【ライブレポート】Q'ulleが涙の初ワンマンライブ。「みんなで同じ志を掲げて、信じあって活動していきたい」

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2014年7月に解散した“歌わないダンスアイドル”DANCEROIDのメンバーで結成されたQ'ulle(キュール)が、12月29日、原宿アストロホールにて初ワンマンライブ<Q'ulle 1stワンマンLIVE「mic check one two !」>を開催した。

◆<Q’ulle 1stワンマンLIVE「mic check one two !」>画像

“歌って踊れるダンスロック・アーティスト”を掲げたQ'ulleは、DANCEROIDリーダーだったいとくとら(いくら)と、2期メンバーのまぁむとゆずき(柚姫)、3期メンバーだったまなことやっこで結成された5人組。ニコニコ動画の“踊ってみた”で活躍する踊り手だったこともあり、彼女たちの持ち味は、もちろんダンスパフォーマンス。さらにこのグループでは、昨今、“女子高生がゼロ秒ナマ着替えする日産「デイズ」の動画”で話題のまなこを中心に、ボーカルにも挑戦。DECO*27をサウンド・プロデューサーに迎えて、2015年1月14日には1stシングル「mic check one two」をリリースする。

インストアイベントはすでに行なっていたQ'ulleだが、ワンマンライブという形はこの日が初めてということもあり、会場には、この5人がどんなライブを行なうのか期待を膨らませた400人(2回公演)のファンが集結した。

会場が暗転し、DJプレイが期待感をさらに高めていくオープニング。そしてステージを覆う紗幕に、開演の時を告げるカウントダウンと、DANCEROID解散後、それでも夢を諦めきれなかった彼女たちの汗と涙と努力の日々が切り取られた映像が流される。「辛くて、悲しくて、たくさん泣いた」「みんなの笑顔、見たかった」「出来ない子でごめんなさい」「みんな、愛してる。」映しだされるそんなメッセージひとつひとつは、彼女たちの嘘偽りのない想い。そして、「Q'ulle」のロゴと、ステージ上の5人の姿が重なると、会場からは大歓声が巻き起こる。

DJ、ドラム、ギターというバック編成によって支えられた、この真新しいグループの第一歩。初ライブの1曲目を飾ったのは、デビュー曲となる「mic check one two」。ダンスロックを掲げるとあって、吹き上がるスモーク(CO2)の中、強烈なビートとダイナミックなダンスが熱狂を生み出していく。

「今日は忘れられない最高の日にしていきましょう!」「Q'ulleの世界を存分に堪能してください!」「みなさんに会えて嬉しいです!」「最後まで全力で頑張るので、もう、マジで、(噛みながら)倒れて寝るぐらい、オーケー? 盛り上がってってください!」「今日は本当にありがとうございます。最後まで楽しんでいってください!」と、ひとりひとりの挨拶を経て、まなこがリードボーカルをとり、しがらみとか社会とか何かと戦っている「Chain」、そしてまぁむ曰く「人間の、いいところを伸ばし、悪い自分を“かくれんぼ”」という(?)「ONI」を立て続けに披露していく。

さらに、DECO*27、KADOKAWA メディアファクトリーの三坂泰二ブランドカンパニー長(社長)、そして、メンバーと共演経験があるアーティストから、初ワンマンに対するお祝いコメント映像が流される。

インストではキレのあるダンスを披露したのち、マイクスタンドを用意してQ'ulle初の恋愛ソングの「Dolo Dolo」を歌唱する。ダンスを封印かと思いきや、伸びやかな手足を悩ましく使いながらの大人なパフォーマンスで、オーディエンスの目と耳をステージへと釘付けにしていく。続くバンドメンバー紹介で、覆面を被った謎のドラム、ギター、DJの名前が、それぞれ支点、力点、作用点であることが明らかに。そうなると、どこからどう見ても“てこ”。しかしてこは、かのアルキメデスも使ったという、小さな力で大きなものを動かすことができる単純機械。そしてそれは、まだまだ小さなグループかもしれないが、大きな夢を掴みたいというQ'ulleにもつながるものがある。支点、力点、作用点。思いつきで付けられたかのような彼らの名前には、そんな深い意味が込められていた……のかもしれないし、そうではないのかもしれない。

そんなてこみたいなバックの3人に支えられたQ'ulleの1stワンマン。盛り上がり過ぎていくらの衣装が壊れるというセクシーなハプニングもありつつ、後半は、1stシングルにも収録された「NOT」(Noting or Torment=NOT)や、「Jukebox」ならぬ「Q'ulle box」と名付けられた観客からのアンケートで再度披露した「Chain」、さらに「Do say」とタオル回しの「P」を畳み掛けるように歌い踊り、本編を終了する。

「アンコール!」と「アンQ'ulle!」の声が入り混じる中で、ステージにはスクリーンが降りてくる。そして重大発表の文字。

「2015年3月18日 2ndシングル&1stワンマン LIVE DVD同時発売決定」
「2015年1月18日 1stシングル「mic check one two」リリース記念LIVE@Eggman 決定!!」
「2015年初夏 1stアルバム リリース決定!」
「そして…全国6カ所でLIVEツアー決定!!」

次から次に映しだされるQ'ulleの展開に、驚きと歓喜の声が上がる。そしてTシャツ姿に着替えた5人が再びステージへと登場し、明らかになった重大発表を紹介する。「こんなにたくさんのいろんなことが決まりました。あらためて、本当にありがとうございます。」と、頭を下げた5人。そしてひとりずつ、ライブ最後のMCとして、今日までの想いを観客に伝えていく。Q'ulleとして活動を開始しても、不安な気持ちばかりだったという彼女たち。涙を頬を伝わせながら、応援してくれるファン、支えてくれるスタッフへの感謝の気持ち、そしてQ'ulleとしての夢を語り、その想いすべてを「Five」へと注ぎ込む。

ライブのラストナンバーは、再び1stシングル「mic check one two」。5人の熱い想いに突き動かされるように、バンドメンバーの演奏にも力が入り、そしてそれはオーディエンスも同じ。爆音のようなサウンドをかき消さんとするほどのコールを発生させて、アストロホールを揺らしていく。会場一体となった熱唱と突き抜けるボルテージで、Q'ulleの初ワンマンは興奮と熱狂の中、鳴り止むことない歓声とともに大団円を迎えた。

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