【ライブレポート】BREAKERZのAKIHIDE、ジャズクラブで「新しい曲と新しい旅に」

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BREAKERZのギタリストAKIHIDEが11月21日、Motion Blue yokohamaにてライブツアー<AKIHIDE Premium Night Show-月と星のキャラバン->の神奈川公演を開催した。同ツアーは11月7日の愛知・名古屋ブルーノート公演を皮切りに大阪、横浜の3都市のジャズクラブを廻るもの。1日2回公演で行われたライブから、“月の部”をレポートしたい。

◆AKIHIDE 拡大画像

開演を間近に控えたMotion Blue yokohamaの店内は満席となり、落ち着いた雰囲気と華やかさがない交ぜになった心地好い空気に包まれていた。良いライブになりそうだなと思いながら、スタッフに手渡されたライブのセットリストを見て驚いた。そこには、知らない曲名がズラリと並んでいたからだ。とまどいを感じて、どんなライブになるんだろうと思う中、店内の照明が落ちて、客席の後方からAKIHIDEがアコーディオン奏者の丸茂睦氏と共に姿を現した。

客席から起こる拍手と歓声に笑顔で応えた後、AKIHIDEはステージ中央に置かれたイスに着席。彼が奏でるガットギターの柔らかな音色が場内に響き、ライブはジャズのスタンダード・ナンバー「Fly me to the moon」から始まった。抑揚を効かせたガットギターと穏やかなアコーディオンを活かした繊細かつ深みのあるサウンドは絶妙で、耳を惹かれずにいられない。ライブが始まった瞬間に、オーディエンスが聴きの態勢に入ったことが如実に感じられた。

1曲聴かせたところで、AKIHIDEが「皆さん、ようこそ。“月の部”ということで、最初に「Fly me to the moon」を、お届けしました。今日はたくさんの新曲を用意しています。新しい曲と共に、皆さんと新しい旅に出たいと思います」と挨拶。その後はベーシストの二家本亮介氏とドラマーの髭白健氏をステージに呼び込んで、エモーショナルな味わいの「月と星のキャラバン」や躍動感に溢れたグルーブとスパニッシュな香りを放つガットギターのマッチングが光る「Warrior」などが演奏された。ガットギターを巧みに操って表情豊かなプレイを展開するAKIHIDEと、高度なテクニックを誇るバック陣が紡ぐサウンドの取り合わせは実に聴き応えがある。笑顔を浮かべてギターを弾くAKIHIDEの姿からは、メンバー全員が一体になって奏でる良質な音楽を楽しみながらプレイしていることがうかがえた。

2回目のMCが入り、「僕のソロ・ライブということで、今回もドリンクを作って……いますよね? ああ、良かった(笑)。“月のナミダ”がノンアルコールで、“星のナミダ”がアルコールです」と、“月のナミダ”を手にして穏やかな口調で話すAKIHIDE。とにかく、ライブの雰囲気が良いことが印象的だ。オーディンスとメンバー全員で乾杯をした後、サックス・プレイヤーの中村尚平氏も加えて、ライブは中盤へと入っていった。

中盤では、メロウな前半からホットなインター・パートに移行するアレンジをフィーチュアした「Machine Heart Blues」や旅立ちの喜びとせつなさを見事に表現した「Aurora」、アッパーな「Electrical Pirates」などが続けて披露された。ガットギターからエレキギターに持ち替えたAKIHIDEはステージ上を行き来して、エモーショナル&ホットなギター・プレイを展開。内面の感情が伝わってくるプレイ/ステージング共に魅力的で、彼のギタリストとしての表現力の高さを改めて感じることができた。

ライブ後半では、「このメンバーが集まった時に、最初にやりたいと思った曲です」という言葉と共に演奏された「リベルタンゴ」(カバー曲)を皮切りに、ホットなシャッフル・チューンの「BLUES & REE」や、温かみに溢れた「Ring」などをプレイ。ハイレベルなテクニックが応酬する演奏と緩急をつけた構成に場内の熱気は高まり、「Ring」で行なわれたハンド・クラップのコール&レスポンスで場内は華やかな盛り上がりを見せた。場内を笑顔で染めた後、演奏を終えたAKIHIDEは「最高でした! ありがとう」という言葉を残してステージから去っていった。

オーディエンスがテーブル席に着いて音楽を楽しむジャズ・クラブのインスト・ライブで、さらに耳に馴染みのない新曲を並べたセットリストという形態にも拘わらずリスナーを満足させ、一体感を生み出したAKIHIDEはさすがの一言に尽きる。非常に充実感のあるライブだったのは、楽曲や演奏のクオリティーの高さは勿論、1曲ごとに「この曲は、こういう情景を描いています」と語る姿勢や、お客さんを楽しませたいという想いが伝わってくるステージングなど、AKIHIDEのリスナーに対する気遣いによるところが大きかったと思う。コンポーザー/ギタリストとしてのスキルの高さに加えて、彼の人柄を随所で感じさせるライブは本当に魅力的で、終演後の柔らかな余韻が心地好かった。

<AKIHIDE Premium Night Show -月と星のキャラバン->はツアー前に作品リリースをせず、初披露の新曲を中心としたライブ構成となっていた。そして、ライブ演奏を通じて完成していく新曲が、アルバム『月と星のキャラバン』として2015年2月に届けられる。なお、同ツアーの最終公演では、2015年2月28日に東京・国際フォーラム ホールCでソロキャリア初のホール公演を行なうことが発表となっている。タイトルは<AKIHIDE Special Live 月と星のキャラバン>。新たなバンド編成と映像演出が加わった一夜限りの特別なライブになるとのことだ。

取材・文◎村上孝之

■<AKIHIDE Premium Night Show-月と星のキャラバン->
2014年11月21日@Motion Blue yokohamaセットリスト
【月の部】
01.Fly me to the moon(cover)
02.月と星のキャラバン
03.Warrior
04.Machine Heart Blues
05.Aurora
06.Electrical Pirates
07.リベルタンゴ(cover)
08.BLUES & REE
09.Ring
Encore
En1.月と星のキャラバン(Acoustic Guitar Only Version)
En2.黒猫のTango


■New Album『月と星のキャラバン』
2015年2月リリース

■<AKIHIDE Special Live 月と星のキャラバン>
2015年2月28日(土) 国際フォーラム ホールC
開場15:30/開演16:00
7,000円(税込)
※5歳以上有料、4歳以下膝上可。ただし、お座席が必要な場合は有料。
チケット一般発売:2015年1月31日(土)
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888(12:00~16:00)

■<BREAKERZ COUNTDOWN LIVE 2014-2015>
2014年12月31日(水) パシフィコ横浜 国立大ホール
開場20:30/開演22:30
¥7,980+税(全席指定) 一般発売日:2014年11月29日(土)
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00~19:00)
※深夜公演のため、18歳未満のお客様は保護者の同意が必要となります。
※中学生以下の方は来場時と帰宅時に保護者の引率が必要になります。
※4歳以下は入場不可となります。予めご了承下さい。

◆<Premium Night Show-月と星のキャラバン->特設サイト
◆AKIHIDE オフィシャルサイト
◆BREAKERZ オフィシャルサイト
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