【インタビュー】KIRA、気合の入った歌の聴かせっぷりがすごい1stアルバム『LISTENER KILLER』

2015.2.5 11:17

■さらけ出して、共感してもらわれへんかったら
■私、なんやねん！みたいなことになりますから

――今の話を聞くと、今作『LISTENER KILLER』での歌の聴かせっぷりがすごいのも納得します。特に「片想い」とかバラード。

KIRA：それを女性の方に言ってもらえるって、めっちゃ嬉しいです。

――アルバムは、マカオでの経験も経て、10年、音楽活動を続けた集大成だから、気合い入ったでしょ。

KIRA：入りましたし、レコーディングの集中力がハンパなかったです。ブースに入ったらバシッとキメるって感じで。完成までのラスト1ヵ月は、ライヴ以外は毎日レコーディングしていたんですけど、「自分って、こんなできるんや！」みたいな。作詞の作業にしても、全部の集中力が凄かったです。曲自体は、昔作ったものもあったんですよ。「ミスター・ファカー」とか「Change The Flow」とか。その歌詞を直して、トラックを直して、録り直したりしたんですけど、10年間の活動で生き残った曲たちだから、自然と自分の中で、この10年の中での最強なものしか集まっていないんです。それプラス、このアルバム用に書いた曲は、今のスキルでやってるから、それもいい感じに仕上がったし。これまでインディーズで何回かアルバムを出そうって思ったこともあったし、構想を練って作りかけたこともあったんですが、結局断念して。でも、かえって良かったなと思います。自分がいまこのスキルで、このモチベーションになるまで出すなってことやったんかなって。

――タイミング的にバッチリだったんだね。最初の3曲からアガるし、掴まれますよね。キラーチューンばっかりだから、このタイトルなんだなぁというのもわかるし。一曲目「LISTENER KILLER -Turn it up!-」はタイトルチューンですが、イントロのギターリフがすごくカッコいい！

KIRA：この曲は洋楽を意識したポップスを作りたいなぁと思ってて。「LISTENER KILLER -Turn it up!-」って曲は、盟友と作っているんです。この作品は、曲を集めてから曲順を考えてったんですが、これはもらった瞬間に一曲目やなぁと。アルバムのタイトル曲をこのトラックで作ろうっていうのも直感で決めていて。頭の中にメージがすごくあったから、作るのも早かったですね。頭の中にできてたから。

――10年を乗り越えてきたという「ミスター・ファカー」と「Change The Flow」は内容的には真逆なんですね。

KIRA：そうそう。「ミスター・ファカー」は実際に自分が浮気されて別れたときに、この曲を書いてあきらめたんですよ。私が曲書くときって、ケジメやと思ってて。曲を書いたら、絶対にその自分でおらなあかんから、自分が腹くくったときに書きとめておいたりするんです。「ミスター・ファカー」はリアルタイムで書き留めていて。それまでは、浮気されてもくっついたり戻ったりしてたんですけど、この曲を書いたら本気で別れようって思ったんです。「Change The Flow」は、その真逆で、私の浮気心の曲。「ミスター・ファカー」の人と付き合ってるときに、もう別れそうってなってるときに、別の男の人を好きになって、「あなたが私をもっと引っ張ってくれたら、あなたの元に行けるのに」みたいな。女の子って、絶対にこういうのあるから。みんなも当てはめて聴いてほしい。

――「最後のグッドバイ」と「SOMEDAY」も、続きもののようで曲順もいいですよね。すごくストーリーを感じる。

KIRA：気付いてくれました？　「SOMEDAY」はきっと共感してくれる人が多いやろうなぁ。リアルなことで言ったら、実は「最後のグッバイ」が「片想い」に続くんですよ。「最後のグッバイ」で別れてしまったから、「♪今日から私の片想い」ってことになって。この曲は、「月」というワードで共通点を作っています。

――ラブソングはすべて一つの線でつながりますよね。

KIRA：ははは。全部リアルですからね(笑)。ちゃんと伝わっています？

――ものすごく！

KIRA：それでこそさらけ出してる意味があります(笑)。さらけ出して、共感してもらわれへんかったら私、なんやねん！みたいなことになりますから。

――ディテールもすごく細かいし、女性としてのリアルがたくさんある。ラブソングだけじゃなく、「ナデシコSOUL」みたいなメッセージ色のある曲も。

KIRA：それは嬉しい。女やからって受け身でいて、相手に求めてばっかりいたらだめなんですよ。それじゃいつまで経っても幸せになられへん。新しい“大和撫子スタイル”、これからの私達に絶対必要やなって思って。

――最後にMINMIさんとコラボした「ナデシコSOUL REMIX feat.MINMI」が入っていて、さらに力強いナンバーになっていますね。

KIRA：MINMIさんのバースが来て、朝、ホテルで泣きました。あの人こそ私が憧れるナデシコです。

――「最後のグッバイ」に参加しているSHINGO★西成さんとか、参加している方も本当に豪華。

KIRA：豪華ですよね。10年経って、まさかMINMIさんとか、SHINGO★西成さんが参加してくれるとは。でも、一番嬉しいのは、トラックを作ってくれたのは、アンダーグラウンドの頃から、ずっと自分の周りで一緒に活動してくれた人ばかりっていうことですね。それが一番の喜びですね。ホンマに続けて良かった。

――KIRAさんの道のりが全部詰まった作品になったんだね。

KIRA：ホンマに。全部のストーリーが詰まったから、すごく満足感があるし、これを聴いたら私という人間を判断できるものだと思う。それくらい自信があるんです。これを持ってリリースツアーも回るので、2015年はさらに頑張ります！

取材・文●大橋美貴子