【ライブレポート】Sadie、ツアーファイナルで「10周年ライブは初の野外」

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2014年9月に発表した新作アルバム『GANGSTA』を引っ提げ、Sadieが10月より行ってきた全国ライブハウスツアーのファイナルが12月6日および7日、新宿ReNYで2デイズにわたって開催された。結成10周年を迎える2015年のアニバーサリーライブも発表して、新たなる“DECADE=10年”のスタートを切ってみせたステージをレポートしたい。

◆Sadie 拡大画像

アルバム『GANGSTA』と同じくデジタリックなSEで登場し、「DEAD END」で勢いよく幕開けたライブは、瑞々しくもパワフルな躍動感と10年の貫録や存在感が見事に共存したものに。もともと『GANGSTA』が従来のヘヴィネスを軸にしつつ、素直な衝動とスタイリッシュなサウンドメイクを表した作品だけに、オーディエンスのノリも抜群。一つの生き物のように塊となってうねるかと思いきや、散り散りになって飛び跳ねるフロアの様は壮観の一言だ。重厚感の中に軽やかでダンサブルなトーン、メロウなメロディを仕込みながら“東京! 狂ってこい!”と求める彼らの姿は近寄りがたくも惹き寄せられてしまう不思議な吸引力を備え、それに応える声も段違いに熱い。

ピンクのライトが妖しく彩るジャジーなラウドチューン「WELCOME TO THE UNDERGROUND」や哀愁歌謡「TOKYO GYPSY」などアバンギャルドな挑戦も試みられた最新作に、初期曲をディープに再構築したミニアルバム『bleach』(5月発売)の楽曲を織り交ぜ、集中力と緊張感を一切途切れさせずに届けられたメニューも秀逸だ。

中でも大きくうねるサウンドに美月のアコースティックギターが光る「嘆きの幸福」ではダイナミズムの中の繊細を、激情と寂寥を真緒が巧みに歌い上げる「追恋の華」では熱と冷を同時に感じさせて、ディープな世界観を緩急豊かに描き出す。これも19都市を廻って来たツアーの着実な成果に違いない。

後半戦は進化を遂げたSadieサウンドが怒涛に炸裂。一体感たっぷりのユニゾンが心地よい「RIZE A FLAG」、「お前らの存在を証明してくれ!」という煽り通り、クラップにヘッドバンギングとオーディエンスが主役となるデジタル+ラウドのダンサブルミクスチャー「HOWLING」からはフロアの密集度もグッと高まって、その熱気は2階席にまでおよんだ。分厚い音の壁にラップ調ボーカル、転調と目まぐるしい展開に自然と合唱が沸き起きる「SHOOT THE TARGETS HIDDEN IN YOURMIND」と、“これぞロック!”と叫びたくなるような光景が次々に繰り広げられてゆく。

体感メインの充実度高いステージは、本編ラストの「THE NEVER」で頂点に。自らの存在を高らかに歌い上げたエモーショナルなナンバーが聴き手の胸を熱く震わせ、真緒は“未来を変えてくんだ! 一緒に!”と凄まじいシャウトを轟かせる。その強い想いの理由は初日の6日、人気曲を畳み掛ける中で5人の音が見事に噛み合い、笑顔が閃いたアンコールの最後に真緒の口から明らかにされた。

「来年3月に10周年を迎えます。ずっと皆で創り上げてきたアッという間の10年、出会った人、別れた人、裏切られた人、もしかしたら裏切ってしまったかもしれない人……いろんな道を歩いてきました。4月11日、大阪城野外音楽堂で10周年ライブをします。僕たちは10年間、ずっと大阪でやってきました。大阪の皆に支えられて、こうして東京でもできるようになりました。だから毎年やってきた周年ライブと同じように、どうしても10周年も大阪でやりたかった。この気持ちはどうしても譲れないです。初の野外、不安もあります。でも、今まで野外でやってこなかったのは、“ここぞ”というときにやりたかったから。雨が降っても、お金で買えない演出と思ってやり切ってやります。長かったようで短かった10年、思い返しながら1曲1曲、魂込めて歌って、演奏してやるから、遊びにきてください。一緒に野外の景色、楽しもうぜ!」

大阪でのライブを東京で発表することに躊躇いを見せながらも、そう語って深々と一礼した彼に、場内からは万雷の拍手が贈られた。そのライブタイトルは<DECADE OF SADNESS>。1月末にスタートする全国6都市のアニバーサリーイベントツアーを経て、悲しみの10年が笑顔の10年に昇華する様を見逃してはならない。

取材・文◎清水素子
撮影◎Masaki Kozakai

■<Sadie LIVE HOUSE TOUR 2014「GANGSTA」>
2014年12月6日@新宿ReNYセットリスト

1. DEAD END
2. Voice of pain
3. HATE ME OR LOVE ME?
4. 溺れる魚
5. GESSHOKU
6. WELCOME TO THE UNDERGROUND
7. TOKYO GYPSY
8. 嘆きの幸福
9. 追恋の華
10. Struggle Against Betrayal
11. RIZE A FLAG
12. HOWLING
13. Sexual affection
14. SHOOT THE TARGETS HIDDEN IN YOUR MIND
15. bleach
16. THE NEVER
17. クライモア
18. サイコカルチャー
19. GIMMICK
20. 妄想被虐性癖
21. 陽炎
22. MESSAGE FROM HERE

■<Sadie LIVE HOUSE TOUR 2014「GANGSTA」>
2014年12月7日@新宿ReNYセットリスト

1. DEAD END
2. Voice of pain
3. HATE ME OR LOVE ME?
4. 溺れる魚
5. GESSHOKU
6. WELCOME TO THE UNDERGROUND
7. TOKYO GYPSY
8. 嘆きの幸福
9. サイレントイヴ
10. SUICIDAL ROCK CITY
11. RIZE A FLAG
12. HOWLING
13. Sexual affection
14. SHOOT THE TARGETS HIDDEN IN YOUR MIND
15. bleach
16. THE NEVER
17. METEOR
18. 心眼
19. RODEO SCREAM
20. 妄想被虐性癖
21. 迷彩
22. MESSAGE FROM HERE


■<Sadie 10th Anniversary「THE UNITED KILLERS -DECADE-」>

2015年01月31日(土) 仙台darwin
開場 16:30 / 開演 17:00
C/W:Sadie / MEJIBRAY / HERO / BugLug
[問]キョードー東北 022-217-7788 (平日10:00~19:00/土曜10:00~17:00)
02月01日(日) 仙台darwin
開場 16:30 / 開演 17:00
C/W:Sadie / MEJIBRAY / HERO / BugLug
[問]キョードー東北 022-217-7788 (平日10:00~19:00/土曜10:00~17:00)
02月07日(土) 福岡DRUM Be-1
開場 16:30 / 開演 17:00
C/W:Sadie / MEJIBRAY / DaizyStripper / グリーヴァ
[問]GreeN Music 092-714-0230 (平日12:00~18:00)
02月08日(日) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
開場 16:15 / 開演 17:00
C/W:Sadie / MEJIBRAY / DaizyStripper / グリーヴァ
[問]夢番地 岡山 086-231-3531
02月14日(土) 名古屋ダイアモンドホール
開場 16:30 / 開演 17:00
C/W:Sadie / MEJIBRAY / DIAURA / GOTCHAROCKA / BugLug
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100 (10:00~18:00)
02月15日(日) 大阪BIGCAT
開場 16:00 / 開演 17:00
C/W:Sadie / MEJIBRAY / DIAURA / GOTCHAROCKA / BugLug
[問]キョードーインフォメーション 06-7732-8888
03月01日(日) SHIBUYA O-EAST
開場 16:00 / 開演 17:00
C/W:Sadie / MEJIBRAY / DIAURA / R指定 / GOTCHAROCKA / BugLug
[問]HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
※入場者全員にSadie 10周年オリジナルステッカー配布!
※一般チケット発売日:12/20(土)
※前売¥5,000-(税込み・Drink別)

■<Sadie 10th Anniversary Special GIG 2015「DECADE OF SADNESS」>

04月11日(土)  大阪城野外音楽堂
全席指定 前売:¥5,400-(税込み) /当日\5,900-(税込み)
開場 15:45 / 開演 16:30
一般チケット発売:2/21(土)より
LAWSON TICKET(Lコード 57349)
チケットぴあ(Lコード250-713)
e+(http://eplus.jp)
CNプレイガイド (0570-08-9999)にて 発売
[問]キョードーインフォメーション 06-7732-8888

◆Sadie オフィシャルサイト
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