【ライヴレポート】MUCC、MICHAELを迎えた<ARMAGEDDON>で「幼い頃の俺の夢を叶えてくれる?」

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MUCCが全55本にも及ぶ壮大なライヴプロジェクト〈SIX NINE WARS-ぼくらの七ヶ月戦争-〉を展開中だ。毎公演ごとにビッグネームのゲストを迎え、8月から開催しているツアー〈Epsode6.「ARMAGEDDON」〉も、いよいよ、本公演を含めて残すところあと2本。各会場でアルマゲドンの名にふさわしい熱い熱いライヴを繰り広げてきたが、灼けつく季節の終わりとともに、もうすぐ終焉を迎える。

◆MUCC×MICHAEL 拡大画像

第8夜の会場は本拠地、東京のZepp Diver City。対戦相手は活動休止中のSOPHIAの松岡充、豊田和貴、赤松芳朋が2013年の12月に結成した新バンドMICHAELである。BARKSの対談で逹瑯が高校生のときからSOPHIAを聴いていてCDの特典についていた初期のデモテープ「Believe」(3rdシングル)を今も持っているというエピソードが明かされただけに、先輩アーティストとの対決はいかに。

18時30分、青い光が照らすステージにSOPHIAのライヴのSEでおなじみの「愛の讃歌」が流れると場内から拍手と歓声。幕開けの曲は2013年のクリスマスのMICHAEL始動ライヴのときにも歌われたカバー曲「Amazing Grace」だ。一筋の光が歌う松岡の姿を浮かびあがらせ、響きわたる伸びやかな歌声に静まりかえるオーディエンス。

「このステージに導いてくれたMUCCに感謝を込めて」──松岡

と「Amazing Grace」のエンディングで告げ、生粋のロックンローラー、ジルこと豊田のギターがフィーチャリングされた「かくこそありしか合縁奇縁」へ。着物風の黒の衣装に瞬時にして着替えた松岡のダイナミックなパフォーマンス、華のある佇まいはさすが。と同時に数々の舞台を踏んだアーティストならではの説得力を感じさせる。

「こんばんは。MICHAELです。初めましての方も多いんじゃないでしょうか」とMUCCにツーマンライヴに呼んでもらったことへのお礼を松岡が語り、「対バンしてる中でいちばん新米バンドなんじゃないですかね。去年、結成したばかりなので(笑)。逹瑯くんもYUKKEくんもリスペクトしてくれたSOPHIAは今、活動を休止していますが、いつか復活したときにまた共演できたらと思います。リスペクトしてくれたことに感謝して今日はSOPHIAの曲も贈ります」

と、SOPHIAのライヴ時にもここぞというタイミングで披露して来た「嘘」のイントロが流れると大歓声が。そんなスペシャルな計らいもありつつ、始動したばかりのバンドの勢いとキャリアを積んだメンバーならではの包容力の合わせ技でMICHAEL初体験のオーディエンスも魅了するステージを繰り広げた。

初ライヴのときに、第零章として定義され無料配布されたCD収録曲に加え、0thミニアルバムに収録されたナンバーも披露。ファンにとってもフレッシュなセットリストだったのでは。MCでは松岡がSOPHIAが活動休止をした理由についても触れ、このライヴが終わったらMICHAEL第1章の幕開けとなる1stアルバムの制作にとりかかることや12月に大阪と東京でライヴを行なうことを報告。今回のような対バンイベントに誘われたのは初めてだと話し、「SOPHIAを含め、人生において初ツーマンです。感謝しています」と笑顔を見せた。

中盤戦は大事な場所を守りたいからこそ、前に進んでいくという意志を綴ったバラード「僕の場所」から徐々にテンポアップしていく構成で、ロックンロールチューン「new world satisfaction」ではハンドクラッピングで盛り上がるオーディエンス。メンバー紹介ではジルが珍しく大声で「イエーイ! Zepp最高! MUCCありがとう!!」とシャウトし、赤松は「みなさん、僕のことわかりますか?」と問いかけて笑いをとる。サポートのベーシスト、キーボーディストのメンバーも含め、演奏とは真逆の天然トークが場内を和やかなものにした。

後半戦はメロディックでスケール感たっぷりのMICHAELの代表曲「Archangel」に始まり、松岡がシャウトし、フロアーに水を撒きながら歌ったアグレッシブなナンバーにしてSOPHIAの名曲「brother&sister」で会場のテンションをマックスへ。そしてラストは「MICHAELにとって大切な曲です」と「東京」を演奏。「長いツアーを戦ってきたMUCC。オーディエンスの皆、この後、よろしくね! 頼むぞ!!」と男気あふれる言葉でライヴを締めくくった。

20時10分。ミラーボールの光が降り注ぐ中、いよいよMUCCの登場だ。示し合わせたかのように逹瑯は赤の着物風の衣装にエグめのメイク。オープニング「ENDER ENDER」から攻めのモードで、容赦ないほどのヘヴィチューンが前半戦から立て続けに投下される。

オーディエンスも振り切れているが、MUCCも昂っているのが逹瑯のヴォーカルや放たれる音から伝わってくる。ワンマンで見るMUCCとはまた違う種類の興奮を伴った緊張感。これぞ、「ARMAGEDDON」の醍醐味だ。

「来たからには大いに暴れてやろうぜ!!」──逹瑯

「東京!! 遊ぼうぜ!!」──ミヤ

とシャウト。「Ms. Fear」「369-ミロク-」など最新アルバム『THE END OF THE WORLD』収録曲では乾いた音と濡れたメロディの絶妙なコントラストで揺らせ、SATOちのパワフルなドラムに絡むYUKKEのうねるベース、ミヤのフックのあるギターが最高のグルーヴを生み出していく。

「今日は大天使=MICHAELとの戦いですよ。ウチらが天使だな(笑)。違うか。俺がこんなですからね」と逹瑯が笑わせ、「あのムキムキの身体で松岡さんが嬉しいこと言ってくれましたね。次はSOPHIAと一緒にやりたいと言ってくれてありがとうございます。ゆるく激しくダンスにポップにキュートに(笑)、進めていくんで、よろしく!」とライヴは中盤戦へ。

逹瑯の色気とエッジを兼ね備えたヴォーカルが映えるナンバーから、YUKKEがアップライトベースに持ち替えたジャジーな曲へとMUCCの守備範囲の広さを見せつけるステージングである。

「盛り上がってる? 俺、怖い?」とMUCC初参戦のオーディエンスに問いかけ、「松岡さんとSATOち、誕生日、一緒なんだよ。なんか、8月は燃えるよね。今日もやたらテンション上がっちゃってさ。新曲行こうか」と、リリース間近の「故に、摩天楼」が披露された。

MICHAELファンも巻きこみ、後半戦は「MAD YACK」「蘭鋳」などライヴのテッパン曲をたたみかけるように演奏し、50本を超えるハードなツアーで疲弊するどころか、対バンの刺激をエネルギーに変え、ますます、みなぎっているMUCCの“今”を刻みつけるようなライヴを見せてくれた。

そしてサプライズはアンコールに。ツアーTシャツに着替えた逹瑯がひとり登場してこう語った。

「BARKS(の対談)読んだ? 俺が生まれて初めてチケット代払って行ったライヴがSOPHIAが出た学園祭。そんな逹瑯少年がSOPHIAのメンバーと同じステージに立てるようになって。ありがとうございます。今日は幼い頃の俺の夢を叶えてくれるかい?」と、MUCCのメンバーに続いて、全員ツアーTシャツを着たMICHAELのメンバーをステージに呼び込んだ。

「ライヴ見てたんだけど、ホントに初期のSOPHIAコピーしてた? リスペクトしてくれてる面影ないんだけど(笑)」と逹瑯とハイタッチした松岡が客席を沸かせ、逹瑯は「SOPHIAのファンには大事な曲だと思うんですけど、あの曲を歌わせてもらいます」と全員で「Believe」をセッション。もちろんオーディエンスは大合唱。松岡と逹瑯が交互にヴォーカルをとり、ジルとミヤがツインギターで絡む。嬉しそうにベースを弾くYUKKEの肩に松岡が手をかけて歌い、赤松のドラムに合わせてSATOちもタンバリンを叩いてジャンプしながら煽った。この「ARMAGEDDON」という企画がなかったら、一生、実現しなかったのではないかと思う超レアな光景が目の前に広がる。

“幼い頃の君の夢 きっと叶えるさ”と逹瑯のほうを見ながらアドリブで歌った松岡。先輩と後輩のボーダーライン抜きにガチで戦ったMICHAELとMUCCのライヴの最後は極上のハッピーエンディングであった。なお、BARKSでは逹瑯のMCにあったように現在、松岡との対談を公開しているほか、この日の詳細レポートも後日公開する予定だ。

取材・文◎山本弘子 撮影◎釘野孝宏

<Episode 6.「ARMAGEDDON」>
2014年8月26日@Zepp DiverCity
MICHAEL セットリスト
SE.愛の讃歌
1.Amazing Grace
2.かくこそありしか合縁奇縁
3.嘘
4.みにくい反逆児
5.東京テディベア
6.僕の場所
7.be tomorrow
8.new world satisfaction
9.Archangel
10.天欒
11.brother&sister
12.東京

MUCCセットリスト
※後日掲載予定


■<SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争- Episode 6.「ARMAGEDDON」>毎公演異なるアーティストとの2マンTour
2014年8月06日(水) Zepp Nagoya VS [Alexandros]
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月09日(土) 新木場Studio Coast VS 氣志團
OPEN 16:00 START 17:00
2014年8月17日(日) 京都KBS HALL VS GRANRODEO
OPEN 16:00 START 17:00
2014年8月19日(火) Zepp Namba VS BUCK-TICK
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月20日(水) Zepp Namba VS シド
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月22日(金) 川崎CLUB CITTA' VS D'ERLANGER
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月24日(日) 大阪城野外音楽堂 VS ゴールデンボンバー
OPEN 16:00 START 17:00
2014年8月26日(火) Zepp DiverCity VS MICHAEL
OPEN 17:30 START 18:30
2014年8月28日(木) 恵比寿LIQUIDROOM VS geek sleep sheep
OPEN 17:30 START 18:30

■<SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争- Final Episode「THE END」>
2014年9月23日(火・祝) 国立代々木競技場第一体育館
前売券¥5,569(税込) 当日券¥6,500(税込)
※全席指定、3歳以上のお子様はチケットが必要です。
チケット一般発売日:2014年8月2日(土)

【MICHAEL LIVE 情報】
2014年12月21日(日)大阪・御堂会館
2014年12月23日(祝月)東京・日本青年館大ホール
※詳細は「7zoo7」「SOPHIA Official Site」「MICHAEL HP」にて。

◆<SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争->BARKS内特集ページ
◆SIX NINE WARS -ぼくらの七ヶ月間戦争- 特設サイト
◆チケット詳細&購入ページ
◆MUCC オフィシャルサイト
◆MICHAEL オフィシャルサイト
◆松岡充 オフィシャルTwitter
◆SOPHIA オフィシャルサイト
◆7zoo7 オフィシャルサイト
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