【倉木麻衣×BARKS連載対談】最終回「出会いによって育ててもらって、新しい自分にも出会える」

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倉木麻衣は2014年12月、デビュー15周年を迎えた。BARKSでは15年の歴史を振り返るべく、倉木麻衣、BARKS編集長の烏丸哲也、デビュー当時からのディレクター西室斗紀子を迎え、約1年間にわたって大型連載企画を展開中だ。

◆倉木麻衣 画像

その最終回となる今回は、15周年アニーバサリーイヤーを締めくくる12月6日の日本武道館ライブを終えた直後の倉木麻衣に、武道館のエピソードとこれからの抱負を語ってもらった。さらなる挑戦と出会いを求め、倉木麻衣の新たな1ページはここから始まる。

【連載対談最終回:15th Anniversary日本武道館公演~明日へ】

■これからも倉木麻衣と共に歩んでいってほしいという気持ちと
■15周年を武道館でやれるという思いがあふれて、泣いてしまったんです



▲<15th Anniversary Mai Kuraki Live Project 2014 BEST “一期一会” ~Premium~>2014.12.6 @日本武道館

倉木:先日は本当に長時間、ありがとうございました。

烏丸:何をおっしゃいますやら。大変だったのは倉木さんのほうでしょう。

倉木:今回は第一部、第二部と分かれていて、一部はバンドとダンサーと一緒にやって、二部はシンフォニック・スタイルでやったんですけど。夢のような時間で、自分としては4時間があっとういう間に過ぎてしまって。

烏丸:途中に休憩があるとはいえ、4時間喉を使い続けるのは相当な労力ですよね。アドレナリンが出ているから、大丈夫なのかな。

西室:リハーサルの時に、すごい勢いで歌っていたので。“だめだめだめ!温存して!”って(笑)。

倉木:どれくらいの分量で歌っていったらいいか、通してやってみないとわからないので。しかも前日に抽選で当選されたファンの方を集めて、公開リハーサルをやらせていただいたんですね。なので思わず本番みたいなテンションで歌ってしまったんですけど。

西室:それはそれは楽しそうにやってました。

倉木:いつもはお客さんがいない中でリハーサルをやるので、ちょっとテンションが上がりにくいところもあるんですけど。リハーサルであれだけ盛り上がって一緒にやれたのは、すごくうれしかったです。みんなと一緒に“明日頑張ろう!”という思いでできたので、良かったなと思います。

烏丸:お客さんにとっては最高にうれしいと思いますよ。でもリハーサルって、アーティストにとっては見せたくない部分でもあるんじゃないですか。

倉木:今だからこそできるのかな、と思いましたね。ここまでのプロセスとして、メンバーと一緒に作りあげてきたものがあって、特に2014年はライブハウスとホールをずっと回ってきて、みんなとの絆もさらに深められましたし、何があってもみんながついてきてくれるという安心感もあったので。

烏丸:なるほど。プロセスを見せたくないという段階は、とうに越えてるわけか。

倉木:そうですね。初めてライブをした十代の頃は、いっぱいいっぱいで、不安がつきまとう中で、(リハーサルを)お客さんに見てもらうのはどうなのかな?と思ったと思います。でもだんだん時を経て、今だからこそ、みんなと一緒に作り上げてきたライブという確信があるので、見せてもいいのかな?と。

烏丸:本番は、もちろん素晴らしいライブだったわけですけれども。せっかくなので、今だから言える裏話を聞きたいですね。

倉木:印象的だったのは、バレエダンサーの方が踊っている時に、ステージの下からポップアップで上がってくるシーンですね。リハーサルの時にやってみたものの、あまりの速さに、しかもヒールなので、カッコよく決められなかったんですよ。パッと出てきて、ガクッみたいな(笑)。

烏丸:けっこうな勢いで押し上げられる感じ?

倉木:あれは機械じゃなくて、スタッフさんが人力でやってくれるんです。その時に、あまりに気合を入れすぎたみたいで(笑)。その時にバレエダンサーの方に“どうしたら重心を保てるんですか?”と聞いたら、“足の親指に力を入れたらいいのよ”と言われて、やってみたら本当にできたので。聞いておいてよかったなと(笑)。

烏丸:ひとつひとつ、細かく成長してますね(笑)。

倉木:あとは…センターサークルの上がすごく揺れて怖かった(笑)。円形ステージの上で歌った「Revive」の時も、ダンサーさんがめちゃ激しい動きをするので、揺れるんですよ。振り落とされないように、ちょっと足に力を入れて踊ったりとか(笑)。楽曲的な部分で言うと、1曲目を「PUZZLE」にしようか、どうしようかと悩んでたんですよ。最初は「Wake me up」にしようかなと思っていたので。でも一期一会の15周年記念ライブは、最初からみんなと一体になって盛り上がりたかったので。

西室:攻めていこうと。それが決まったのが、本番の2日前ぐらいかな。

倉木:衣装も自分で、このシーンではこういう衣装を着ようと思っていて、スタイリストの方と一緒に決めました。最初は赤い衣装で、闘争心を見せて行こうと思っていたんですけど、もっと新しい倉木麻衣をお見せできたらいいなと思って、カラフルな衣装にしたりとか。あとは…「STAND BY YOU」と「chance for you」で、合唱隊の方たちに登場していただいたのも、すごくよかったと思います。

西室:あの人数の合唱隊で「STAND BY YOU」と「chance for you」を聴くと、じーんときましたね。今までにない、プレミアムならではの雰囲気になったんじゃないかなと思います。

倉木:私も感動しました。ここで泣いたら歌えなくなっちゃうと思って、感情を抑えながら歌ってたんですけど。

西室:1stライブの頃から一緒にやっているスタッフも、多かったりするので。ライブをやりながら、途中途中で、けっこうみんな…。

倉木:最初に泣いてたのは西室さんです(笑)。ハンカチを持って。

西室:リハーサルで、もう泣きそうになってる(笑)。スタッフも一期一会というか、みんなも感情をこらえながらやってるみたいな。

烏丸:それはお客さんに伝わりますよ。いい空気になりますよ、それは。

倉木:数々の苦難も喜びも、共に乗り越えてきたので。

西室:本番が始まっても泣かなかったから、このまま行けるかなと思ってたんですけど。「Special morning day to you」の前のMCあたりから、ああもう駄目だって(笑)。

倉木:あそこに私の一番伝えたい思いを持って来て、私も感情を止められなくて、涙があふれてしまったんですけども。常に自分自身のポジティブな思いを歌にしてきたので、それを「Special morning day to you」に込めて、これからも倉木麻衣と共に歩んでいってほしいという気持ちと、15周年を武道館でやれるという思いがあふれて、泣いてしまったんですが。「Wake me up」を作る前に、もう歌をあきらめてしまおうかと思った時期もあったので、本当に信じられない気持ちでした。私にもそういう思いがあるし、ファンの方もそれぞれの達成感みたいなものを感じてもらえたライブだったのかな?と。

烏丸:そうでしょうね。

◆インタビュー(2)へ
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