【インタビュー】浜端ヨウヘイ、デビュー作発表「人の何かを動かせる存在になりたい」

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■ツアーを回っていくなかでいろんな人や場所に出逢い
■大きな意味を持つ曲にしたいと思うようになったのが「結-yui-」

▲「結-yui-」初回生産限定盤
──京都に戻ってからは定期的にライブハウスで演奏を?

浜端:はい。週末や休みを中心に歌っていました。実際に同じ場所でやり続けるからこそ気付くこともたくさんあったんですよ。自分の持ち時間の30〜40分をアコギだけで持たせるのが難しいなと思ったので、2年目くらいからはピアノも弾くようになったのも、そのひとつ。今では40分しかないの?って思うけど、当時は長く感じましたね。でも、ピアノを弾いてみてわかったんですが、うまく弾き語りできない(笑)。

──15年もピアノを続けていたのに、どうして?

浜端:クラシック経験者の多くはそうだと思うんですが、譜割りと一緒に指も動くんですよ。左手は伴奏、右手はメロディみたいな感じでできてる曲が多いから、いざ歌おうとすると難しい。自分で作った曲なら、両手が伴奏なので歌えるなとか、やってみないとわからないことって少なくないんですよ。

──2013年に会社を退職して月平均15本のライブを行っていたそうですが、その後、山崎まさよしさんのツアーに帯同することになったのは?

浜端:29歳になったばかりだったと思いますが、山崎まさよしさんのバンドメンバーの江川ゲンタさんと一緒にセッションする機会があったんです。そうしたら、セッションの後に「今から山崎まさよしの家に行くぞ」って連れて行かれて(笑)。僕は山崎まさよしに憧れてギターをはじめたようなものだったし、<オーガスタキャンプ>もファンとして観に行ってたから、会えるとなったときは嬉しかったですね。ただ、会った時に山さんはすでにかなり酔っぱらっていたので、感慨とかって言う状況でもなかったですが(笑)。

──山崎さんのツアーに帯同して、学ぶことも多かったのでは?

浜端:これがね、ことのほかないんですよ(笑)。山さんは言葉で音楽的な指示や指導をすることはないんです。それよりはむしろ「人として」といった、大きな話をしてくれました。人間的な部分では山さんに育ててもらっているなと感じますし、音楽的にはゲンタさんが。特に歌詞についてアドバイスをしてくださることが多いですね。「お前の歌詞は言い過ぎる。肝心なところほど、ラララ〜だっていいんだ」と言われたりしますね。

──それは意外ですね。

浜端:ゲンタさんのドラムは歌詞をきちんと気にして叩いてるから、とても歌心があるんですよ。たとえば、山崎さんの「One more time, One more chance」では、“♪こんなとこにいるはずもないのに〜”の後に溜めて、バーンと弾けるんですが、僕らはこの溜めを「人情」と呼んでます。

──あはは。

浜端:よくよく聴くと、山さんが溜めているというよりは、ゲンタさんの溜めにみんなが合わせているんです。そういう間の大切さ=人情を学ばせてもらってますね。ライブやステージングは習うのではなく、側で見て盗むものだと思うし、1年が経ってだんだんと自分のライブで盗んだことを反映できるようになってきたなと感じます。

──どんなところが具体的に反映できてると?

浜端:沈黙を恐れないことですね。関西人だからか、それまではライブの曲と曲の合間の沈黙が恐くて。つい無駄なことまでしゃべっちゃってたんですよ(笑)。でも最近は、曲の世界を大事にすべきだと思うようになって、チューニングする時に無理にしゃべらなくなりました。

──デビュー曲「結-yui-」も、山崎さんのツアーに帯同したことから生まれたとか?

浜端:ツアー前にいわゆるラブソングとして作っていたバラードが原型なんですが、ツアーを一緒に回っていくなかでいろんな人や場所に出逢うようになり、もっと大きな意味を持つ曲にしたいなと思うようになったんです。“♪何をしても思い出してしまう”というところは、高校時代や沖縄で過ごした1年間に対しても言えるし、音楽に対する思いでもあります。

──レコーディングには山崎まさよしさんをはじめ、山崎さんのツアーバンドメンバーが総出演。なんて贅沢な。

浜端:ですよね。こんな新人、います? 「結-yui-」も大人たちが真剣にああでもない、こうでもないって意見を出してくれて、最終的にはもっとテンポも速くなったし、温かいサウンドになりました。僕としては「はい、よろしくお願いします」と言うだけ(笑)。信頼してのっからせてもらいました。

──バンド感のあるアレンジですが、山崎さんのエレキギターも12弦ギターも本気ですよね。ボトルネックによるソロとか、トレモロでエフェクティブに聴かせる部分とか。

浜端:ホントにさまざまなアレンジをしてくれたので、場面場面にドラマがあるんですよ。

──1年間を共にツアーを過ごしてきた人たちが鳴らす音ですから、安心感も格別だったでしょうね?

浜端:この1年で誰よりも一緒に時間を過ごした3人ですからね。特にゲンタさんがいなければ、今の僕は何もなかっただろうし。上京すると決めた時も、俺の近くに住むといいって言ってくれたり、本当に頼りになる存在です。

──とはいえ、レコーディングは緊張したのでは?

浜端:それがそうでもなかったんですよ。ふと思ったんですが、これまでも自分は山さんの曲をカラオケで歌ったりしてきたわけじゃないですか。そういう意味では、僕の曲でレコーディングする前にも随分と似たような疑似体験を散々やってたんですよね。だから、大先輩を前にして緊張したり慌てたりすることがなかったのかもしれません。

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