【ライブレポート】Jupiter、ツアー真っ只中に新曲緊急リリース「理想郷へ到達するために」

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V系メタルバンドJupiterが8月30日(土)の柏PALOOZAを皮切りに、全国ツアー<TOUR-2014「ARCADIA」>をスタートさせた。今回のツアーは、バンドにとって最大規模のワンマン・ツアーでもある。その3本目となったのが、9月6日(日)のHEAVEN'S ROCKさいたま新都心でのステージ。

◆Jupiter 拡大画像

クラシカルな「SE-Introduction-」と共に登場したメンバーは、姫、プリンス、悪の貴公子といった、それぞれインパクトある衣装に身を包み、ライブハウスを異次元の空間へと塗り替えていく。だが、インパクトあるのは外見ばかりではない。ヴィジュアル系にはあるまじき恐ろしいテクニックを個々が持つバンド、それがJupiterでもある。

この日もオープニング・ナンバー「Blessing of the Future」から彼らは凄まじいプレイを叩きつけた。ギターのHIZAKIがメロディックなイントロ・ソロを決めたかと思えば、そのメロディを受け継ぎながらボーカルのZINがパワフルに歌い上げる。ベースのMASASHIとドラムのYUKIが疾走感あるリズムを刻みながら、随所でプログレッシヴなキメ・フレーズを入れ込む。さらにHIZAKIとTERUが技巧派ツイン・リードを決めれば、早くもフロアは狂乱の図だ。

このバンド、もともと楽器陣はVersaillesで活躍し、ヨーロッパでも高い評価を得ている。Jupiter結成以降もヨーロッパ・ツアーを成功させ、現地のメタル・ファンを熱狂させたばかりか、日本で行なわれた洋楽フェスに招かれ、洋楽メタル・ファンにも知られ始めている。この日も観客の5割近くが男性で、海外から観に来たという熱心なメタル・マニアの姿も。そうしたファンが曲やバンド・サウンドに全身で飛び込み、盛り上がり続ける様は壮観でもある。

「Are You FxxKin' Ready?」

ZINが煽りを食らわせながら進むライブは、さらに熱さを高めるばかり。前のバンド時代はヨーロピアンな様式美にこだわった曲作りが印象的だったが、Jupiterを結成してからはこれまでに作り上げたものを基軸にしながら、メロディック・デスの要素やプログレ・テイスト、あるいはキャッチーなスタイルなど、貪欲な姿勢を見せている。その結果、各メンバーのプレイ的な主張ぶりも激しく、ライブではメンバー5人が火花を散らすようなプレイやステージングも。それによってファンに馴染み深い曲も新たな刺激だらけのナンバーに変化したり、音源では感じ得なかったクライマックスを持ったものになっている。

またライブ後半には、このツアーから披露されている新曲が投下された。1曲は「Darkness」で、デスとスクリーミングを織り交ぜた攻めのボーカル、殺人的なリフが炸裂する。そしてもう1曲の「ARCADIA」は、テクニカルなキメを散りばめながら、力強く広がる歌メロが圧巻のメタル・ナンバーだ。その2曲を初めて聴くファンがほとんどだったにもかかわらず、「Darkness」では曲に合わせて頭を振り乱し、「ARCADIA」ではメロウィック・サインが高らかにフロアのあちこちから上がるという光景も広がった。

この2曲を収録したシングル「ARCADIA」が、ライブ会場、オンラインショップ、配信限定で9月13日にリリースされる。「今回のシングルは、今の自分達を代表する曲を選びました」とライブ後に語ってくれたのは、表題曲「ARCADIA」を作ったHIZAKI。彼はさらにこう続けた。

「原曲を作っていたのは1年前ぐらいです。すでに形にもなっていたんですが、レコーディングにあたって改めてアレンジをして、歌詞をもう一度見直したんです。1年前とは全然違う曲になって、あのときに出さなくて良かった、と今になって思いました。一番大きな変化は、前のシングルで外部プロデューサーと仕事をしてみて、メジャー・シーンでどういうものを提示していかなければいけないのか、と自分でも改めて思ったところです。そこで、より聴きやすくしたいという思いも強くなりました。プレイの内容はものすごくマニアックなバンドなんですけど、それをいかにキャッチーに響かせるか。キャッチーといっても、例えばドリーム・シアターやラッシュも充分にキャッチーだと思うんですよ」──HIZAKI

「ライブでもやってきたこともあり、いろいろと見えてくるというか。1年前よりもかなり磨きを掛けました。プレイ的には複雑なことをやっているんですけど、洗練されて、スジが一本通った曲になりました。研ぎ澄まされたナンバーです」──MASASHI

「シンガーにとって大事なことは、エモーショナルな歌だと思うんです。歌詞に入り込み、ハートを込めて、全力で伝える。今まではピッチやビブラートなど、細かいところに気を使いすぎていた部分もありましたね。今回の2曲では、これまで以上にエモーショナルに歌えました」──ZIN

またライブ中のMCでも触れていたように、現在、Jupiterはニュー・アルバムに向けて準備も進めている。

「予定では、ツアー前にフル・アルバムを発表するつもりでいたんです。でもライブで作っていく感じを重視したんです。アルバムを売るためにツアーをするんじゃなくて、バンドをさらに固め、そして新曲もライブを通して作り上げたいと考えたんです。本来はそれが当たり前じゃないですか。いわば、バンド活動の原点のような形です」──HIZAKI

「新曲をいっぱいやっても、お客さんは戸惑うかもしれない。ただ、バンドの力量があれば、新曲だったとしても入り込んでくれて、ライブとしてもいいものになると考えています。そういった意味で、今回のツアーは自分らとしても挑戦なんですよ。自分らの空気に巻き込みながら、ARCADIA旋風やJupiter旋風を起こせたらと思っています」──MASASHI

「ある意味、実験的なこともできるツアーだと捉えています。ツアーが始まってから何本かのライブでも、すでにいろんなことがあったし。反省も多いけど、発見も多いんですよ。もっとハジけるところはハジけて、キメるところはキメて。それによってJupiterの捉え方の幅も広がって、また自分達自身も様々な側面を見せていきたい。それらをニュー・アルバムへ昇華させようと考えています」──YUKI

「ツアーが始まったばかりですけど、バンドとしての塊感や一体感が高まっていくのを自覚しているんですよ。最近、静かな曲やドラマティックな曲での入り込み方が、自分でも尋常じゃないと感じるんですよね。もちろん激しい曲では、今日観ていただいたように、手加減なしです。秋刀魚の水揚げが始まった季節ということで、僕らも秋刀魚のごとく脂が乗った感じで……、おいしいぞと」──TERU

プレイはうまいが……例えはいまいちなTERUである。それはともかく、バンド始まって以来の大規模なワンマン・ツアー、ニュー・シングルで見せる研ぎ澄ませたJupiterの今、ニュー・アルバムへの思い。それらの意気込みの高さが現われたライブなのは間違いない。

「ツアー・タイトルにもなっているARCADIAとは理想郷のこと。理想郷に到達するのは生半可なことじゃない。だからライブ1本ごと、120%の力でステージをやっているんです。その熱さは確実に受け取ってもらえると思う。熱くなることの大切さや素晴らしさも伝えるつもりなんです。今日も盛り上がって、予定になかった2度目のアンコールもやったぐらいでしたね。みんな、ありがとう。そしてこうやってライブで生まれた爆発的なエネルギーは、アルバム制作に向けたパワーにもなります。だから一緒にニュー・アルバムを作っていく、そういう気持ちでライブに来てほしいです」──ZIN

今回のツアーでは、ニュー・シングルに収録した2曲はもちろん、この先のニュー・アルバムに収録予定の新曲もセットリストに加えられていくという。また最近では披露されることが少なくなった昔のナンバーやレアな曲も、今後のセットリストの候補にあがっている。そしてツアー・ファイナルは10月26日(日)の東京AiiA Theater Tokyo。このツアーで得たもの、新作への大いなる野望などが入り混じったライブになるだろう。

「新作は凄いです。まだデモだけの曲もあるんですけど、自分で聴いていても好きなアルバムになっていってるし、スケール感が大きいと感じています。単純に、いい曲が多い。世界レベルに達してもいいと思える作品になりそうです」──HIZAKI

取材・文◎長谷川幸信 撮影◎KEIKO TANABE



■New Single 「ARCADIA」緊急リリース決定!
2014.9.13 OUT
[ライブ会場]+[ONLINE SHOP]+[配信] 限定販売
1. ARCADIA
2. Darkness
  
・ライブ会場販売CD購入者対象サイン会実施
Jupiter TOUR -2014-「ARCADIA」 9/13大阪公演~10/4札幌公演
・オンラインショップ購入限定特典:ジャケットサイズフォトカード
ARCADIA ONLINE SHOP http://www.newbook.co.jp/jupiter/
・デジタルリリース9.13世界同時配信
iTunes Store & Amazonデジタルミュージックストア

■<Jupiter TOUR -2014-「ARCADIA」>
8月30日 (土) 柏PALOOZA
8月31日 (日) HEAVEN'S ROCK熊谷
9月06日 (土) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心
9月07日 (日) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
9月13日 (土) 大阪AKASO
9月15日 (月・祝) 岡山IMAGE
9月17日 (水) 福岡DRUM Be-1
9月20日 (土) KYOTO MUSE
9月21日 (日) 名古屋Electric Lady Land
9月23日 (火・祝) 金沢AZ
9月24日 (水) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
9月27日 (土) 水戸LIGHT HOUSE
9月28日 (日) HEAVEN'S ROCK宇都宮
9月29日 (月) 仙台MACANA
10月04日 (土) 札幌KLAPS HALL
スタンディング ¥4,500 (税込) DRINK代別

■<Jupiter TOUR -2014-「ARCADIA」 TOUR FINAL 「Conctruct a World」>
10月26日 (日) AiiA Theater Tokyo
全席指定 ¥4,500 (税込) DRINK代別

◆Jupiter オフィシャルサイト
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