【ライヴレポート】VAMPS主宰<HALLOWEEN PARTY 2014>、幕張最終日に「本来の姿、私服で登場しました」

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幕張メッセ国際展示場9〜11ホールにて3日間にわたって行なわれてきたVAMPS主宰<HALLOWEEN PARTY 2014>が10月19日、関東エリア最終日を迎えた。

◆<HALLOWEEN PARTY 2014>幕張最終日 拡大画像

性別や世代のボーダーラインを超えて、この日も通行人をザワつかせる妖怪たちが客席に大集合。会場には仮装していないと逆に違和感を感じるぐらいのヤバい光景が広がっている。

▲DAIGO
開演は17時。2日目に続いて、最終日ものっけから<HALLOWEEN PARTY>を盛り上げたのはDAIGOだ。前日は意表を付いた幕開けだったが、この日は馬車に乗ってステージへと。ここから普通に始まるのかと思いきや、そうではなかった。ライヴでおなじみのキャラ“ステイダイゴールド”くんが出てきて、DAIGOに首をとられるというまさかの展開だ。DAIGOの仮装はというと、前日のフック船長から、この日はモンスターハンターのキャラで、やはり男らしい系。銀の鎧姿もまったく違和感がない。そしてライヴは「無限∞REBIRTH」で幕を開けた。

「3日目にして幕張最終日です! みなさん、気合い入ってますか? 一昨日に始まったと思ったら、もう最終日で。神戸もあるというのに俺もうハロウィンロス症候群になりそうなんですけど(笑)。今日の僕の仮装、わかりますか?(オーディエンスの声に応えて)、そう! モンスターハンターなんです。今日はモンハンということで、みんなと狩りに出かけたいと思うんですけど、一緒に楽しんでくれますか?」──DAIGO

そう煽って、ハンドクラップで盛り上がる中、最新シングル「心配症な彼女」が披露された。DAIGOの曲の中でもとびきりメロディがキャッチーなポップチューンをはさんで、「毎年、この季節になるとすね毛や脇毛がツルツルになるんですけど」と、これまでの仮装遍歴(大橋のぞみ、AKB48、ももクロなど)について振り返り、「今年は僕、DAIGOも36歳になったので、OTKとしての俺をもっと知ってもらいたいなと」とトーク。ポカーンとしている客席に「すみません。OTKは男という意味です(笑)。なので、こういう仮装で臨ませてもらってます」と絶妙なテンポのトークがこの日も冴えまくっていた。

▲From KARAOKE to the STAGE
そして、アグレッシブで力強いメッセージが光る「CHANGE !!」でDAIGOのステージが終了。やりきった感のある清々しい表情が印象的だった。

恒例のカラオケコンテスト“From KARAOKE to the STAGE”では、乃木坂46の「おいでシャンプー」を振り付けで歌う男性バンドマンや、シドの「御手紙」をベーシストを交えてパフォーマンスした2人組、ジャイアンとドラえもんのコンビによるVAMPSの「EVANESCENT」などが場内を魅了した。

▲乃木坂46
そして、2番手は2013年に引き続いて2回目の出演となる乃木坂46だ。ダイナミックなステージセットと、純白のエンジェル衣装に身を包んだ彼女たちのパフォーマンスは、<HALLOWEEN PARTY>の空気を変えてしまうほどキュートだ。爽やかな「夏のFree&Easy」にはじまり、ピュアな「気づいたら片想い」、最新シングル「何度目の青空か?」とヒット曲が立て続けに披露される。

「ハロウィン感満載でとても楽しいし、こうして呼んでいただけて嬉しいです。去年は全身黒くて悪魔みたいな衣装を着ていたんですけど、今年は真逆で白い天使をイメージして仮装してみました」と次の曲へ行こうとするが、突然ステージにジェイソンが現れ、声をあげて逃げまどう彼女たち。会場が暗転し、ステージに倒れ込んだ全員の衣装が血で赤く染まる。この「制服のマネキン」へと移行する演出もオーディエンスを驚かせた。

▲HALLOWEEN COLLECTION
「会場のお姉様、お兄様、もっともっと。楽しんでいきますよ〜!」と生駒里奈が煽り、ラストは会場の歌う声も響きわたった「おいでシャンプー」で締めくくられた。

ランウェイを練り歩くモデル気分が満喫できる仮装ファッションショー“HALLOWEEN COLLECTION”のラストには妖怪ウォッチのジバニャンに仮装したMUCCの逹瑯とDIR EN GREYのShinyaが揃って登場、会場を沸かせた。

▲シド
3番手としてステージに姿を現したのはシドだ。どんなコスチュームをぶつけてくるのだろう?と思っていたら、予想を上回る4人4様の出で立ち。まず、「燃えよドラゴン」のテーマに乗って、ゆうやが爆笑アクションで登場し、刀を持った明希は『るろうに剣心』の志々雄真実に仮装。ShinjiはDAIGOにも通じる鎧姿で『聖闘士星矢』のアクエリアスのカミュに扮し、マオはなんと髭につなぎのスーパーマリオならぬ“スーパーマオ”。ぴょんぴょん跳ぶたびに“ビョーン”という効果音が響き、会場は笑いに包まれる。

そのスタイルで1曲目にシリアスな「証言」を持ってくるのだから、さすが一筋縄ではいかないバンドなのである。そこからランウェイを走ってのライヴのテッパン曲「Dear Tokyo」が披露された。

「こんばんは。こう見えてシドです(笑)。今日はこんなにステキなパーティにお呼ばれして、VAMPSのみなさん、ありがとうございます」と挨拶したマオは、ひとりひとりの仮装を紹介。「今宵は氷のような冷たい夜にしようじゃないか。氷のように滑っていこうじゃないか」とShinjiが言えば、「持ってきた刀は自前です。みなさん、呪われてますか? もっともっと死んでいこうぜ!」と明希が煽り、無視されそうになったゆうやはドラムで必死にアピールするものの「その仮装、何ですか?」と問われ、「カンフーの達人です」と答える。これには「え? ブルース・リーじゃないの?」と聞き返すマオ。そんなトボけたやりとりも含めて個性派揃いのシドである。ちなみにマオは「スーパーマリオ」のパワーアップアイテムの星も持ってきていて、さらに場内を沸かせていた。

こんな和気あいあいとしたやりとりから、開放感たっぷりの「サマラバ」へと突入し、ラストナンバーはドラマティックで官能的な「眩暈」。歌っているとき以外はマリオになりきっていたマオは持参した箱から赤いサイン入りのカラーボールを客席に投げ入れ、再びパワーアップしてステージを去っていった。

▲VAMPS
転換時には“THE ROAD TO HALLOWEEN PARTY 2014”で選ばれた結成間もないdropが登場し、楽しい振りとともにファンタジックなステージを繰り広げた。

そして時計の針が19時30分に届こうとすると、待ってましたの大歓声。VAMPSのステージの始まりだ。馬車で客席フロアから登場した彼らは、気合いの入ったコスチュームで次々に階段を昇り、メインステージへと向かう。しかし、そこにHYDEの姿はない。スクリーンに女性のシルエットが映し出され、幕が上がると、そこにはヴァンパイアの姿で赤い一輪の薔薇を手にお墓の前に佇むHYDEの姿が。

オープニングナンバーはミュージックビデオの世界をステージで立体的に見せた「VAMPIRE'S LOVE」だ。HYDEの熱のこもったボーカルに呼応するようにK.A.Zが狂おしいギターをかき鳴らすオープニングからしてスペシャルなもの。しかしながら、どこまでもドキドキさせるのがVAMPSのライヴである。切ない世界に浸っているのもつかの間、HYDEがランウェイをゆっくりと歩いていく。天井からドクロ仕様のシルクハットが落ちてきて、アッという間に早着替えを済ませたかと思うと、「HALLOWEEN PARTY」のロックヴァージョンでは、そのまま宙づりになって歌いながらフロア後方の客席内に設置された小さなステージへ移動するという仕掛け。これは2曲目にしてこの日のクライマックスともなっていた。その空中移動はかなりのスピードで進んでいくので、HYDEの姿はアッという間に視界から消えたが、何かが降りてきているとしか思えないボーカルと演奏は、空間を歪ませてしまうのではないかと思うほどの禍々しさで、中には失神寸前になるオーディエンスも。興奮しまくりの場内は「ANGEL TRIP」でさらに会場の気温を上昇させ、HYDEが語りかけた。

「今日は本来の姿、私服で登場しました。いちばん曝け出せるのはこれかなって。今日は最終日、これでビシッとキメたい、とK.A.Zくんも言ってました」──HYDE

と笑わせるとあたりを見渡し、「みんな、今日は一段とかわいいよ。はっちゃけようぜ!!」と何度も叫び、灼けつくような熱さのまま、「THE JOLLY ROGER」へと突入。ここからの後半戦はたたみかけるような激しさで、メンバーが死神の行列のように見えた「TROUBLE」も圧巻。幕張メッセ最終日ならではの爆発力で、「SEX BLOOD ROCK N'ROLL」では意識が朦朧とするぐらい熱い熱いライヴが終了した。

▲HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA
そして狂乱の宴を締めくくるのは、HYDEが指揮をふるうHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAだ。そのメンバーは、HYDEから「血がついちゃったんだね。死んじゃったの?」と話しかけられた乃木坂46、グリフィンドールのコスチュームで登場したTommy heavenly6、ジバニャンに扮し、猫縛りの仮装が多いことを突っ込まれ、「DIR EN GREYっていうバンドやってるんですけど、そのバンドには猫のカケラもないので、そこだけ覚えて帰ってください」と語ったShinya。HYDEに「その特殊メイク、どれぐらいかかるの?」と聞かれていたやはりジバニャン仮装のMUCCの逹瑯、ゆうやがブルース・リーというよりオードリー春日氏に似ているという話題と前日の明希の遅刻(この日は誰より早く会場入り)で盛り上がったシド。そしてHYDE&DAIGOコンビにいじられる分島花音、Anis(MONORAL)と賑やかな面々が最終日も集結した。

アフリカの子供達のゲームに続いて、オーラスとなるセッションで呼び込まれたのはGLAYのTAKUROとHISASHIだ。もちろん、場内は怒濤の大歓声。TAKUROはなぜか明希の遅刻についても謝罪し、「もうひとつ、謝らなければばならないことがありました! 相方のHISASHIが近所のわんぱく相撲で顔をすりむいてしまい、こういう状態なんです」と徳利児鞭棄の仮装をしたHISHASHIを紹介し、大爆笑。ちなみにTAKUROは昨年の“白い狼”に続いて、今年は“白い犬”の仮装とのこと。また、マイクに向かってしゃべろうとするものの、声にならないHISASHIはDAIGOに向かって「しゃべれない、しゃべれない」と訴えていたのだった。

この豪華なメンバーが加わってのセッションは、HYDEのリクエストによりGLAY×EXILEのコラボシングル「SCREAM」。ドラムにDIR EN GREYのShinya、ベースにシドの明希、ギターにもちろんTAKUROとHISASHI、K.A.Zという楽器陣に加え、メインボーカルをとるのは、HYDE、DAIGO、逹瑯、マオ、乃木坂46というレアな光景に大盛り上がり。そして最後は「HALLOWEEN PARTY」の大セッションで幕張最終日は大団円を迎えたのだった。

<HALLOWEEN PARTY 2014>は、10月24日および25日に場所を神戸ワールド記念ホールへ移して2DAYS公演を開催する。

取材・文◎山本弘子
撮影◎今元秀明/緒車寿一

■<HALLOWEEN PARTY 2014>
2014.10.19 (Sun) 幕張メッセ国際展示場SET LIST
【DAIGO】
M1:無限∞REBIRTH
M2:BUTTERFLY
M3:心配症な彼女
M4:CHANGE !!
【乃木坂46】
M1:夏のFree&Easy
M2:気づいたら片想い
M3:何度目の青空か?
M4:制服のマネキン
M5:ロマンスのスタート
M6:おいでシャンプー
【シド】
M1:証言
M2:Dear Tokyo
M3:サマラバ
M4:Sympathy
M5:眩暈
【VAMPS】
M1:VAMPIRE’S LOVE
M2:HALLOWEEN PARTY –ROCK ver.-
M3:ANGEL TRIP   
M4:THE JOLLY ROGER
M5:TROUBLE
M6:REVOLUTIONⅡ
M7:SEX BLOOD ROCK N’ ROLL
【HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA】
M1:Penalty Waltz
M2:Rhythm Game
M3:SCREAM
M4:HALLOWEEN PARTY
※HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA
VAMPS / DAIGO / シド / 乃木坂46 / Tommy heavenly6 / 逹瑯(MUCC) / 分島花音 / Shinya(DIR EN GREY) / Anis(MONORAL) / TAKURO(GLAY) / HISASHI(GLAY)

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