【インタビュー】CURIO、12年ぶりの新作ミニ・アルバム『VIVID』は“ファンとCURIOの架け橋

ツイート

■音楽はコミニュケーションのツールなんだなとずっと感じているので
■『VIVID』というアルバムが僕らとみなさんの架け橋になったら良いな



▲ミニ・アルバム『VIVID』
──「ロマンス」は“ほほえみ返しで乱れてる”というサビのフレーズが凄くキャッチーで覚えやすいですね。

AJ:春にやったツアーのときかな、すぐにツイッターとかでメッセージが来ました。「あの“ほほえみ返し~って曲凄い良かったです”」って。いや、タイトル「ほほえみ返しちゃうからな!?」って(笑)。

BRITAIN:でもなんとなくそういう良い評判を感じたよね、初めてやったときに。

──「DAY DREAM」もそうですが、アレンジがどの曲も緻密だと思ったのですが、やはりAJさんがリードして作っているんでしょうか。

AJ:ざっくりしたデモはみんなに渡すんですけど、なんかやっているうちに凄いことになるケースが多くて(笑)。

BRITAIN:いや、形として結構出来たものをもらって、後は自由にって言ってもらうから、サポートメンバーのベースの(加藤)広基君もキーボードの(中村)陽一君も参加して色んな音色を試してみたり。スタジオでは健全にバンドアレンジで進んで行くよね。

AJ:そうですね、あんまりああだこうだ言わないですね。

──アレンジはキーボードが凄くアクセントになっていますけど、デモの段階でAJさんが作っているんですか?

AJ:割とそういうのは作って入れてるんです。大事なフレーズとかは。それは昔からそうですね。

──NOBさんのSAXはどのように入れて行くんでしょうか。

NOB:なんか「ここ吹いて~」みたいな。

AJ:スペース開けてるんで(笑)。

──自分から「ここはSAX入れたい」という提案もされるのではないかと思いますが。

NOB:いや、されないです(笑)。

──あ、そうなんですか(笑)?

BRITAIN:放っておいたら吹かないよね、NOB君は(笑)。

NOB:そういう機会というのは、1つのアプローチとしてのアイデアをもらってる方かもしれないですね。「こここんな風にSAXで吹いてみて」ってやってみて、良かったらOKみたいな。

──今作には9月20日のライヴ音源が2曲収録されているわけですが、それを事前に知った状態でライヴに行ったので固唾を飲んで観てしまいました(笑)。

一同:(笑)。

──正直、BRITAINさんの表情が明らかに他の曲と違うように見えたんですけど、いかがでしたか?

BRITAIN:わかりましたか(笑)!?普段ライヴで緊張しないんですけど。最低限責任を果たさなきゃ、と思ってたんで僕が一番緊張してたかもしれませんね(笑)。

AJ:“間違ってみたい”って思っていたけどね俺。凄いことにならへんかなって(笑)。

──「GOOD MORNING BLUES」と「ときめき」をライヴ音源として選んだ理由はなんでしょうか?

AJ:「ときめき」はデビューシングルだったし、思い入れもあるのかなと思いますけど。(NOBに向かって)どうですか?

NOB:「ときめき」も「GOOD MORNING BLUES」もライヴテイクが凄く良いんです。「GOOD MORNING BLUES」はサウンドもチャレンジしている感じや曲の作り方も含めて、探究心もあって。SAXも入っているし、詰め込んでいる感じがあってCURIOのサウンドの代表格の1つの曲という感じがしています。

AJ:なんか節目になった曲かもしれないなと、いま話を聞きながら思いました。「ときめき」を作った時期とか。あのアレンジになるまでの流れもあるんですけど、東京に来て、デビューシングルを録るという段階でプリプロも始まって、やっぱりまあ、リキんでますよね。白井良明さんに手伝ってもらってレコーディングに臨んだんですが、色んなアイデアを持ち寄る熱量とか、これから進んで行くぞという気持ちもあった曲というか。「GOOD MORNING BLUES」に関しても、確かあれを作っている時期にNOBがポリープをやっていて。そこで再出発じゃないですけど、もう1回曲も練り直す時間があった中で作っていた感じを今思い出したから、そういうのもリンクしていたのかなと思います。別に選曲したときに意識したわけじゃないけど。「GOOD MORNING BLUES」は節目でもあったと思うし。それまでストックされていたものがいったんリセットされた状態で3枚目のアルバム(『PAWKY』)って作り出したんですけど、まあ色んなことを考えながら作ったというか。

──「GOOD MORNING BLUES」は歌詞が再結成の気分とリンクしているようにも聴こえましたし、曲はゴリゴリなファンキーな前半から展開して行く感じとか、ファンキー一発で行かないところがCURIOらしさなのかなと。

AJ:ああ、そうですね。なんでこんなことになったんだということが多いですね(笑)。

BRITAIN:でもね、本当に頑張って曲を作ってアレンジしたのを思い出しますよ。ああでもないこうでもないって相当やってね。

NOB:そうだね~。

AJ:それこそ有名なプロデューサーの方とか、佐久間(正英)さんとか良明さんとかとやらせてもらったこともあって、3枚目は今井裕さんと作ることになったんですけど、我々も半分プロデュースとして関わるきっかけになったアルバムなので、色んな経験したことを曲にどんどん投入している時期だった。なんか凄いバンドの結晶というか。「ときめき」も「GOOD MORNING BLUES」も。

──ライヴでは「タランチュラ」「FOOT STEP」「手のなる方へ」などの新曲も披露されていました。これは初披露だったんでしょうか?

AJ:純粋に初めてだったのは「FOOT STEP」だけかな? 他はライヴでやっていました。選曲は後からですけど、春くらいには今回の準備を始めてたんで。

──こうした新曲は今の時点では発表の予定はありますか?

AJ:まだわからないですね。今、アルバムのあり方とかどうなのかなとか、リスナーとして考えますし。僕自身はCDでもLPでも配信でも聴くんですけど、1曲だけというのは買わなくて。まとめて聴きたいなと思うし。やっぱりアルバム一枚通して聴きたいという気持もありますし。でも曲順は僕は関係なくて、結構ランダムに聴いちゃうんで、そこはあまり読み取らないんですけど(笑)。DJをやることもあるので、音源の扱いについては乱暴かもしれません。曲が終わらない前に次の曲に行くような作業ですから。ミュージシャンとしてはそういう聴かれ方をされたくないという人もいるかもしれないですけど、聴かれ方が変わってきているのは現実なので、アルバムというくくりで出すときにどうなるかはわからないですね。めちゃくちゃ曲多いとかいうのもやってみたいですけど。

──今回<MINAMI WHEEL 2014>でのライブ内でサプライズ発表されて『VIVID』収録の新曲3曲がiTune先行配信されました。こういったことは以前のバンド活動時にはなかった点ですね。

AJ:そうですね。配信もあるし単純にアナログ盤への憧れもありますし、でもCURIOをアナログで聴く人たちってどういう人だろうとか、もっと持ち運びやすい方が良いのかなとか、実際聴く環境としたらスマホで聴くのかなとか色々考えるから、アルバムの形式については考えますよね。(ミュージシャンは)みんな考えているんじゃないかな。まあ楽しめるツールになっていればどちらでも良いですけどね。聴かれ方は選ばないので。

──そこはレコーディングするときの音質どうこう、ということでもなく?

AJ:ベストな状態は意識しています。MP3で聴かれるからこの程度で良いというような線引きをしてしまうと、どんどん悪くなって行っちゃうなと。良い環境で聴く人もいるわけでしょ? 僕らは好きなことをやっているのでそっちに合わせて行きたいし、環境が許せばマイケル・ジャクソンみたいなレコーディングをやりたいわけです。でもそれは必要ないって周りが決めることじゃなくて、僕らはこうやりたいということで良いと思ってるから。アウトプットするときにどういう形式かは置いといて、僕らはこういう風に提示したい、ということで良いかな。有名な絵画も、生で見たい人もいればインターネットで見た気になれれば良いという人もいるし、消費の仕方はそれぞれで良いんじゃないかなと思うので。

──ではまだ次の新曲は来年以降、どのような形で発表されるかはわからないということですね。

AJ:そうですね。もしかしたらライヴだけということもあり得る(笑)。

NOB:うん、それも良いっすよね。

BRITAIN:いや、せっかくだから早く出したいなあ(笑)。

──今後は11月15日(土)心斎橋CLUB DROPでワンマン・ライヴが控えていますね。

AJ:新曲が増えるかもしれないです。でも新曲は、特にライヴは会える現場なんで来てくれた人へのお土産というか「来たから聴けた」っていう、何か一曲でも「この前来たときよりまた新曲増えてる」というのはあってほしいなとは思ってます。

──久しぶりの作品をリリースするにあたって、音楽ファンに向けてメッセージをそれぞれお願いします。

NOB:リスナーとして音楽を楽しんでいる中で、僕らの作品を色んな巡り合わせの中でどこかで感じてもらえれば良いなと。その瞬間があれば良いと思うし、だからこういうきっかけをもらえたことに感謝しているんです。こういうことを続けて行くことが僕らは好きだし、色んな人に会えるし僕らの生活を再確認できるし。僕たちの音楽がみなさんにとってどうですか、ということをまず1つのアルバムとして出せたことが嬉しくて。僕たちは自分たちでお祝いしているような気持もあって。応援してくれてる人たちには本当にいつもありがとうという感じです。

AJ:ミュージシャンという立場で言うと送り手だと思われがちなんですけど、受け手でもあるといつも感じていて。僕はライヴのMCでもいつも言いますけど、“コミュニケーションの一個としての音楽”という気持ちがあるので。僕はそんなに良い人になれないというか、人付き合いが凄く良い方でもないし、優しくなれないときもあるし。そういう自分でも音楽が間にあれば一緒に盛り上がれたりとか、そういう風になれるという意味では出会えて良かったツールだと思うんです。お酒に出会う前に音楽に出会えて良かったと思う部分なんで(笑)。そこは聴いてくださるみなさんと同じ感情というか。言ってみればこのアルバムとかCURIOという繋がりが実際にこの3人を繋いでいることでもあるので、「初めまして」の人に対してこの『VIVID』というアルバムが僕らとみなさんの架け橋になったら良いと思っているし、本当に音楽はコミニュケーションのツールなんだなとずっと感じています。

BRITAIN:CURIOのファンの人も、「昔知ってた、ちょっと聴いたことある」という人も、「初めて聴いた、このバンドなんなの?」という人も、絶対カッコいいんで買ってください。まあ買わなくてもHPを見てチェックしてください。絶対そこに気持ち良いくらいカッコいい音楽があるので。よろしくお願いします!

取材・文●岡本貴之


ミニアルバム『VIVID』
2014年10月29日発売
【初回限定盤=ライブDVD付き】(CD+DVD)RACZ-1001 ¥2,000+Tax
【通常盤CD】(CD)RACC-1001 ¥1,500+Tax
(CD収録曲)
1.BABY BEAT IT ! !
2.ロマンス
3.DAY DREAM
4.GOOD MORNING BLUES(2014 LIVE )
5.ときめき(2014 LIVE)

(初回限定盤DVD収録曲)
1.BABY BEAT IT ! (2014.9.20 LIVE)
2.ときめき(2014.9.20 LIVE)
※2014年9月20日下北沢GARDENでの最新ライブ映像となります

<「VIVID」Tour 2014 “LIFETIME BEGINS AT THIS POP MUSIC”>
One Man LIVE
11/15(Sat)心斎橋CLUB DROP
<チケット>10月11日(土)発売開始(プレイガイド先行有り)
・前売り=大人\3,800/小学生以下=\2,000/当日=大人\4,300/小学生以下=\2,500(各1DRINK別)
・チケットぴあ 0570-02-9999 Pコード:244-998/ローソンチケット 0570-084-005 Lコード:58595/イープラス/GREENS!
※3歳未満はご入場できません。
※オールスタンディング・ライブですので、お子様は必ず保護者同伴の上お子様の管理をお願い致します。
<ご入場順>ご予約/ご購入されたチケットに印刷されている整理番号順のご入場となります。
<問い合わせ>GREENS! 06-6882-1224 http://www.greens-corp.co.jp

<VIVID 発売記念アコースティック・ミニライブ&握手会&サイン会>
日時:11月2日(日)14:00 START
場所:タワーレコード渋谷店 3Fイベントスペース
握手会参加券配布店舗:タワーレコード渋谷店、新宿店、秋葉原店
集合場所:タワーレコード渋谷店 3F 店内イベントスペース(イベント開始30分前より)
お問い合わせ:タワーレコード渋谷店:03-3496-3661
イベント詳細:http://tower.jp/store/event/2014/11/003018

日時:11月16日(日)16:00 START
場所:タワーレコード梅田NU茶屋町店 店内イベントスペース
握手会参加券配布店舗:タワーレコード梅田NU茶屋町店、梅田大阪マルビル店、難波店
集合場所:タワーレコード梅田NU茶屋町店 店内イベントスペース(イベント開始30分前より)
お問い合わせ:タワーレコード梅田NU茶屋町店 TEL:06-6373-2951
イベント詳細:http://tower.jp/store/event/2014/11/096008

<スキップカウズ「フルムーン」リリース・ツアー~うし満月~25年目のフルムーン~>
12月6日(土)名古屋ell.SIZE
[問]ell.SIZE 052-211-3997
12月7日(日)大阪AtlantQus
[問]大阪AtlantQus 06-6258-2525
12月13日(土)TSUTAYA O-nest
[問]TSUTAYA O-nest 03-3462-4420

◆CURIO オフィシャルサイト
◆CURIO Facebook

◆インタビュー(1)へ
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス