【ライブレポート】ポール・マッカートニー@武道館、歴史的瞬間の数々

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途中のMCでは、「この中で、1966年のビートルズの武道館公演を観た人はいるかな?」と語りかけた。また、最新アルバムからの「NEW」のタイトル曲で、演奏が終わったあとにサビ部分をもう一度演奏して観客と一緒に歌うのを楽しんだり、「ブラックバード」の演奏前には場内の客電を少し明るくし、ステージ真後ろの見切れ席を除きびっしりと埋めつくされた客席を見渡すといった、ドーム公演にはなかった一幕も。

「イッショニ ウタオウヨ!」という日本語MCとともに演奏された「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」以降はますます盛り上がらずにはいられない鉄板の流れ。さらに、「レット・イット・ビー」と「ヘイ・ジュード」では、観客全員がリストバンド式のライトを揺らし、場内が光で埋めつくされるという美しい光景が。これにはポールも大感激で「みんな最高だよ!」と興奮して語った。

本編終了時点で25曲を演奏。だが、もちろん客席からはアンコールを求める大歓声が巻き起こる。ほどなくステージに戻ったポールは、「ブドウカン! ブドウカン!」と観客とのコール&レスポンスを楽しんだ。そして演奏したのは、1966年のビートルズ日本武道館公演でも歌った「イエスタデイ」。ポピュラー音楽史を代表する珠玉の名曲が、約半世紀という時を超えて同じロックの殿堂で再び歌われるという“歴史的瞬間”が実現した。

続く「バースデイ」では、観客全員がポール主催のバースデイ・パーティーに招待されたような盛り上がりっぷり。そしてアンコール最後は、もちろんメドレーの「ゴールデン・スランバー~キャリー・ザット・ウェイト~ジ・エンド」。再び場内がライトで埋めつくされる。演奏がすべて終わると、ポールは「みんなビューティフルだよ、武道館! マタアイマショウ! マタネ! See you next time!」と言ってステージを去った。

明るくなった客席を見渡すと、興奮冷めやらない様子の観客の姿が。そしてなにより場内がとびきりの笑顔であふれていた。2時間20分にわたって日本武道館をロックしまくったポール。この日の公演は、1966年のビートルズ公演同様、後世まで語り継がれることだろう。

写真:(C)堀田芳香

<アウト・ゼアー ジャパン・ツアー2015 4月28日@日本武道館>

1.キャント・バイ・ミー・ラヴ(ビートルズ)
2.セイヴ・アス(ソロ / 最新アルバム『NEW』より)
3.オール・マイ・ラヴィング(ビートルズ)
4.ワン・アフター・909(ビートルズ)●
5.レット・ミー・ロール・イット(ウイングス)
6.ペイパーバック・ライター(ビートルズ)★
7.マイ・ヴァレンタイン(ソロ)
8.1985年(ウイングス)
9.恋することのもどかしさ(ソロ)
10.夢の人(ビートルズ)
11.アナザー・デイ(ソロ)
12.ダンス・トゥナイト(ソロ)●
13.恋を抱きしめよう(ビートルズ)
14.アンド・アイ・ラヴ・ハー(ビートルズ)
15.ブラックバード(ビートルズ)
16.NEW(ソロ / 最新アルバム『NEW』より)
17.レディ・マドンナ(ビートルズ)
18.アナザー・ガール(ビートルズ)●
19.ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ(ビートルズ)●
20.ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト(ビートルズ)
21. オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ(ビートルズ)
22.バック・イン・ザ・U.S.S.R.(ビートルズ)
23.レット・イット・ビー(ビートルズ)
24.007死ぬのは奴らだ(ウイングス)
25.ヘイ・ジュード(ビートルズ)
アンコール
26.イエスタデイ(ビートルズ)★
27.バースデイ(ビートルズ)●
28.ゴールデン・スランバー~キャリー・ザット・ウェイト~ジ・エンド(ビートルズ)
● 今回の来日公演では初披露となった曲
★ 1966年のザ・ビートルズの日本武道館公演でも披露された曲

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◆ポール・マッカートニー・オフィシャルサイト
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