【倉木麻衣×BARKS連載対談】第六回(2006~2008年)「直接アジアの人に伝えたいと思ったんです」

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■“不安だけど、楽しいんだろうな”みたいな
■やってみたら、絶対に楽しさが勝つだろうなという

西室:倉木がマータイさんに言われたのは、“ミュージシャンには若いファンがたくさんいるから、そんなあなたがぜひ伝えてほしい”ということで、それを聞いていると自然に“そうですよね”という感じになりましたね。周りの人間も。

烏丸:いい出会いがあったんですね。

倉木:それからは、ジャケットにもエコの紙を取り入れたりとか、実際に実行していくきっかけを与えてくださったのが、アースコンシャスのコンサートと、マータイさんでした。

烏丸:えらい人ですね。僕はタイムマシンであの頃に戻って、反省したいですよ。

西室:そうは言っても、我々もやれる範囲内でやれたらいいなというところで、長く続けたいなと思っていたので。

倉木:そこで、ファンの方も一緒に賛同してくださるのがすごくうれしくて。“植林してきました”とか、“ボランティアをやってきました”とか、教えてくれるんですよ。マータイさんは2011年にお亡くなりになってしまったんですが、マータイさんと交わした思いを実現して、感謝の思いを恩返ししていきたいと思っています。

烏丸:やっぱり、出会いですね。

倉木:出会いは大きいですね。出会いひとつによって、人の人生を変えることがあるんだなってすごく感じます。まさに一期一会ですね。話は2006年からそれちゃうんですけど、2014年の15周年のテーマを“一期一会”という言葉にして、大事にしていきたいと思っているんですよ。それをタイトルにして、6月末から全国ツアーをスタートさせています。

西室:急に8年ほど時間が飛びました(笑)。そういう出会いがあっての一期一会ということなんですね。

▲台湾記者会見の模様
▲台湾最大・最高の音楽賞「金曲奨」出演時(2007.6.16)
▲「金曲奨」にて「Secret of my heart」を披露(2007.6.16)
烏丸:その後、活動拠点はどんどん広がっていきますよね。海外を含めて。学生じゃなくなってからは、比較的自由に時間がとれるようになって、活動の幅が広がったということはあるんですか。

倉木:大学を卒業した頃から、アジアのほうに行くようになったんです。デビュー当時から、台湾やマレーシアや、アジアのいろんな地域の方からお手紙はいただいていたんですけど、ずっと日本国内でライブをやっていたので、なかなか行くことができなくて。でも大学を卒業して、時間の余裕もあるし、いろいろと考えられる時期にもなったので、“アジアでライブをしたい!”と思って、初めて行かせていただきました。

烏丸:それは、自分の中で欲が出てきたという感じですか。

倉木:そうですね。もっといろんな自分を見てもらいたいという思いが、どんどん強くなっていく時期でもあったので。初めてのことにチャレンジしたいという思いはありました。

烏丸:それまでも、初めてだらけのことを繰り返してますけどね。

倉木:ふふふ(笑)。当時は経験もなかったので、不安や恐れもありながら、体当たりで頑張って行こうという気持ちがあったんですけども。やっていくうちに、“やれば乗り越えられるんだ”という思いに変わってきて、どんどん新しいことをやっていきたいと思えるようになってきたのは、何ででしょうね……。

烏丸:自信がついてきたということですよね。

倉木:そうなのかな? 見えなかったものが見てきたという、自信もあるのかもしれないです。だからこそ、アジアに行ってライブをやってみたいと思って、2007年に台湾の音楽賞<金曲奨>というイベントに参加させていただいたり。

烏丸:不安と楽しみと、どっちが大きかったんですか。

倉木:何て言ったらいいんだろう……“不安だけど、楽しいんだろうな”みたいな、半々なんですよ。でもやってみたら、絶対に楽しさが勝つだろうなという気持ちがなんとなくあって、じゃあやってみようという感じでした。デビューから7年経って、台湾の方たちが本当に自分を待っていてくれるのか?ということが全然見えなかったんですよ。でも実際に行ってみたら、すごかったんです。びっくりしちゃいました。

西室:空港についたとたんにもみくちゃ、みたいな。

倉木:こんなに待っててくれたんだと思って、うれしくて、圧倒されてましたね。カメラのフラッシュもすごくて、今まで経験したことがなかったので。それだけ熱く待っていてくれたファンの方がいたんだと思って、申し訳ないなという気持ちにもなりました。

烏丸:ああ、今まで来なかったことが。

倉木:なんでもっと早く来なかったんだろう?って。それからは、時間を作って、台湾や中国、韓国、香港でライブをしたり、ファンクラブ・イベントをしたりするようになったんですけど。

西室:来てほしいという話はずっといただいていて、本人のモチベーションも高かったので、ちょうどタイミングがよかったんですよね。

倉木:私の中ではすごく自然でした。

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