【ライブレポート】SUGIZO、土屋昌巳率いるKA.F.KAと共演「僕の親友です」

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SUGIZOがリスペクトしてやまない土屋昌巳と共演を果たすのは10年ぶりのこと。11月23日に渋谷クアトロで、<土屋昌巳〔KA.F.KA〕† SUGIZO presents Fantôme † Noir épisode trois>と題したジョイントライヴが行なわれた。

◆<土屋昌巳〔KA.F.KA〕† SUGIZO presents Fantôme † Noir épisode trois> 画像

18時。歓声の中、最初に登場したのはSUGIZOだ。高く右手を掲げ、自らがヴォーカルをとるオープニング「TELL ME WHY?」。メンバーはMaZDA、よしうらけんじに宮上元克(THE MAD CAPSULE MARKETS)が加わった4人編成。その勢いのまま、「EXORCISM」へと突入し、ビートの洪水の中、センターで熱がほとばしるようなギターを弾き、「クアトロ!! クアトロ!! 行くぜ!!」と煽るSUGIZOに無数の手が挙がる。核のない世界への願いを込めた「NO MORE NUKES PLAY THE GUITAR」では曲間で曲タイトルが書かれたフラッグを振るというパフォーマンスも。アッという間に場内の温度は上昇し、ダンスフロアーと化していった。


「MIRANDA」ではエレクトリックヴァイオリンに持ち替えたSUGIZOに大歓声が上がり、燃えるような赤の照明の中、演奏された「ENORA GAY RELOADED」は圧巻だった。激しくヘドバンしながら、自らの衝動──怒りや悲しみをどこまでも高く昇華させるようなギターソロ。この日のライヴでは黒のVシェイプのギター“ECLIPSE S-V-IX”が大活躍していたが、ここまで攻撃的でロックなSUGIZOのソロパフォーマンスは珍しい。ライブライヴに欠かせないキラーチューン「DO-FUNK- DANCE」で再びフロアーをドーパミン続出の快楽ビートの渦へといざない、土屋氏について語るのかと思いきや、クローシングの「TELL ME WHY?」まで、いっきに駆け抜けた。SUGIZOのこのライヴに賭ける熱い想いがダイレクトに伝わるアクトであった。最後にメンバーを紹介し、4人で肩を組んで礼。両手を大きく広げ、投げキッスをしてステージを去った。

19時30分に登場したのは本イベントの主宰者である土屋昌巳のロックプロジェクト、KA.F.KAだ。2013年に結成されたKA.F.KAのメンバーは、土屋昌巳(G&Vo)、ISSAY(Vo)、森岡賢(Key)、ウエノコウジ(B/the HIATUS)、宮上元克(Dr)の5人。通常ではありえないような刺激的なメンバーだ。すでにKA.F.KA名義で「Silent Party」、「The Prisoner」が配信されているが、これらの曲に土屋昌巳名義で2013年にリリースされたアルバム『Swan Dive』からの楽曲や、未発表の新曲も音源に先がけて披露。濃密でロマンティシズムに貫かれていながら、ロックへ情熱と衝動がほとばしるステージにオーディエンスは釘づけになった。

MCになるとジョークを飛ばし、キュートな素顔をのぞかせる土屋昌巳の魂のこもったギターはそのスキルも圧巻だが、エッジと深みを兼ね備えていて、鳴らされる音自体で空気を動かしてしまう。そしてパントマイムの要素を取り入れた(土屋氏には前衛舞踏家と表現されていた)Der ZibetのISSAYの独特のパフォーマンスとジム・モリソンにも通じるヴォーカル、そのフレーズのセンスと華やかな存在感では右に出る者がいないminus(-)の森岡賢。個性が爆発するフロントの3人を土屋氏に宮本武蔵のようなベーシストと評されていたウエノコウジのビートと宮上元克のパワフルかつ正確無比なドラミングがガッツリ支えるのだから、強力としか言いようがない。KA.F.KA初参戦の人からも曲が演奏されるにつれて、大歓声がわき起こり、SUGIZOとのタッグも含め、「めったに見られないものを目撃できた」という興奮が会場中に漂っていた。

アンコールでは土屋昌巳が感謝の言葉を述べ、「闇が暗ければ暗いほど夜明けはきれいなんです。KA.F.KAは闇を追求していこうと思っています」と現在、レコーディングしている新作のことにも触れ、「Last Shadow」を演奏。

最後にSUGIZOをステージに呼び入れ、ISSAYと堅い握手(ソロアルバムで1994 年に共演)を交わすと、土屋昌巳がSUGIZOを「大親友です」と紹介。KA.F.KAのメンバーに混ざってジョイ•ディヴィジョンの「トランスミッション」(1979年)をカヴァーするという超レアな光景が繰り広げられた。怒濤の歓声の中、10年ぶりの共演にハグを交わす土屋昌巳とSUGIZO。最高で最強の一夜だった。

Text by 山本弘子
Photo by 眞鍋孝太郎

◆SUGIZO オフィシャルサイト
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