【ライブレポート】HAWAIIAN6、東京ファイナルで「俺らは走り続けるから」

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HAWAIIAN6が1月15日、東京・渋谷O-EASTにて<HAWAIIAN6 Where The Light Remains>東京ファイナルワンマン公演を開催した。同公演は2014年8月からスタートしたロングツアーのセミファイナルを飾るものだ。

◆HAWAIIAN6 画像

ライヴ終了後、GURE(B)はフロアに思いっきりダイブを決めた。それからステージに上がると、真っ赤に上気した顔をタオルで一生懸命拭っている。そのタオルの隙間から見えた表情は涙で濡れていた。

GURE正式加入後、初の4thアルバム『Where The Light Remains』を作り上げたHAWAIIAN6。ここ数作の中でもダントツで明るく、聴く者を両手で迎え入れるような開放的なメロディを鳴らしていた。加えて、希望に満ちた歌詞を含めて強い光を放射する楽曲群を収めた傑作だった。ライヴ自体もその風通しのいい新作を数十倍に膨らませた清々しいパフォーマンスで、多くの観客から満面の笑顔と歓喜を引き出す。昨年8月から行われたレコ発ツアーは、この日遂にセミ・ファイナルを迎える。

お馴染みのABBAの「Dancing Queen」をSEに、真っ白のフライングVを持ったYUTA(Vo/G)、"東北ライブハウス大作戦"の前掛けをしたGURE、そしてドラムの椅子から立ち上がり、両手でピースサインを掲げ、「楽しい夜にしようぜ!」とHATANO(Dr)が叫ぶと、「A Piece Of Stardust」で幕を開ける。横幅の広いTSUTAYA O-EASTの会場にびっしり埋まった観客は早くも拳を突き上げ、熱い活気が充満する。哀愁を帯びたダークな美メロが輝く「Maze」を解き放つと、GUREの高音コーラスも抜群の映え具合だ。続いて扇情的なリフでフロアを瞬時に焚き付ける「In The Deep Forest」を披露。首を激しく振るキッズの姿も目に飛び込み、会場の温度は右肩上がりに上昇するばかり。

「早くも感無量! 楽屋はワインの空き瓶だらけだし(笑)、幸せです。O-EASTでもやることは変わらないから。いままで見たことがないO-EASTにしようぜ! 俺もお前らも主役だから」とHATANOの兄貴肌なMCも胸に突き刺さる。

「Wisdom Tree」では歌心溢れるYUTAのヴォーカル、それを追いかけるGUREのコーラスが美しいハーモニーを奏で、フロアにはクラウドサーファーが続出。力強いメロディに心を揺さぶられる「Sound Of Liberty」と怒濤の勢いで畳み掛け、全9曲をやり終える。ふと気付くと、新作から既に7曲も演奏されていた。そこにも最新のバンド像を見せたい、という思いもあるのかもしれない。それから「Tiny Soul」を皮切りに、HATANOのドラムセット前方に設置された小さなシンバルを、ステージに上がった観客が軽く手で叩いてダイブする光景が見られるようになる。曲が進むにつれ、その回数は次第に増え、それをニヤニヤ眺めるHATANOの表情もまたいい。

中盤は「Light And Shadow」、「Days」など懐かしい曲も積極的に取り入れ、昔からのファンを興奮させる一方で、学園ドラマ『スクール☆ウォーズ』主題歌の英語詞カヴァー「Hero」も熱狂的に受け入れられていた。さらに「『SOULS』の曲を再現する。激しいよ!」とHATANOが切り出し、トランペット奏者で元LONG SHOT PARTYの飯川賢をゲストに迎え、「Autumn Leaves」をプレイ。音源通りにロマンチックなホーンをイントロに3人の演奏が始まり、これには会場も大盛り上がり。改めてHAWAIIAN6の曲調とホーンの相性の良さに唸った。

今回ツアー・ファイナルは仙台でやりたかったと思いを述べるHATANO。今日の気持ちも東北へ持って行くと告げた後、「Eternal Wish,Twinkle Star」に突入。すると、ステージには途絶えることなく観客が上がってダイブしまくる。ここは新宿ACB(キャパ約250人)かと思うほど、フロアとの距離を感じさせない沸騰ぶり。「Light Remains The Same」で本編を締め括り、アンコールに応えるとYUTAがこう語った。

「1曲やっていい? メンバーが替わって、CDが出せて、みんなのおかげでやれてるわ。ありがと!」と照れ臭そうに感謝の言葉を口にすると、アコギ一本で「The Pride」を披露。その後は「Magic」、再び飯川(Tp)を迎えて「Rainbow,Rainvow」が演奏され、観客が肩を組んで輪になって回る姿があちこちで見られた。

さらにWアンコールへ突入。「Promise」、ラストは「Ever Green」で鮮やかに締め括る。そう言えばライヴ中盤、脱退した前ベーシスト・TORUから「まだまだ走り続けてよ」と言われたエピソードを話してくれた。このツアーが終わったら新曲を作る話も上がっているようで、「俺らは走り続けるから」というHATANOの頼もしい言葉も聞くことができた。過去も現在も未来も全部引き受け、曇り一点なきサウンドで観客を明るく照らすHAWAIIAN6の演奏にこれ以上ないほど感動した。いいセミファイナルだった。

取材・文◎荒金良介

■<Where The Light Remains FINAL TOUR>
2015年1月15日@TSUTAYA O-EASTセットリスト
01.A Piece Of Stardust
02.Blue
03.Prism
04.Maze
05.In The Deep Forest
06.Void
07.Wisdom Tree
08.An Apple Of Dischord
09.Sound Of Liberty
10.Tiny Soul
11.Revolutions
12.The Ghost
13.Sunset Melodies
14.Light And Shadow
15.Days
16.THE LIGHTNING
17.Holding Out For A Hero
18.WORLD
19.Autumn Leaves
20.Butterfly Beats
21.Universal Feeling
22.Forever Young
23.I BELIEVE
24.Eternal Wish, Twinkle Star
25.Break Your Fate,Make Your Way
26.A Love Song
27.Light Remains The Same
encore
En1.The Pride
En2.Magic
En3.RAINBOW, RAINBOW
W.encore
En1.Promise
En2.Ever Green


◆HAWAIIAN6 オフィシャルサイト
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