ポール・マッカートニー「その瞬間こそがビートルズの始まりだった」

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土曜日(4月18日)、米オハイオ州クリーブランドにあるロックの殿堂博物館で、2015年度のロックの殿堂入りセレモニーが開かれた。

◆リンゴ・スター&ポール・マッカートニー画像

今年は、ビル・ウィザーズ、ルー・リード、ポール・バターフィールド・ブルース・バンド、グリーン・デイ、スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブル、ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ、The “5” Royales、リンゴ・スターが殿堂入りした。

“The Award For Musical Excellence”のカテゴリーで殿堂入りしたリンゴ・スターを、ザ・ビートルズの元バンド・メイト、ポール・マッカートニーはこう紹介した。

「オーケー、リバプールで誕生したリンゴ・スターは、幼いころ、豊かとは言えない子供時代を過ごした。本当に困難な幼少期だった。しかし、彼には美しい母親エルシーと優しい継父ハリーがいた。2人とも本当に寛大な心の持ち主で、美しい人たちだった。そして音楽を愛していた。この困難な子供時代のある時点で、リンゴはドラムを手にした。リンゴがドラムを手に入れたんだ! そう、彼はドラマーになった」

「その後、彼はローリー&ザ・ハリケーンズに加入した。僕らはハンブルグでプレイしているとき、彼らに出会った。リンゴはプロのミュージシャンみたいだった。僕らはただ、ふざけ回ってプレイしていただけだが、彼は髭を生やしていた。それってプロフェッショナルだ。スーツを着ていた。すごくプロフェッショナルだ。そして、彼はいつもバーでバーボン&セブンを飲んでいた。そんな人、見たことなかった。大人のミュージシャンって感じだった」

「とにかく、僕らは彼と友達になった。彼はよく、遅い時間、僕らがプレイしているの見に来て、曲をリクエストしていた。それで知り合いになったんだ。そしてある晩、当時の僕らのドラマー、ピート・ベストの都合がつかず、リンゴが代わりを務めた。その時のこと、覚えている。ピートは素晴らしかったし、僕らは一緒に楽しい時間を過ごした。でも、僕とジョン、ジョージはフロントに立ち、それまで一緒にプレイしたことがない男性をバックに歌うことになって…。彼がプレイし始めたときのこと、覚えている。レイ・チャールズの「What’d I Say」だったと思う。ほとんどのドラマーは、この曲のドラム・パートを上手くプレイできなかった。ちょっと難しいんだ。でも、リンゴはそれを物ともしなかった。ああ、リンゴは完璧だった! そのときのこと、覚えているよ。ジョンを見てジョージを見たら、2人とも“ちきしょう、何なんだ?”って顔してた。そして、その瞬間こそがビートルズの始まりだった」

それからいつも一緒だったという4人は、UK、ヨーロッパに続きアメリカへ進出。「そして、とうとう『Ed Sullivan Show』に出て、僕らは本当に有名になった。ビューティフルなことだった。他のドラマーはみんな、彼は何かとてもスペシャルだって言う。他のバンドはプレイするとき、ドラマーに目を向ける。彼はスピード・アップするのか、スロー・ダウンするのかって。リンゴが後ろでプレイしているとき、彼のことを見る必要はない。今夜、ここクリーブランドで彼のロックの殿堂入りを紹介できるのは、僕のとってとても光栄だ」

リンゴ・スターはその後、グリーン・デイのメンバーと「Boys」を、義弟ジョー・ウォルシュと「It Don’t Come Easy」をプレイ。さらにポール・マッカートニーやジョーン・ジェット、ジョン・レジェンド、スティーヴィー・ワンダー、デイヴ・グロール、トム・モレロ、パティ・スミスなどが加わり、オール・スターでWith A Little Help From My Friends」「I Wanna Be Your Man」をパフォーマンスした。

Ako Suzuki
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