ν[NEU]、初ホールワンマンライブ終演後にЯeI(Dr)が“愛のお見送り”

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ν[NEU]が渋谷AiiA Theater Tokyoワンマンを2014年9月28日(日)に開催した。この公演のライブレポートをお届けする。

◆ν[NEU]AiiA Theater Tokyo公演 画像

2014年7月に始まった全国ツアー<5th Anniversary ONEMAN TOUR 2014>も、9月28日(日)のAiiA Theater Tokyoの公演でちょうど折り返し。この日は、ν[NEU]にとって初のホールコンサート。チケットはSOLD OUTを記録。さらにこの日は、ЯeI(Dr)の誕生日当日。自分が受け取るのではなく、ファンたちへ向けた感謝の想いをЯeI自身が返したいということから、バースデー企画として「“ЯeI”直筆メッセージカードをご来場者全員にプレゼント」「“ЯeI”プロデュース AiiA Theater Tokyoステージセット」「“ЯeI”プロデュース ドリンク、カレーを当日限定販売」「AiiA Theater Tokyoロビーにて“ЯeI”写真展を開催」「“ЯeI”がライブ終演後に"愛のお見送り"」と、5大企画も実施。開演前のロビーでは訪れた人たちが、ЯeIの映した写真の数々に目を配れば、特製カレーに舌鼓を打っていた。

先の5大企画にも記されていたように、この日のセットリストはЯeI自身が選曲と構成を作りあげていた。ご存じの方もいるかと思うが、ν[NEU]はリーダーでありベーシストのヒィロとドラマーのЯeIを中心に誕生。紆余曲折を繰り返し、今のメンバーに出逢えたことで動き出したバンドである。折しもこのツアーは、結成5周年を記念しての内容。それもあるのかいつものステージ以上に、インディーズ時代やデビュー間もない時期の楽曲が多くラインナップされていた。

この日は、序盤からインディーズ時代に発売した1stシングルに収録していた「PULSE」が飛び出せば、ν[NEU]の運命を大きく変えたメジャー第一弾シングルの「RED EMOTION~希望~」も演奏。活動初期のν[NEU]はサイバー色を打ち出していたように、デジタル要素の非常に強かったバンド。その姿勢が活動年数を重ねるごと次第に色を抑え、近年では生演奏を重視したうえでの色付けという形で打ち込み要素を用いている。それもあるのか、過去の楽曲も今のν[NEU]のスタイルに寄せる形でアレンジ。装いを進化させた理由もあるが、奏でる曲たちに強い説得力を覚えたのも演奏陣の表現の力量がグンと増したから。哀切な表情を携えた「RED EMOTION~希望~」に凛々しさを覚えたのも、存在感あふれる演奏が伝わったからこそと言えようか。

誰もが手で○×のポーズを作り“YES NO×YES NO”と唄いながら思いきり跳ね続けてゆく、ν[NEU]のライブでは定番化している一体化ナンバー「YES≒NO」も、この日は分厚い音をブーストさせたデジタルロックナンバーとして響いてきた。それもあってか、観客たちの熱狂ぶりもいつも以上の迫力だった。間奏でギターの華遊が、観客たちと「HAPPY」「BIRTHDAY」「ЯeIぽん」「愛してる」とコール&レスポンスを行う遊び心を見せていたのも、この曲で熱狂を描き出した理由の一つ。

軽快なシャッフルビートに乗ってはしゃぎ続けた、「Shuffle」。ЯeI(Dr)と観客たちとの「今日は俺と妄想する?!」「するー!!」のやり取りで幕を開けたポップでチャーミングな「妄想接吻」では、ギターを置いた華遊が舞台上でハートマークを作り、観客たちを愛しき妄想の世界へと誘い出していた。間奏では華遊がタクミ(G)に投げキッスしてゆく場面も見せれば、極めつけは舞台中央のお立ち台に乗ったЯeIが「愛してるぜ」と告白しながら、同じく台に乗ったヒィロ(B)にKISSしてゆく場面。もちろん場内中の人たちがあらぬ妄想を掻き立てながら、二人の接吻の様を黄色い声を張り上げしっかりと見つめていた。

華遊の挑発的なラップが炸裂。身体を思いきり熱く躍動させてゆく疾走デジタル系ダンスビートナンバーの「ピンクマーブル」、インディーズ時代にリリースしたν[NEU]の初音源曲「New World」と、初期スタイルの特色を色濃くだしたサイバーロック・ナンバーでも、彼らは場内へ熱狂を描き出していた。本編最後はファンたちとの思いの絆を確かめるように、“君と出逢えたあの日からすべて変わったんだ”と歌う「everlasting light」を演奏。ファンたちもメンバーとの想いの絆を確かめるよう、大きく手の花を咲かせ、一緒に歌を口づさみ、心一つに笑顔で溶け合っていた。

「みんなもいろいろ言いたいことも言えず、心に抱えていることもあると思います」。触れた人の気持ちを優しく抱擁してゆくようにアンコールで流れだした「言いたいことも言えずに」。「ずっと夢を追い続けられたのは、この曲に理由があります」。ファンたちと笑顔で一体化した空気を作ってゆく「スプラッシュ!」では、支えてくれた存在があるからこそここまで進んでこれたという気持ちを、ラブソングという形に投影。誰もがみつ(Vo)と一緒に歌を口ずさみ、両手でハートマークを描きながら、思いきり心で弾け続けていた。ライブではお馴染み、むしろライブに足を運ばないと聞けない定番ナンバーの「エンドロール」では、会場中の人たちが左右に走り、無邪気に飛び跳ね、この瞬間を忘れられない風景として胸に、身体に、記憶にと刻んでいた。“もっと一緒にいられるよう解けない魔法で願いを叶えて”。その魔法が何なのか、この場にいた人たちなら十分に実感していたことだろう。

2回目のアンコールを前に流れた「Happy Birthday」(スティービーワンダー)の音楽。この日誕生日のЯeIへのサプライズ企画として、華遊(G)がケーキを持って舞台へ登場。会場中の人たちでバースディを祝う歌を歌ったところで、ЯeIが蝋燭の火を吹き消す場面も。「ファンへ向けてひと言」の振りを受け、「僕、何かでみんなへの想いをお返ししたいと思い、今回、美味しいご飯でおもてなしをしようと思って料理教室に通い、それで今日カレーを作りました。みんなのおかげで誕生日が好きになりました」と、ЯeIがお礼の言葉を述べていたことも報告しておこう。

最期の最期に、5周年記念シングルとして発売した「ひとりじゃない」を、みつ(Vo)がひとことひとこと噛みしめるように場内中の人たちへ優しく唄いかけ、とても暖かな空気を作りながらこの日のライブの幕は閉じていった。「ひとりじゃない」を通し、触れた人たち一人一人の心へ響かせた“どんなときも一人じゃない”という想い。その気持ちが嬉しかった。最期は、ЯeIが出口に立ち、観客たち一人一人を満面の笑顏で見送っていた。この日会場に足を運んだ人たちにとって、素敵なサプライズ満載なライブになったのは間違いない。この熱狂は、12月29日に渋谷公会堂で行われるファイナル公演まで続いてゆく。その熱狂の目撃者として、あなたもぜひ仲間に加わらないか。

文◎長澤智典
写真◎Yuri Fujiwara

セットリスト
01.desire
02.PULSE
03.LIMIT
04.RED EMOTION~希望~
05.Glory Days
06.YES≒NO
07.Shuffle
08.cube
09.Key of Life
10.LAB
11.妄想接吻
12.ピンクマーブル
13.New World
14.everlasting light
-EN1-
15.言いたいことも言えずに
16.スプラッシュ!
17.in my secret…
18.エンドロール
-EN2-
19.ひとりじゃない

ν[NEU]★5th Anniversary★ONEMAN TOUR 2014 FINAL #30<エンドロール>
2014年12月29日(月)渋谷公会堂
開場17:15/開演18:00
前売券¥5,000(全指定席)
※入場者全員に「エンドロール」シングルCDを無料配布
10月05日(日)より一般発売
・ローソンチケット/TEL:0570-084-003(L:71998)
・チケットぴあ/TEL:0570-02-9999(P:234-823)
・イープラス http://eplus.jp
[問]DISK GARAGE/TEL:050-5533-0888

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◆BARKS ヴィジュアル系 V-ROCK
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