【インタビュー】the god and death stars、ミニアルバム完成「B面バンドなんだよね(笑)」

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the god and death starsが10月29日、全6曲を収録したミニアルバム『賑やかな食卓』をリリースする。3ピース以外の音色を極力排除したサウンドはタイトでソリッド。必要最小限のバンド編成による緊張感とムダのなさが、彼ら本来の潔さをクローズアップしているようで実に心地よい。しかしながら、変幻自在なリズムアプローチや言葉選びの妙は一筋縄ではいかぬものだ。このバンドならではの陰は濃く、聴けば聴くほどに新たな発見が浮かび上がる深みは、一朝一夕に成し得るものではない。

◆ミニアルバム『賑やかな食卓』トレーラー

deadman、the studs、THE MADCAP LAUGHSなど、数々のバンドのギターとしてシーンに名を馳せてきたaieを中心に活動をスタートしたthe god and death starsは、ex.蜉蝣のベーシストでありSTEREO.C.Kのkazu、ドラマーにrowtheの大嵩 潤を迎えた3ピースだ。オルタナティヴな質感を軸として、歌謡テイストやブルース色などがそこかしこに散りばめられたサウンドが高い演奏力とアレンジ力を裏付ける。そのシリアスな楽曲とは裏腹に爆笑インタビューとなったこのテキストから、3人の現在のコンディションの良さが感じ取れるはずだ。

■「賑やかな食卓」は俺、試聴してたら飛ばすなって(笑)
■こちらからこの曲の重要性を位置づけておいたほうがいいかなと──aie

──ミニアルバム『賑やかな食卓』は、内容の濃い充実した作品となりましたね。

aie:我々としては、B面集みたいな感じはしてますね。シングルっぽくない曲ばっかり集めたみたいな。

──それは前作「mary bird milk」があってのことですか?

kazu:このバンド自体が……。

aie:B面バンドなんだよね(笑)。こういうほうが好きなんですよ。

──曲のタイトルからして、意味深な小説の題名のような曲が並びますが、ミニアルバム制作のとっかかりとしてはどのあたりの曲からできたんですか?

aie:「出来事と偶然の為の媒体」と「エドワード・スミス」、「告発」は、2014年5月にライブでやったことがあったんですよ。それを一回ひっこめて作り直して、ですね。それ以外の3曲は録り下ろしです。

──では、タイトル曲の「賑やかな食卓」もこの作品のために作ったわけですね。

aie:そうなりますね。先にミニアルバムのタイトル『賑やかな食卓』をつけてから、1曲目の曲名を「賑やかな食卓」にしたんです。この曲がアルバムの冠でいいかなっていう。

──非常にドラマティックな曲ですね。

aie:これも、実は2013年くらいからオケは作っていたんですよ。kazuさんがひさしぶりにリハーサル・テイクを聴いて、「こんな曲、むかしやってたの覚えてる?」って持ってきて。「ミニアルバム作るなら1曲目はこれがいいな」っていう。

kazu:いちばん古い曲かもしれないですね。

aie:僕も大嵩さんもその曲の存在すら忘れていて。とっくにボツだよねって思ってた曲なんですよね。

──改めて聴いたときに引っかかるものがあった?

kazu:家で聴いていたら、これはアルバムのオープニング・ナンバーにすごくいいと思ったんですよね。

aie:言われてみれば、LUNA SEAっぽいなって俺とkazuさんで言ってたんですよね(笑)。当時は大嵩さんがLUNA SEAを聴いてなかったので、その意思疎通はとれてなかったんですけど、晴れて最近、大嵩さんが『IMAGE』から聴きはじめてるっていうので、我々のルナティック感が統一されたというのはありますね。

大嵩:そうですね(笑)。

aie:LUNA SEAの復活後の1曲目っぽい(笑)。

──そのLUNA SEAっぽさも落とし込めたと(笑)。アルバムの物語がここから進んで行くという雰囲気が強く織り込まれた曲ですね。

aie:曲の入り口から長ーい繰り返しがあって、アルバムのイントロっていう感じが出せればなと。ただ長いですよね、サビまでが。ちゃんと聴き込めばいいんですけど、これ、俺、試聴してたら飛ばすなって(笑)。なので、試聴するときは2分くらいからはじめてもらえれば。

──でもそんな曲を1曲目に、そして表題曲にしてしまおうという。

aie:そうしておかないと飛ばされるなと思ったんですよね。こちらからこの曲の重要性を位置づけておいたほうがいいかなって。これが例えば4曲目だったら、また意味が違うし。“推し曲”として出していきたいなと。

◆インタビュー(2)へ
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