【ライヴレポート】LUNA SEA、5人+5,000人で楽しみ尽くした一夜に「未来はネガティブなもんじゃない」
LUNA SEAの全国ツアー<LUNA SEA 25 th ANNIVERSARY TOUR THE LUNATIC-A Liberated Will->もいよいよ終盤戦を迎えるなか、2月28日と3月1日に東京国際フォーラム ホールAで東京公演が行なわれた。
◆<LUNA SEA 25 th ANNIVERSARY TOUR THE LUNATIC-A Liberated Will-> 東京国際フォーラム ライブ画像
3月1日。東京公演2日目となったこの日は、最新アルバム『A WILL』の楽曲で幕を開けるのかと思いきや、いきなり攻めの「Dejavu」で、Jがステージ前方に飛び出して煽り、下手でSUGIZOとINORANが向かい合ってギターを弾き、のっけから視覚におさまりきらないアグレッシブなステージングで会場に火をつけた。続いて、さらに熱気を上昇させる「PRECIOUS…」が放たれ、シンガロングが国際フォーラムに響きわたった。
RYUICHI |
RYUICHIが煽り、1995年にオリコン1位を獲得したシングル「DESIRE」から、ライヴのキラーチューン「JESUS」へと。JのベースソロからSUGIZOのギターソロへと移行する展開に大歓声が上がり、RYUICHIとJが歌うコーラスパートも今のLUNA SEAならではの太さ全開。終幕前の彼らのライヴに欠かせなかった楽曲たちがたて続けに演奏されるセットリストに驚いていると、ステージにスモークがたかれ、名盤『MOTHER』収録曲で当時のツアーでも頻繁に演奏されていた重厚かつグルーヴィーなナンバー「FACE TO FACE」のイントロが鳴らされた。“ウオーッ”という驚きと喜びの声がフォーラムを揺らす。予測不可能な展開の今回のツアーで何度か演奏された楽曲ではあるが、初日に演奏された「RAIN」といい、LUNA SEAのライヴに心奪われた人たちのツボを突く選曲が非常に心にくい。
「もう出会ってから25年もたつから、ビックリだよね。当時、町田のプレイハウスで5人でやっていこうと思ったときから、“俺たち絶対にイケる!”、“絶対いちばんになれるはずだ!”って。あの頃のエネルギーは凄まじかったけど、まわりの人には全然、理解されなかった」とRYUICHIが懐かしい過去を振り返り、「俺たちの25年後はどうしようか。そういうことも考えたほうがいいよね。じゃあ、25年後にはみなさんを月にご招待!」と沸かせる場面も。こんなRYUICHIの冗談混じりのトークからも、今のLUNA SEAが未来に焦点を合わせていることが伝わってくる。
SUGIZO |
LUNA SEAのディープな世界にひきこまれるセクションでは、SUGIZOがヴァイオリンに持ち替え、途中からINORANのアコースティックギターが加わっていく本ツアー恒例のジャムセッションも――。繊細で伸びやかな旋律とオーガニックなサウンドが聴く人それぞれの心の中に情景を描き出し、後半で真矢のドラムが加わり、集中力のカタマリのような圧巻のドラムソロへと。そして、5人が再びステージに集結して演奏したナンバーは本ツアー初披露で終幕前ラストアルバム『LUNACY』に収録されている希望に満ちたナンバー「Be Awake」だった。SUGIZOとINORANが背中合わせでギターを弾く場面も飛び出し、躍動感たっぷりのアクトにひときわ高い歓声が上がった。
「ホールツアー最後の夜ですから、今日は見たことがない景色を見たいと思います。すべて忘れて溶け合いましょう。どれぐらい溶けるかっていうと2度と離れられなくなるぐらい」。
INORAN |
オーディエンスの中には久しぶりにLUNA SEAのライヴを見た人もいると思うが、今の彼らはいい意味で過去最強に自由度が高い。先述したセットリストもフレキシブルになっているし、ヴォーカルも演奏もMCもかつてないほどに解き放たれている。そして、全員が全員をリスペクトし合っているからこそ生まれる今のLUNA SEAのライヴはもはや、カテゴリーで語ることが無意味だと思われるほど突き抜けまくっている。本編は匂いたつような情感のあるバンドの“今”が五感で感じられる「absorb」で終了した。
J |
「イヤだな。終わっちゃうの。じゃあ、みんなでここに住民票移そうか」とRYUICHIがまたもやジョークを飛ばし、「ツアーでもらったたくさんの幕を集めて、いつか、みんなでお酒でも飲みますよ」と感謝の言葉を述べた。
アンコール1曲目はINORANがセンターに立ち、おなじみのカッティングに大歓声が起こった「TONIGHT」で、INORANがスロープから下手の客席に降りて、煽るという振り切れたアクトが繰り広げらる。銀テープが舞った「WISH」では、SUGIZOとJが二手に分かれて煽りまくり、真矢のすぐ横でINORANがギターを弾きながらシンバルを叩くやんちゃなパフォーマンスも。東京ファイナルを5,000人+5人が楽しみ尽くす。
真矢 |
ラストナンバーは天井のミラーボールが紫から青、銀と色を変えていく演出の中、演奏された至福の「Grace 」。すべての演奏が終わり、楽器をおろしても彼らを求める声は大きくなる一方で、5人が集結して相談した結果、最後の最後に「Anthem of Light」が届けられた。アンコールの開放感と充たされた空気の中、贈られた「Anthem of Light」ではメンバーもオーディエンスもジャンプ。オープニングで聴くヴァージョンとは違った新鮮な表情を見せてくれた。
アンコールを含めて全18曲。全員で“せーの”のジャンプをし終わったあと、RYUICHIが口を開いた。
「LUNA SEAは3月14日、ファイナルの大阪城ホールでその足取りを1度、止めます。だけど、俺たちが考えている未来はそんなにネガティブなもんじゃないから。きっと、その未来を大阪でみんなに発表できると思います。みんな、楽しみに待ってて」
止まるという発言に1度は動揺したオーディエンスから惜しみない拍手と歓声が注がれた。
INORANは「東京! ホントに素敵な時間をどうもありがとう。また必ず会おうな」と挨拶。Jは「東京!また騒ごうぜ!Good Night!」と叫んで去り、真矢は「オマエら、ホントにメンバーだから。愛してるよ! Good Bye!」と笑顔。最後に残ったSUGIZOは拍手の中、深々と頭を下げ、手を振り、名残惜しそうにステージを去った。
ファイナルの大阪城ホールでLUNA SEAが発表する新たな未来――。それは想像を超えたものになりそうな気がする。
Text by 山本弘子
<LUNA SEA 25th ANNIVERSARY TOUR THE LUNATIC -A Liberated Will->
2015年3月1日(日)東京国際フォーラム セットリスト
2.Preciou…
3.DESIRE
4.JESUS
5.FACE TO FACE
6.乱
7.gravity
8.SANDY TIME
9.Violin & AG Jam
Dr Solo
10.Be Awake
11.Metamorphosis ~ Bass Solo
12.STORM
13.ROSIER
14.Absorb
EN1.TONIGHT
EN2.WISH
EN3.Grace
EN4.Anthem of Light
<LUNA SEA 25th ANNIVERSARY LIVE TOUR THE LUNATIC -A Liberated Will- FINAL>
開場16:30 開演17:30
チケット料金:前売¥9,500(税込)
※3歳以上有料
■バックスタンドシート 各プレイガイドにて発売開始!
イープラス
http://eplus.jp/lsoj/
チケットぴあ
http://pia.jp/t/lunasea-k/
ローソンチケット
http://l-tike.com/lunasea-osaka/
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