【イベントレポート】熱いライブ収録、フェス型番組『NiPPoN RockS Vol.3』

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NHKが日本中の音楽ファンに送るフェス型ライブ番組『NiPPoN RockS Vol.3』の収録が、11月14日にZeep DiverCity TOKYOで開催された。

◆『NiPPoN RockS Vol.3』画像




トップバッターはKEYTALK。疾走感あふれるロックでシーンを賑わす4人の登場に、フロアの熱が一気に上がる。寺中友将(Vo、G)の「KEYTALKです!よろしく!」の掛け声で1曲目の「太陽系リフレイン」でライブがスタート。立て続けに「fiction escape」「エンドロール」をドロップ。MCでは、小野武正(G、MC、Cho)が「ニッポンロック」とコール&レスポンスし、客席の空気を自在に操っていく。「パラレルワールドについてこれるかい?」と客席を煽ったところで「パラレル」を演奏。のびやかな寺中のボーカルと爽快な首藤義勝(Vo、B)のボーカルがシンクロして、会場を揺さぶる。立て続けに「夏は好きですか?夏の曲、やっていいかい?」という寺中の掛け声で「MABOROSHI SUMMER」。そして、ライブでは定番となった八木優樹(Dr、Cho)ドラムソロを挟み、“踊る”ミュージックビデオが話題となった新曲「MONSTER DANCE」。待ってましたと言わんばかりに、振付を完璧に覚えたオーディエンスは踊り狂い、会場のボルテージは最高潮に。ラストはKEYTALKらしい軽快なナンバー「トラベリング」。次世代のライブバンドは俺たちだと言わんばかりに、最後まで会場を踊らせた。




2番目に登場したのは、ギターレスでありながらポップでパワフルな音を奏で、2014年10月にメジャーデビューしたSEBASTIAN X。黄色いドレスで登場した永原真夏(Vo)の伸びやかなスキャットから、そのまま「ラブレターフロム地球」を披露する。名刺代わりに差し出されたSEBASTIAN Xらしいパワフルなナンバーに、客席も身体を揺らして彼女たちの世界に引き込まれていく。続けて「ニッポンの有名なロックンロールを!」という真夏の曲紹介で演奏されたのは昭和の流行歌「スーダラ節」。初めてこの曲を耳にした若者たちも、軽快なロックンロールにアレンジされた「スーダラ節」を共に口ずさんだ。そして、力強く懐かしい鍵盤ハーモニカの音で始まるメジャーデビュー曲「イェーイ」。工藤歩里(Key)がはさむ美しいコーラスとメロディと真夏のボーカル、沖山良太(Dr)と飯田裕(B)の奏でるリズムが重なり、歌詞にある花々や蝶々のように会場はカラフルに色づいていく。最後に、「DNA」で力強く、美しい歌声を客席に投げかける。「聞こえるかい?」と客席とコール&レスポンスをし、オーディエンスにSEBASTIAN Xの世界をしっかりと刻みつけた。




3番目は中毒性の高いサウンドでコアなファンを掴み、アジア・ヨーロッパを中心に海外でも話題の女性3人組バンドtricot。おもむろにステージに登場したキダモティフォ(G、Cho)が「pool side」を奏で始める。続いて、中嶋イッキュウ(Vo、G)とヒロミ・ヒロヒロ(B、Cho)がステージに現れ「POOL」へなだれ込むライブならではの構成でスタート。彼女たちの特徴である変拍子を駆使したサウンドと躍動するパフォーマンスで1曲目から会場に独自の世界を突き付けた。さらに「おもてなし」と「Break」をたたみ込むように披露。MCでは「ノリにくいですか?我々の曲は。めっちゃノリにくそうやな(笑)」とキダが話す場面も。「でもまだまだやりますけどいいですかー!?」とオーディエンスを煽り「爆裂パニエさん」。さらに激しい演奏をみせると、オーディエンスも彼女たちの音に合わせて叫び、頭を振りみだして応戦する。中嶋が無料観覧に当選して来場している観客に「おめでたいヤツらやな!」と挑発。「当たったからには全員で、かかってこいや!」とライブではお馴染みとなった煽りで「99.974℃」へ。美しく巧妙なリズムで会場を振り回し、最後には轟音をかきならしてステージに倒れ込みフィニッシュ。突き抜けたパフォーマンスでオーディエンスに大きなインパクトを与えた。




トリを務めるのは日本を代表するスカパンクバンドKEMURI。圧倒的なライブパフォーマンスを見せる彼らの登場に会場は沸きあがる。1曲目の「Ve-Ri-Ha」でフロアをハッピーなリズムで包み込み、アップテンポな「shining stars」一気にオーディエンスを熱気の渦に。「ima-sorewo-hikarini-kaete-susume!」では、上着を脱いだ伊藤ふみお(Vo)のTシャツの胸元に「NHK」の文字が。伊藤の茶目っ気に、フロアは大きな盛り上がりを見せる。さらに「MADNESS」「Mr.SMILING」とご機嫌なビートが続き、フロアではオーディエンスも疲れを知らずに踊り続ける。MCでは伊藤が共演バンドを讃え、「そんないい景色を誇りに思う、そんなことを歌った曲」と話し、お馴染みの「ふみおジャンプ」をきっかけに「I am proud」をドロップ。高揚した会場に「まだ踊れる?」と問いかけ、彼らの代名詞とも言える「PMA」へ。オーディエンスは狂気乱舞し、「肯定的精神姿勢(PMA)」というKEMURIが訴え続けてきたメッセージを会場全体で受け止めた。ラストは伊藤が「みんなの歓声次第で、今日の共演者がでてくるかもしれない!」とけしかけ、KEMURIの代表曲のひとつ「Ato-Ichinen」のイントロがスタート。袖から、スカのステップを踏みながら、共演者が登場すると会場のボルテージは最高潮に達した。そのまま、NiPPoN RockSの熱いステージは幕を閉じた。

番組は、このライブの模様に各バンドの楽屋インタビュー、そして収録に参加した観客が選ぶ「ライブが盛り上がるバンド」の紹介などを交えて構成される。



『NiPPoN RockS(ニッポンロック)』

【放送】12月9日(火) 23:45~25:14(NHKBSプレミアム)
【収録】11月14日(金)Zepp DiverCity(TOKYO)にて収録
【ナビゲーター】ハリー杉山・リアンヌ(NEKO PUNCH)
【ゲスト】KEMURI、KEYTALK、SEBASTIAN X、tricot
※番組は89分、「NiPPoN RockS」はNHKが日本中の音楽ファンに送るフェス型ライブ番組。ロックシーンの最前線を走るアーティストが、Zepp DiverCityで熱いパフォーマンスを繰り広げる。第1弾は2013年11月、第2弾は2014年8月に放送。「NiPPoN RockSアゲイン!こういう機会を増やしてほしい」という音楽ファンの声を受けて、第3弾の放送が決定した。ゲストバンドは、ポジティブなメッセージを放ち続け、日本におけるスカパンクの先駆者として、トップを走り続ける「KEMURI」。疾走感あふれるメロディーとツインボーカルの魅力で、今やロックシーンの旗手となっているバンド「KEYTALK」。パワフルで愛らしいサウンドで話題を呼び、10月に鳴り物入りでメジャーデビューするギターレスバンド「SEBASTIAN X」。中毒性の高いサウンドでコアなファンを掴み、アジア・ヨーロッパを中心に海外でも話題の女性3人組バンド「tricot」。ハリー杉山とリアンヌの2人がつとめる。今回も番組独自のチョイスで、音楽ファンが“いま本当に聴きたい”4組が集まった。ナビゲーターは過去2回に続き、大のロック通でタレントのハリー杉山。そして日本でバンド活動を行い、ファッションアイコンとしても注目を集めているイギリス人女性リアンヌの2人が務める。観客は180分間、オールスタンディング。NHKが主催するテレビ収録とは思えない、熱いライブ収録となった。
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