ピート・ドハーティ「助けがなかったら自殺していたかも」

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タイでリハビリ中のピート・ドハーティが、英国の新聞『Independent』紙に手記を寄せた。何度もリハビリを経験している彼だが、「自らクリーンになろうとリハビリを選択したのは初めてで、いまは他の人達を助けたいと思っている」そうだ。

◆ピート・ドハーティ画像

ピートにとって、ヘロインはダーティなストリート・ドラッグではなく、クーブラ・カーンやトマス・ド・クインシー、オスカー・ワイルドの作品に出てきた“魔法の薬”だったという。

「それから10年以上経ち、いまはドラッグが自分を混乱させていたのがわかる。人生のほとんどの面で、僕はかなり思慮分別のある人間だと思っている。もし音楽で成功していなかったら、ほかのことで成功しようと努力していただろう。僕はそういうタイプだ。ハードワーカーなんだ。でも、僕は依存症になった。やめたかったけど、できなかった」

「いままで、リハビリはいつだって僕に強制されているものだった。リハビリに行けって保釈されるか、“リハビリしなければ刑務所”っていうような条件が与えられていた。でも、いままでは本当にクリーンになりたいと思ってなかった。自分で“行かなきゃ”って言いだしたのはこれが初めてだと思う」

「以前の僕は絶望的だった。何度か暗い時期があった。でも、ギターを手にし曲を作ると、よし、これで問題は解決、なんか文句言うなよって思っていた。でも結局、それじゃあ上手くいかなくなった。ギグをやるのは悪夢だった。こういう曲は全部暗い。ラリってなくてどうやってプレイできるんだ?」

「そのとき、自分には助けが必要だって実感した。行けるとこまで行ってしまった。もし助けが得られなければ、必然的に次の段階は自殺だっただろう。それぐらい、末期の状態だった。周りのみんな、家族や世界中の大半から“お前の責任だ。しっかりしろ、きちんとしろ”って言われているときは、“中毒は病気だ”って考えを受け入れるのはかなり難しい」

「でも、いまHope(Rehab Centre)でリハビリしていて、ドラッグがどれだけ自分を無力にしていたのかわかり始めている。自分の人生、それに失った友人達や関係、チャンス、お金、大切なものについて考えている。息子や一度しか会ったことのない娘との関係も失った。すべて損失だ。僕はそれから目をそらすのが上手くなっていた」

「いま思い返してみると、僕はいつだって肉体的にも精神的にも中毒だったのがわかる。でも、馬鹿げたことに自分の薬物使用は“罪がない”って思っていた。ああ、刑務所には入った。でも、毎日、道で止められ調べられて薬物が見つかるわけじゃないから、自分は大丈夫だって思ってたんだ」

治療が上手くいっているいま、「クリーンになったら、創作力が花開くと思っている」そうだ。そして、ほかの依存症の人達の助けになるよう、支援金を集めるためのギグを行うつもりだという。

リバティーンズは再結成公演だけに終わらず、ニュー・アルバムの制作も期待されているが、バンド・メイトのカール・バラーは最近、ピートのもとを訪れ、一緒に数曲作ったと伝えられている。

Ako Suzuki
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