「ニコニコ超会議2015」に魅力満載の楽器関連が展示、TASCAM、Rolandがブース出展、ボーカロイドキーボード最新版や「初音ミク 超会議展」も

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4月25日・26日に行われた「ニコニコ超会議2015」。あらゆるジャンルを網羅したユーザー主体の超巨大イベントには、アーティストのライブなど音楽関連のイベントも多かったが、楽器・音楽制作関連の展示も多くの来場者の注目を集めた。本稿ではその展示内容をレポートする。

HALL 1、2、3の企業ブースにはTASCAMが「誰でも超作曲大作戦 by TASCAM」、ローランドが「“超”Rolandシンセサイザーブース」と題して出展。新製品・人気製品を多数並べる楽器関連のイベントと異なり、これから楽器や音楽制作を始めたいという人に的を絞った展示内容が印象的。いずれも多くの来場者を集めていた。また、VOCALOID関連では「超ボーカロイドエリア」が今年も登場、ライブ・ステージは大きな盛り上がりを見せた。


▲「誰でも超作曲大作戦 by TASCAM」のブースでは、「歌ってみた スタートアイテム!」として、オーディオインターフェイス「US-366」やマイク、ヘッドホン、DAWソフト「SONAR」をインストールしたパソコンを用意。ギターやベースなども用意され、その場でレコーディングを試すことができるスペースは順番待ちの行列ができるほどの大人気。人気ミュージカル『幕末ロック』の劇中で使用されたギブソンレスポールの展示も。


▲こちらは「“超”Rolandシンセサイザーブース」。アナログ/デジタルシンセ音源搭載の触って楽しい最新シンセサイザー「JD-Xi」「JD-XA」を中心に展示をしたローランドのブース。デモではニコニコ動画で人気を集めるバンドHoneyWorksのピアノ・キーボード担当の宇都圭輝さんと歌い手さんがコラボ。ミュージックワークステーション「FA-08」で、バンド編成の曲をリアルタイムレコーディング。ドラム、ベース、鍵盤、ギターなどのパートを次々と重ね、最後にはボーカルとともにライブ。「JD-Xi」のボコーダーやトリッキーなサウンドも交えた演奏には、ブースを囲む人垣からは大きな拍手が。


▲ボーカロイドの人気キャラクターのパネルが来場者を迎える「超ボーカロイドエリア」(左)。パネルの上の天井には特殊な音響特性を持つヤマハのTLFスピーカーが組み込まれていた。クリプトン・フューチャー・メディアは、「初音ミク 超会議展」と題して、世界への創作の広がりを紹介。等身大フィギュアの展示や海外イベントの映像を公開(右)。


▲クリプトン・フューチャー・メディアはボーカロイドの体験コーナーも展開。これからボーカロイドを始めたいという人にはうれしい展示内容。話題の初音ミクデザインのミキサー「AG03-MIKU」も触れるようになっていた(右)。

■ショルキー型のボーカロイドキーボードが登場

ボーカロイド関連では、ヤマハのVOCALOIDを演奏できるキーボード「VOCALOID Keyboard」が超まるなげひろばニコニコ学会βシンポジウムのエリアで展示されていた。「VOCALOID Keyboard」はこれまで多くのイベントで展示されてきたが、歌詞を同時に入力する必要があるなど、演奏は非常に難しかった。しかし、最新バージョンでは、歌詞はあらかじめiPhoneから無線で送り込み、鍵盤では音階のみを演奏するという仕様に変更。演奏の難易度は格段に下がっている。形状も一般的なキーボードタイプからショルダーキーボード(ショルキー)タイプに変更。左手部分にはピッチベンド(ギターでいうチョーキング)用のリボンコントローラーや、発音させる歌詞を前後させるスイッチが、鍵盤側にはボリュームや各種パラメーターを調整するためのノブが用意されている。内蔵チップはポケット・ミクなどに使われているNSX-1よりもかなり進化したもので、処理速度や表現力は大幅に向上しているという。


▲「ボーカロイドファンに新たなボーカロイド体験を提供する」と紹介されていた「VOCALOID Keyboard」(左)。歌詞も表示され、発音位置もしっかり把握できるようになっている(中)。JOYSOUNDブースには別デザインのモデルも(右)。


▲「VOCALOID Keyboard」はJOYSOUNDのブースにも展示。声を出す楽器ということで、カラオケとも相性がいいのではないかということで出展が決まったとか。カラーはホワイト、ブラック、ピンクの3色を用意。ピンクは内蔵ライブラリVY1のイメージカラーに合わせて選択された。デザインはニコニコ学会のブースにあったものよりも洗練され、完成度が高い仕上がりだが、残念ながら発売の予定などはないとのこと。ぜひ、カラオケで一緒に演奏してみたいものだ。

■ユーザー手作りの電子楽器も

企画・準備・運営すべてをユーザーに丸投げした「まるなげひろば」の一角には、ニコニコ動画「やってみた」カテゴリで活動している人達のための同人展示&即売会「ニコつく」のエリアが設けられ、今年もユーザーによる自作楽器が集まった。


▲エリア内にはライブが行われるステージも。写真左はボーカロイド音源LSI内蔵の製品(eVY1シールド/モジュール、ポケット・ミクなど)を使用した自作楽器による演奏。写真中は同ライブ出演者によるポケット・ミクを分解して使用した歌う楽器ショルキーボカロン。スピーカーやリアルタイムに歌詞入力を行う機能も搭載。腕時計タイプのワイヤレスMIDIコントローラーも(右)。


▲eVY1チップや各種センサーを組み込んだ、ニコニコ動画でおなじみの「あの楽器」っぽい歌う楽器(左)。触るとグラフィックが表示されるタッチパネルで演奏する。写真右はピックアップ+スピーカー内蔵ウクレレにさらにeVY1を組み込み、指板上のスイッチでボーカロイドに歌わせることもできるハイブリッドなウクレレ。


▲GM音源やArduinoを組み込んだ「あの楽器wolf.ver」とeVY1モジュールを組み込み、七色に光るタッチパッドで演奏できる「ボカロシンセパッド」(左、中)。写真右はリコーダーを吹くとLEDがぴこぴこ光るリコーダー用チューナー「どれみ判定ましーん」。

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