【ライブレポート】GARLICBOYS、ラストライブで“涙を誘う粋な演出”

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GARLICBOYSが2014年12月29日の梅田クラブクアトロ公演<俺たちのワンマン2014 at Last in OSAKA>をもって、約30年にわたる活動を休止した。活動休止前ラストとなったステージの模様をお届けしたい。原稿はメンバーと四半世紀以上前から親交が深い南部氏によるもの。全33曲の熱演が繰り広げられたライブを独自視点でレポートする。

◆GARLICBOYS 画像

2014年12月29日、ガーリック・ボーイズ最後の日。嫌な夢を見て朝5時頃に目覚めた。そして目覚めた瞬間に、高校生から大学生だった頃のイケイケだが周りに対して何の責任感もない自分がフラッシュバックしていた。当時流行っていたのが古くは北欧の漁師の防寒着だったと言われているダッフルコートだ。一世を風靡したVANジャケットのダッフルコートを着て好き放題遊んだ。今だからこそ言える若気の至り。GARLICBOYSのライブが中盤に差し掛かった時、2曲連続で演奏された「マッシュルームカットとダッフルコート」「若気の至り」を見て正夢だったことに気付いた。

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開演前のざわついたフロアのテンションがSEで使われている高倉健の台詞「さすがだなぁ」という声で最高潮に達する。「死んでもらうぜ!」……昔、タバコの煙で蒸せ返る二番館のオールナイト上映で観た任侠映画『昭和残侠伝 唐獅子牡丹』が頭をよぎる。オープニングは、自分も歌録りの時コーラスで参加した「ハッスルするっす」、フロアは沸点を超えた。エンディングでの健さんの決め台詞に主人公はこう答える。「もう死にたいっす」。

GARLICBOYSを初めて見たのは1990年前後の京都磔磔だった。ロングヘアに短パンというスケーターっぽい格好をしたPETAの印象が強烈だ。ライブは「ダメ男のメロディー」「WAVE」を挟み、その頃からやっていた「YOKOZUNA」でフロアの心を鷲掴みにする。そこから11曲目「怒りのもんた泣きの小金治」まで怒涛のスラッシュメタル行進だ。往年の昼のワイドショー『アフタヌーンショー』の司会・桂小金治を知るファンは数少ないが、結成当時から見せるスラッシュメタル色は今も貫かれている。それは大阪の名門インディーズ・レーベル“アルケミー”からリリースされた初期アルバム『SMEGMANIA』収録曲の「大江戸捜査網」と最近のアルバム『群青』収録曲の「ゆーことカズき」が続けて演奏されても何の違和感もないことが証明している。その後に続くヴィンテージ曲「サイコスラッシュ」、しかし寝屋川にあったライブハウス“ヴィンテージバー”を知ってるファンはおらんやろ。いや、きっと何人かいるはず。

筆者がGARLICBOYSと一緒にツアーに回っていたのは今から20年ほど前のこと。メンバー4人と、今はアメリカに住むローディーのアカガワ君と自分を併せ、6人で楽器車移動した。自分は巨体のLARRYとアカガワ君に挟まれて座る。LARRYは暑がりで、いつも助手席側の窓を開けっ放しにするので自分は寒い。アカガワ君は「太らんとあきませんね」とポツリ一言。実際、そのツアー終わりで体重が8キロ増えた。アカガワ君はいつの頃からかいなくなり、後にこの日19曲目に演奏されたマカロニ・ウエスタン風のイントロで始まる「松永さん」に代わった。“大きい声で呼ぼうよ~、松永さ~ん!”というコールでモッシュピットのサーフダイブが激しくなる。

そして本編は“予期せぬ さよなら”と歌う「Too Late To Love」で終わる。今さら「やめんといてくれーっ!」と叫んでも遅すぎる。涙を誘う粋な演出じゃないか。

アンコールは一緒にツアー回っていた頃に自分が履いていた白いブリーフにヒントを得たという「白ブリーフ悪いか絶対悪くない」で始まった。そして、その頃の曲を管理していた出版会社の方との打ち上げの一場面を描いた「あんた飛ばしすぎ」へと続き、“パリラハイハイ!”のコールにフロアが揺れる。

2回目のアンコールは今後の彼らを示唆した「さすらい節」だ。“さすらう男の旅路の果てには何があるのか”という歌詞の問いかけの答えは、「GARLICBOYS」。“俺らはいつまでもGARLICBOYSなのさ”とさらりと流す。

そして打ち上げは朝まで続いた。

取材・文◎南部裕一 撮影◎Nariaki Ueda

■<俺たちのワンマン2014 at Last in OSAKA>
2014.12.29@梅田クラブクアトロSET LIST
01.ハッスルするっす
02.ダメ男のメロディー
03.WAVE
04.YOKOZUNA
05.ダンシングタンク
06.泣き虫デスマッチ
07.昭和旅つばめ
08.電撃セラピー
09.兄貴御立腹
10.ナルシスト宣言
11.怒りのもんた・泣きの小金治
12.流星雨
13.バイシクル
14.ロボットのバラード
15.マッシュルームカットとダッフルコート
16.若気の至り
17.失恋モッシュ
18.1+1+1=危険な関係
19.松永さん
20.ハナクソマン
21.GHQ
22.おねだり上手
23.大江戸捜査網
24.ゆーことカズき
25.PSYCHO THRASH
26.荒野のさびしん棒
27.DQ69
28.Too Late True Love
encore
29.I WANT YOUR PANTY
30.白ブリーフ悪いか?絶対悪くない
31.あんた飛ばし過ぎ
W.encore
32.さすらい節
33.GARLICBOYS

◆PIZZA OF DEATH オフィシャルサイト
◆GARLICBOYS オフィシャルサイト
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