LUNA SEA、さいたま&横浜公演、大興奮の2夜をレポート。“25尽くし”のツアーファイナルは大阪城ホールで

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◆地元神奈川 横浜アリーナで「メンバーといると日々、スゴイことが起こる」
――2014年12月23日@横浜アリーナ


LUNA SEAが活動していなかった年も、毎年12月23日が来るとSLAVEは胸をザワつかせていたに違いない。日本武道館、東京ドーム、横浜スタジアム、数えきれないぐらいLUNA SEAがステージに立ってきた記念日の2014年12月23日に、彼らは14年ぶりに地元神奈川の横浜アリーナに立った。

このシチュエーションがLUNA SEAとオーディエンスを燃えさせないわけはない。今回14年ぶりの全国ツアー<LUNA SEA 25th ANNIVERSARY TOUR THE LUNATIC- A Liberated Will>は、全箇所ソールドアウトという記録を打ち立てたが、この日も15000人のオーディエンスが集結。開演予定時刻の16時を15分ほどまわったときから待ちきれないと言わんばかりの手拍子が場内に響きわたった。

この日、RYUICHIは「メンバーといると日々、スゴイことが起こるんですよ。日々、歴史が刻まれていく」と話していたが、アリーナ2 日間のライヴを見て、その言葉を十分に体感した。


さいたまスーパーアリーナと同じく「Anthem of Light」で幕を開けたこの日のライヴ、LUNA SEAはさらに突き抜けていた。内側の熱がメラメラと燃え上がるような「Rouge」の後には、はじけ飛ぶナンバー「JESUS」が放たれ、最新アルバム『A WILL』からのナンバーを中心に異なるセットリストでライヴは展開していった。RYUICHIもギターを弾いてトリプルギターで演奏された「Lost World」では、間奏でJの太いベースがフィーチャリングされ、LEDパネル(さいたまより高い位置に設置されていた)にステンドグランスが浮かびあがる。聖堂の中で演奏しているような演出が印象的だった「MARIA」はSUGIZOとINORANのギターアンサンブルが曲の美しさを際立たせた。

そして、RYUICHIがSUGIZOの情熱的なギターに呼応するように何度もシャウトを繰り返した「Glowing」はグルーヴも含めて圧倒的だった。終幕前とは火花の散らし方は明らかに違うが、今もLUNA SEAは切磋琢磨し、刺激しあっているのである。5人全員がミュージシャンとしても人間としても器が大きくなり、一度、バラバラに壊れたにも関わらず、あの頃の衝動と音楽への熱をそのままにオーディエンスと共に再び、形のない未来へと向かおうとしている。こんなバンドは見たことがない。


Jのシャウトがさらに曲のパワーを加速させた「TONIGHT」、キレを増している「Thoughts」。過去の曲にも新しい曲にも、その日のLUNA SEAの息吹が吹き込まれている。終幕前の彼らは全員がフロントマンの存在感を持っているバンドだったが、今は文字どおり、ソロとしてフロントを張る存在の集団だから、アドリブ力もパフォーマンスも柔軟性も以前とは比べものにならない。いや、REBOOT直後のライヴも、軽く飛び越えている。全国ツアーをまわってきたLUNA SEAの底知れないエネルギーがそこには終始、渦巻いていた。そしてユーモアを混じえながらも煽りからして全力のRYUICHIのボーカリストとしての気迫と表現力には有無を言わせない説得力があった。

オーディエンスが歌う「きよしこの夜」が場内に響きわたったアンコールではなんと、メンバーがサンタの帽子をかぶったり、手に持ったりして登場し、昔と変わらない茶目っ気にSLAVEは大興奮の様子。


「メリークリスマス! いつのまにかLUNA SEAの黒いクリスマスが23日に定着してきましたね。いいよね。イヴイヴ。俺たちのクリスマスは特別な感じがする」とRYUICHIが感謝の言葉を述べて、ジョン・レノンの「Happy X’mas」(War is Over)」のカヴァーをプレゼント。


ちなみにこの日のメンバー紹介ではSUGIZOが「ヨコアリハマーナ!! オマエら、いい塩梅か!?」と沸かせ、INORANはいつかの日のようにRYUICHIに耳打ち。RYUICHIは「みんな、INORANが愛してるって」代わりに伝えた。Jは「横浜、最高だぜ!!」と叫び、真矢は「この前はI LOVE YOU,OKって言ってたけど、今日は心の中でちょっと違うこと思っていたんだ。みんなも知らない英語かもしれないけど、気持ちだけは受け取ってくれ。I’m Fine、Thank you!」と笑わせた。そして、SUGIZOに、「宇宙一のヴォーカリストでございます」と紹介されたRYUICHIからはもうひとつのプレゼントが。

「25周年、25万人を動員したこのツアーファイナルを3月(14日)に大阪城ホールでやります! もちろん神奈川も生まれ故郷だけど、大阪もツアーで初めて行った場所だから、世界一熱い場所に変えるために5人で走っていきたいと思います! みんな遊びに来いよ!!」


そう報告し、25周年の集大成となる公演を大阪で締めくくることを発表したのだ。その後、「WISH」ではクリスマスカラーの3種類のテープが放たれ、最高の景色が目の前に広がった。メンバーが楽器を置くやいなや大アンコール。RYUICHIは「みんな、俺たちの空白の10年を埋めてくれてどうもありがとう。来年もLUNA SEAはみんなにとって特別だっていうことを超えていくので、オマエたちも超えていってくれよ! 誇りに思ってるんだ、オマエたちを」と話し、『A WILL』の最後の楽曲であり、ファンへのかけがえのない愛を込めたバラード「Grace」を届けた。

INORANは「14年たっても僕らをここに連れてきてくれて、ありがとう。これからもよろしくな」と伝え、Jは「横浜!最高の夜をありがとう。メリークリスマス!」と笑い、客席に降りてハイタッチを交わしたSUGIZOはステージに戻るとさいたまと同じように深々と礼をする。そして、何度も客席を見渡してうなづき、名残惜しそうにステージを去った。惜しみなく注がれる拍手。25周年ツアーは2015年の3月で幕を閉じるが、その軌跡を奇跡に変える底知れない力を持ったLUNA SEAがこれからも歩みを止めないことを心から願う。

Text by 山本弘子

<LUNA SEA 25TH ANNIVERSARY LIVE>
12月23日(日)@横浜アリーナ/セットリスト

1Anthem of Light
2.Dejavu
3.Rouge
4.JESUS
5.乱
6.Lost World
7.MARIA
8.Glowing
9.Violin&AG Jam(SUGIZO/INORAN)
Drum.Solo/真矢
10.TONIGHT
11.Thoughts
Bass Solo/J
12.The End of the Dream
13.TIME IS DEAD
14.ROSIER
15.absorb
EN
1.Happy Xmas (War Is Over)~BREATHE
2.Metamorphosis
3.PRECIOUS...
4.WISH
5.Grace

<LUNA SEA 25TH ANNIVERSARY TOUR THE LUNATIC-A Liberated Will- FINAL>

2015年3月14日(土) 大阪城ホール
OPEN 16:30/START 17:30

◆<LUNA SEA 25TH ANNIVERSARY TOUR THE LUNATIC-A Liberated Will-> さいたまスーパーアリーナ公演ライブレポートへ

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