた方は、日本ではややアイドル・バンド的な売り出し方もされていました。僕も当時から現場にいたのでよく憶えてるんですけど、同じ単語を重ねたバンド名という共通点から、“メタル版デュラン・デュラン”みたいな呼び方をされることも一部ではあったりとか。

ブルーノ:メタル版デュラン・デュラン? それってすごいね(笑)。自分では記憶にないけど、めちゃくちゃ笑える呼び方だな!(しばし爆笑が続く)でも、一部ではあれ本当にそんなふうに見られてたんだとしたら、当時の俺たちとしてはあんまり嬉しくなかっただろうね。今だったら大歓迎だけど(笑)。俺は、どんなふうに呼ばれようとハッピーだよ。だって、世の中のどれだけ多くのバンドがレコード契約も結べず、デビューできないまま消えて行ったかを考えたら、いいことも悪いことも含めて自分たちはラッキーだったと思うんだ。どう呼ばれようが構わないさ。メタル版デュラン・デュランにしたって、最低の呼び名ってわけじゃないからね(笑)。

――25年前のデンジャー・デンジャーと、今現在のデンジャー・デンジャー。最大の違いと、まったく変わっていないところは?

ブルーノ:最大の違いは、まず年齢だね(笑)。ただ、当時よりも歳は喰ってるけど今でもプレイしてるし、昔ほどではないにしても、今でも2時間のショウをやり遂げるだけのエネルギーはあるし、そうあれるよう努力もしている。俺個人のことで言うと、当時との最大の違いは、家族ができて、いろいろな経験をしてきたことかな。ファンも当然25歳年をとったわけだから、もしかしたら今回、なかには子供を連れて観に来てくれる人もいるのかもしれないね。あと、今の俺は、成功がどうのとか、レコードを1枚でも多く売りたいとか、ラジオで曲が何回かかるかとか、そういったことが気にならなくなってきた。大事なのは音楽そのもの。だから、今でも音楽を続けていられること、ファンがいてくれることに感謝してるよ。デビューから25年経っても俺たちがプレイしてることを、ファンも喜んでくれてるはずだしね。もちろん音楽は昔から大事だったけど、ビジネスも大事だった。でも今では音楽だけさ。ビジネスは関係なくなったよ。そこが最大の違いかな。

――さて、日本公演に向けての具体的な話をしましょう。オリジナル・ラインナップでのリハーサルなどは、もう始まってるんでしょうか?

ブルーノ:いや、まだだよ。アンディとケイシーとは、ツアーのことやセットリストのことを電話で相談したけど、実際のリハーサルはまだなんだ。8月の末に集中的にやることになるんじゃないかな。

――そのセットリストというのが気になるところです。せっかくのデビュー25周年という機会だし、1stアルバムの完全再現という選択肢もアリじゃないかと思うんですが。

ブルーノ:もちろん確実に1stアルバムと2ndアルバムからの曲が中心になるよ。というか、もしかすると全曲やるかもしれない。まだハッキリとは決まってないんだけど、実際のリハーサルを経ながら確定させていくつもりだよ。

――できることなら新曲も聴きたいところですが、その可能性は?

ブルーノ:それはどうかな。今回はあくまで25周年記念のライブだから、初期の曲に限定すべきじゃないかという気もするし。ファンのみんなだって当時の曲を聴きたいはずだよね? 演奏時間も無限にあるわけじゃないから、みんなが聴きたい曲をやるだけでタイム・リミットが来ちゃうんじゃないかな。

――逆に言えば、それくらいたっぷりと往年の曲を披露してくれるということですね。実際、ライブには、四半世紀前からのファンが集結するばかりじゃなく、その頃には生まれていなかった世代、当時まだロックを知らなかった世代もやってくるはずだと思うんです。

ブルーノ:そうだったら嬉しいなあ。この10年、ツアーをやってきて気が付いたんだけど、若い子たちが結構ライブを観に来てくれているんだ。彼らは俺たちがやってるような音楽を聴いてバンドを始めたりしてるらしい。20代の若者がデンジャー・デンジャーを聴いてエキサイトしてるなんて、すごく光栄な話だよ。

――あなたたちを知らない若い世代のロック・ファンにデンジャー・デンジャーがどんなバンドであるかを説明するとすれば、どんなふうに言いますか?

ブルーノ:ワオ! なんて言ったらいいんだろう? 多分、「キャッチーでポップなハード・ロック・バンド」とか、そんな感じじゃないかな。

――グッド・ルッキングなハード・ロック・バンドじゃなくて?

ブルーノ:いやいや(笑)。当時はともかく、今は違うよ。今はなるべく鏡を見ないようにしてるんだ(笑)。

――そ、そんな!(笑)もうひとつ助言が欲しいんですけど、新世代のファンはどんな予習をしてライブに臨んだらいいでしょう?

ブルーノ:最初の2枚のアルバムを聴けば完璧だね。きっと楽しいライブになるよ。友達全員を誘ってライブに来てくれ! 友達の友達にもライブを観に来るように言ってくれ!(笑)俺たちは日本に行けることを心から光栄に思っていて、楽しみにしてる。今回の日本公演が俺たちの今年の活動のハイライトになること間違いなしだ!

話し始めると止まらないタイプのブルーノとの会話は当然ながらこれだけでは終わらず、デンジャー・デンジャーとは直接関係のない話にまで及んだが、それについてはまた機会を改めてお届けすることにしよう。まずはとにかく9月の日本公演を待ちたいところだが、その公演初日にあたる9月3日、文中にも登場する1stアルバムと2ndアルバム、すなわち『デンジャー・デンジャー』(1989年)と『スクリュー・イット』(1991年)が、2014年版最新リマスターによる高品質Blu-Spec CD2として登場することになった。こちらにも併せて注目したいところだ。

取材・文:増田勇一

<DANGER DANGER JAPAN TOUR 2014>
9月3日(水)東京・渋谷クラブクアトロ
9月4日(木)東京・渋谷クラブクアトロ
9月5日(金)大阪・梅田クラブクアトロ
http://www.creativeman.co.jp/artist/2014/09dangerdanger/
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