【ライブレポート】横浜アリーナ、今まで見たことのなかったX JAPAN

2014年9月30日、10月1日に開催された横浜アリーナの2daysライブでは、熱狂の3時間を経て「これまでのX JAPANの中で一番良かった」と涙ながらに語るファンの声をいくつも耳にした。会場の周りではあちらこちらで感動の思いが渦巻いていたようだ。それは全国の各映画館でも同じ思いだっただろうし、TV画面の前で控えめにXジャンプをキメていたWOWOW生放映で同じ時を共有した全国のファンも、全く同じ思いだったことだろう。
◆X JAPAN画像
この日のX JAPANは、私が観てきた25年間のX JAPANのどのライブとも何から何まで違っていた。挙げるべきキーワードはいくつもある。サウンド、構成、楽曲、そしてメンタル。今のX JAPANがこれまでにないステージに立っていることを証すキーワードはあまりに多い。

そんなサウンドをもって、要所要所に新曲を突きつけた点も見逃せないポイントだ。「作詞はYOSHIKI、作曲はSUGIZO」とToshIが紹介していた新曲「Beneath the Skin」もバンドバージョンで生まれ変わった「HERO」も、新曲はほぼ英詞で構築されており、完全に照準が世界に向けられていることを示している。「Beneath the Skin」では、重たいビートに時にHEATHのスラップが絡む、これまでにないダークで重厚な重みを持ち、「HERO」も美しい旋律をもちながらビートはとにかくヘヴィだ。

25年もの歴史をもって、これまでX JAPANがステージで繰り広げてきたことの全てが、この横浜アリーナに持ち込まれていた。ドラムの破壊やYOSHIKIの気絶こそなかったものの、この日に展開されたのはX JAPAN全部盛りというべきものだ。そしてなによりのポイントは、そういう構成でステージに立とうという彼らのメンタリティーが、これまでのX JAPANとは全く違うものだったことにある。誰もが気付き誰もがわかったことだと思うが、この2daysで彼らが見せたものは「笑顔」だ。ステージに立つことの喜びを身体全体で表し、とにかく全てのメンバーが楽しそうに音を出していた。

何度も繰り広げられる「WE ARE!」「X!」コールと、会場のウェーブ、笑顔と涙とありがとうの思いをにじませて、ライブは名残惜しいまま幕を閉じた。X JAPANを楽しみ慈しむオーディエンスが生み出すエネルギーは、この日会場にいつまでもいつまでもざわめきを残し続けていた。
水をまき、バラを投げ、リラックスしたトークとともに、感謝の気持ちを述べ、気合いで全員がX JAPANになるという“王道のX JAPAN”が結実したエポックな瞬間が横浜アリーナの2daysだ。25年の長き時をすべて飲み込んで過去を精算した完全体のX JAPANが誕生した瞬間でもあった。
この日、未来のX JAPANが本当に楽しみだと思った。「東京ドームでX JAPANのライブを!」…署名運動しようじゃないか。
text by BARKS編集長 烏丸哲也
<X JAPAN@横浜アリーナ 2014年9月30日、10月1日>
1.Miracle(INTRO)
2.JADE
3.Rusty Nail
4.Silent Jealousy
5.Beneath the Skin
6.PATA+HEATH SOLO
7.DRAIN
8.SUGIZO VIOLIN SOLO
9.紅
10.HERO
11.Born To Be Free
ENCORE1
12.YOSHIKI PIANO SOLO
13.YOSHIKI DRUM SOLO
14.Forever Love
15.I.V.
16.X
ENCORE2
17.ENDLESS RAIN
18.ART OF LIFE(PIANO)
19.ART OF LIFE(BAND)
◆YOSHIKIオフィシャルサイト
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