【インタビュー】moumoon、流れ星がまた見れたらいいなってずっと願ってる歌「Hello,shooting-star」

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■YUKAちゃんが英語で書けて歌えるのはすごくありがたい
■いい面ですよね。どっちも選べるというのは


▲「Hello,shooting-star」

──流れ星=SHOOTING STARって、歌詞に時々出て来ますね。「DREAMER DREAMER」とかも。

YUKA:うん、好きですね。星とか月とか、夜空の歌は多いです。

柾:どんなに遠くの人が聴いても星はみんな見えるから。いいですよね、そういうテーマは。

──あと、色のイメージもよく出て来ます。

YUKA:そうですね。歌詞を書き始める時に、この曲はだいたい何色とか、何色に聴こえるとか、そういうものがあるので、それをメモったり絵に描いたり。みんな、まず色合いと、質感と、景色とが浮かんで来て、そのあとに言葉にするという感じですね。

──この曲の第一印象は、何色だったんですか。

YUKA:昼間のものすごく明るい時に、風を受けたり光を受けたりした時に、空を見上げていて、目を閉じて、網膜に真っ赤なまぶたが見えるみたいなところから、主人公が歩き出して行く姿が見えてきて……みたいな感じでした。

──それ、最初の4行とおんなじです。

YUKA:そうです。そのまんま(笑)。

──風景と心理描写が、生々しいバンドサウンドにぴったり合ってます。柾さん、サウンドについては何かこだわりが?

柾:ちゃんとしたいい音のロックサウンドというか、嘘っぽくない本物の音にしたいと思っていました。すごい音圧を上げたり、いろんな音を重ねたりする音楽も好きですが、もっと耳当たりというか普通に安心して聴けるロックの音がいいなと思ったので。メロトロンのサンプルを使った以外は基本的に生で、ギターも家でマイクを立てて、ちょっとずつズラしながら試して、1日かかって録りました。久々に、そういうことをしましたね。派手さはないですけど、じっくり聴いてもらうと良さが伝わるかなと思います。

YUKA:そうだね。

──では、カップリング「BF」について。こっちは少し前にもう世に出ていた曲ですが、あらためて紹介を。

YUKA:これは書き始めた時に、自分の感情だけでなくて、誰かに対して歌ってみようと思ったんです。『ディア・シスター』というドラマの挿入歌になっていたので、いい機会だなと思ったし、女友達に向けた曲にしたいと思って書き始めました。いつも一緒にいるわけじゃないんですが、ものすごく変わってる奴がいて……奴というか、友達が(笑)。その子のことはすごく大好きなんだけれど、あまり大好きって言えないので、歌詞にしようと。ラブレターみたいな感じ。

──けっこう、ズバズバ言う人なんですか。悩みごとを相談したら、落ちるところまで落ちてみろ、と言われたという歌詞があったり。

YUKA:そうです(笑)。でもすごく救われるところが大きくて、友達同士でいる時のすごいあったかい感じとか、恋人といるのとは違う満たされ方というか……。何なんですかね? 何とも言葉にできないから、歌にしてみました。でも曲を聴いた時に、日本語があまりにハマらなくて、英語で書いたんですけど、それじゃどうしても伝わらないんじゃないかと思って、二番から日本語にして、リフレインをやたら多くしたという(笑)。

──出ましたね。英語か日本語か問題がここでも(笑)。

柾:これはしょうがないなといつも思うんですけど、英語のほうがハマる事があるのは当たり前なんですよ。ロックもそうだし、ダンスミュージックもそうかもしれないけど、音楽の起源が日本じゃないから。そこに日本語を乗せようとして、うまく行く場合もあるし、やっぱり英語の方がシックリ来る場合もある。だからYUKAちゃんが英語で書ける、英語で歌えるのはmoumoonとしてはすごくありがたいというか、いい面ですよね。どっちも選べるというのは。

YUKA:でも本当は、生粋の、日本語だけで出来た歌で、本当にいい歌だというものを目指してるんですけどね。

柾:そう、それはもう起源がどうとかというレベルを超えて、歌としていいなというもの。

YUKA:そういう曲って、今までは割りとひっそりとしたところに鎮座していて。ライブでこそっと出て来るみたいなポジションにいるんです(笑)。

柾:実はいっぱいあるんですよ。

YUKA:こういう曲(「Hello,shooting-star」「BF」)とかは、大きく手を振って“私を見て!”と言ってるタイプの曲たちだと思うんです。それとは別に、しっかりと言葉が伝わって、沁みて来て……小説が大好きでよく読むんですけど、“こんなに沁み込んで来る言葉って一体どこから来るんだろう?”とか、そういうことが1曲の中で、日本語だけで表現できるのが素敵だなと思うし。こうやってぐちゃっと混ぜるのを得意とする反面、“やっぱりmoumoonの日本語の歌はいいねえ”って言われるようにもなりたいと思っているんです。

──たとえば、今までの中で、その理想に一番近づいた曲というと?

YUKA:えっと……。

──こそっと教えてください(笑)。

YUKA:コーラス的に英語は入って来るんですけど、「うつくしい人」とか、「どこへも行かないよ」とか。「どこへも行かないよ」は、「Hello,shooting-star」の質感に似ていると言われることもあるんです、友達とかに。柔らかそうなんだけど深すぎて怖いみたいなことを言われて、そんに怖くないはずなんだけどなって(笑)。

柾:僕は「青い月とアンビバレンスな愛」。あの曲は日本語ですごく深いところまで表現できている気がします。

YUKA:でも、あれも怖いって言われる(笑)。怖いじゃないか、暗いって言われることがある。自分ではそう思ってないんですけど、そういう曲ですね。でも、どれも好きなんですよ。

──これから、moumoonの新曲を聴く時には聴き方が変わるかもしれない。このサビを日本語にするか英語にするか、二人はきっと悩んだに違いないとか(笑)。

YUKA:毎回悩んでいます(笑)。

柾:なんでこんなにいっぱい悩むんだろうね。さらっと作れないもんかねっていつも思うんだけど。

YUKA:そうだね。なんでこんなに悩むんだろう(笑)。

柾:なんでこんなに時間がかかって、止まってるんだろう?とか。すんなり行くことが珍しい。特にシングルだといつも大変だよね。

──さて。2015年はこれから、どんな活動を?

YUKA:リリースのあとにライブがあります。

柾:“OFUTARISAMA”(お二人様)というタイトルで、二人でツアーに行こうと。

──ということは、ステージ上は二人だけ?

柾:そうです。

──なぜ今それをやろうと?

YUKA:今までは年に一度ツアーをやって、中秋の名月(「FULL MOON LIVE」)をやって、というやり方をしてたんですが。今回は年に2回、春と秋に分けてツアーをしようという話になって。一回目はせっかくだから二人でやってみようかと。

柾:ずっと、二人でちゃんとライブができないといけない気がしていたんですよ。出せる音は限られて来るんですが、ちゃんとステージが成立して、見てもらって、良かったなと思ってもらえるライブを作るようにする!と思って、二人でやろうと思ったんです。

YUKA:バンドでやるのも好きなんだけど。

柾:今回はアルバム・ツアーじゃないというのもあって、選曲も自由に。二人だからもっとフレキシブルに出来ることもあると思うし、曲を全然変えることもできるし、まだちょっと企み中です。それもやりつつ、アメリカのSXSWと、イギリスのTHE GREAT ESCAPE。あとは、パリとリヨンでワンマンライブをやります。

──いきなり多いですね。日本ツアーあり、海外公演あり。

柾:2015年は多いです。

YUKA:ツアーに出る前にシングルが出て、そのあとに去年中野サンプラザで行った『FULLMOON LIVE SPECIAL 2014~中秋の名月~ 』のDVDとBlu-rayが出るので。それを見てもらいつつ、気持ちを高めてもらって。ぜひライブに来てほしいです。

──今回はアニメのエンディング曲なので、これまでと違った層の人も入ってくるだろうし。いいきっかけになりますよきっと。

YUKA:アニメの曲って、いいですよね。大人になっても忘れないから。

柾:そっか。アニメの思い出って、ドラマとかとはまた違うかもしれない。

YUKA:私はずっと『らんま1/2』の曲を忘れられなくて。今回も歌詞を書きながら、合間にYouTubeで聴きながら、いい曲だなーって思っていました(笑)。アニメの曲をよく聴き直すんですよ。私がちっちゃかった頃に見た『おねがい!サミアどん』の曲とか。

柾:何それ? さみあどん?

YUKA:サミアどん、知らないですか? サミアドっていう砂の妖精が出てくるサミアどん。たぶんすごくマイナーなんですけど(笑)。あらゆる好きになるものがマイナーすぎて、わかってもらえないことが多いんです(笑)。『らんま1/2』はメジャーですけどね。すごくいい曲なんですよ。

柾:どんな曲だっけ。

YUKA:(歌う)やっぱっぱー、やっぱっぱー、いーしゃんてん、ですよ。ちゃんと聴いてみてください(笑)。

──今回も子供の心に刷り込みを狙いましょうか(笑)。

YUKA:そうですね(笑)。アニメの曲って、本当にすごいなと思います。

取材・文●宮本英夫



「Hello,shooting-star」

2015-02-25発売
AVCD-83120/B CD+DVD
CD
01.Hello,shooting-star
02.BF
03.Hello,shooting-star(instrumental)
04.BF(instrumental)
DVD
01.Hello,shooting-star(Video Clip)

ライブ・イベント情報

<moumoon FULLMOON LIVE TOUR 2015 SPRING~OFUTARISAMA~>
2015-03-28 (土)【福岡】IMSホール
[問]BEA:092-712-4221
2015-03-29 (日)【愛知】E.L.L
[問]サンデーフォークプロモーション:052-320-9100
2015-04-18 (土)【大阪】umeda AKASO
[問]キョードーインフォメーション:06-7732-8888
2015-04-25 (土)【北海道】札幌cube garden
[問]マウントアライブ:011-211-5600
2015-05-09 (土)追加公演【Lyon,France】La Marquise
2015-05-10 (日)追加公演【Paris,France】La Boule Noire
2015-05-24 (日)【東京】AKASAKA BLITZ
[問]HOT STUFF PROMOTION:03-5720-9999


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