【インタビュー】成田☆一家、1stアルバム完成「ヘヴィメタルを俺たちが残すという気持ち」

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成田☆一家が1月25日、1stフルアルバム『強制執行~被疑者確保~』をリリースする。物々しいビジュアルと物騒なアルバムタイトルを一見しただけで、彼らを判断してはいけない。元夜叉のボーカル成田伸治、元MEPHISTOPHELESのギター沢井比河流、元VOLCANOのギター東條成陽とベースNAOTO、Knock’em DeadのドラムSATOSHIとからなる5ピースは、2010年に活動を本格スタートした重鎮揃いの実力派バンドだ。

◆「ENMA ~閻魔~」ミュージックビデオ

アルバム『強制執行~被疑者確保~』には圧倒的にテンションの高い全10曲が収録されている。洋邦HR/HMから影響を受けた各プレイヤーの超絶テクニック、成田の強烈で圧倒的なボーカルが攻撃的な怒涛の音塊となって身体と脳を捉えて離さないはずだ。その結成から、インパクトに溢れたルックスや言葉選び、そしてアルバムサウンドについて、成田、沢井、NAOTOに話を訊いた。見た目に怖いけど、あまりにも面白いトークにも注目を。

   ◆   ◆   ◆

■普通の服が似合わないんですよね
■ガラの悪さを一番に出しちゃったほうが面白いんじゃないかなって──成田伸治

──1stフルアルバム『強制執行~被疑者確保~』の資料には、“見た目で判断すんなよ!!”との謳い文句がありますが、こうした強面なビジュアル面も含めて成田☆一家が結成された経緯を教えてもらえますか?

NAOTO:もともとはリーダーでギターの東條成陽が、別のメンバーとバンドを作っていたんです。そのバンドからベースが抜けてしまったので、プレイヤーとして弾くだけだったらという条件付きで俺が加入したんですよ。その後、ギターの沢井比河流から、「MEPHISTOPHELESが解散するからセッションしない?」という連絡があって。「セッションするなら、このバンドでギターを弾かない?」って彼も誘ったんです。

沢井:MEPHISTOPHELESが解散するので次に何やろうかな?って考えていたんですけど、しばらく続くことになったので、最初は両方のバンドをやりながらだったんです。

NAOTO:そのバンドには前任のドラムがいたんですけど、ボーカルがいなかったんですよ。そんなときに、ちょうど成田伸治がやっていた夜叉が解散するというので、これは絶好のチャンスじゃないかと(笑)。夜叉の解散ライブの打ち上げにメンバー全員で行って、みんなで口説き落としたという。

成田:“解散するから来てくれたんだ、優しい奴らだな”と思ったら、まさか「バンドやろう」って言われると思わなかったんで。しばらく音楽から離れようかなと思っていたのが、この4人が「絶対楽しいから」とか「面白ないわけないやん!」と。「じゃあやるよ」って言ったら……こんな感じになっちゃいました(笑)。

──本格始動は、その5人になってからですか?

NAOTO:そうなんですけど、前任のドラムが1stミニアルバム『指名手配~重要参考人~』のレコーディング中に辞めちゃいまして。制作中だったので、タイプの同じドラマーを探そうと。それでSATOSHIに声をかけたんです。彼は大阪在住だから無理だよって言ってたんですけどね。

沢井:始まったら、本人が思いのほかやる気になっちゃって。

NAOTO:で、現在のメンバーになって早5年です。

──活動当初はリーダーの東條さんが曲作りをしていたとうかがいましたが。

NAOTO:そうなんです。最初はやる気バリバリのリーダーが曲を作ってたんですけど、どうも3曲くらい作ったところで才能が枯渇したみたいで(笑)。頼りないリーダーです(笑)。これ書いといてください。

成田:うん、面白いんで書いといてください(笑)。“頼りない”と“頼れない”だね。

NAOTO:ただ、それだと結局進まないし、俺はStorm Riderというバンドでブッキングやマネージメント業務から作詞作曲まで全部やってたんで、自分がアレンジャー/プロデューサーとしても主導権を握ることになりました。成田も「やれやれ!」って(笑)。

──ベーシストとして、という条件付きで加入したにもかかわらず、いつのまにか音楽的な要になっていたという。

成田:あのまま行ったら、1年もライブやってるのに4曲くらいで終わってしまうという感じになりそうだったんで。

──衝撃的なアルバムタイトルやビジュアル面のコンセプトはどなたが?

NAOTO:最初に衣装コンセプトをどうしようかとなったときに、成田が考えたんです。ちょっとマフィアっぽく全員スーツを着てやってみたいと。要するに、彼の顔に全部合わせたスタイルとコンセプトということです。

──ははは。夜叉では和装でしたよね。

成田:そういうのはやってたんですけど、衣装といっても結局みんなバラバラじゃないですか。スーツだとビシっと全員が一本に揃うので、イメージ的にはそっちの方がカッコいいなというのは憧れだったんです。でも、普通の服が似合わないんですよね、明るい服とか。赤とかを着るとガラが悪くなっちゃうので。だったらガラの悪さを一番に出しちゃったほうが面白いんじゃないかなって。そうしたらみんな乗ってくれたので。

──見た目に、いかにもなメタルバンド風にしたくなかったのもありますか?

成田:いや、そもそも自分的に、成田☆一家はロックバンドだと思っていたんですよ。でも、曲が出来上がったら全部ヘヴィメタルだった(笑)。ま、基本的にはハードなほうが好きなんで、それはいいんですけどね。

NAOTO:ただ、音楽的にはヘヴィメタルに特化しようということはないんです。メンバーの好みがバラバラだったりするんで、みんなに合わせた曲作りをしようと。例えばアルバム収録曲の「ENMA ~閻魔~」とか「Once was a man」はSATOSHI君向けに、ロックンロールテイストの曲を作ったり。「Lie Lie Lie」は完全に俺の趣味で作ったり。

──確かに、曲によっては1980年代のLAメタルっぽいハードロックなイントロがあったりしますね。

NAOTO:曲だけ聴くと、びっくりするくらいバラバラでしょ。だけどそこで成田が歌うと、一本バシっと筋が通るというか、うちの曲になるので。そういう意味では凄く便利(笑)。

成田:役に立って良かった(笑)。

◆インタビュー(2)へ
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