浜田省吾、ラジオへの思い、音楽への想いを語る
浜田はその後、40年前の1975年に初めて自分が作った曲がラジオから流れたときのエピソードを披露。「“AIDO”っていうバンド時代、4畳半の小さなアパートに住んでいて、これからデビューするという時期だったので、ラジオから自分達の音楽が流れるかもしれないと思って、ずっと聴いていたんです。そうしたらちょうど今頃の時期、4月の後半に、寝ながらラジオを聴いていたら流れてきて。パッと起きて正座して聴きましたね。それがオールナイトニッポンだったんです。(中略)あらゆるミュージシャンがそうだと思うけれど、自分が作った最初のシングルがラジオから流れる時はみんな大喜びするし、すごく緊張もする。神聖な時間ですね」と語り、1曲目のナンバーとしてAIDOのデビュー曲「二人の夏」をリスナーに届けた。当時はドラマーとして活動していた浜田だが、その瑞々しい演奏からは、日本のロックシーンの萌芽がたしかに感じられた。
その後、番組では浜田にとって10年ぶりとなるオリジナル・アルバム『Journey of a Songwriter』を紹介。浜田はこの10年オリジナル・アルバムを出さなかった理由について「音楽環境がすごく変わっていった10年で、配信なども始まり、リスナーが曲の単位でプレイリストを作っていく時代になってきた。だからこそ、パッケージにして残しておきたい曲が何曲かあって。いまやるべきこととして、ライブアルバムやベストアルバムを作る10年になった」と説明。さらに、リスニング環境が変わることに対して、ミュージシャンが自ら働きかけることはできないとしつつ、「作っている立場としては、アルバムやパッケージというのはすごく大切なもので、このことは全世界のミュージシャンが同じことを言っている」と、アルバムに対する特別な思いを明かし、『Journey of a Songwriter』のタイトル曲「旅するソングライター」をオンエアした。成熟したサウンドながらも今なおフレッシュさを感じさせる楽曲で、1曲目「二人の夏」から40年の月日が経っても、音楽的探究心を失わないミュージシャン・浜田省吾の姿勢が伺える作品だ。
番組中盤では、山口が「もうひとつの土曜日」の1フレーズをモノマネし、浜田から「上手い」と賞賛される一幕も。山口は「電波で浜田さんのモノマネ披露するの初めてですよ」と謙遜したが、浜田は「これからはギターも弾いてください」と勧め、さらに「矢沢永吉さん、大友康平さん、氷室京介さんとか上手いんだろうなって想像がつく」と、山口のモノマネを称した。
そのほか、アルバム収録曲より、華やかな曲調の「Happy Birthday Song」や、ボコーダー的なヴォーカルエフェクトなども取り入れた意欲的なダンスミュージック「夜はこれから」、しっとりとムーディーに聴かせるスローナンバー「美しい一夜」などがオンエアされた今回の放送。ライブに向かう際の心境や、山口が行っている歌手活動についてもじっくりと語り合い、初対面にも関わらず、番組終了時には二人の間に友情が芽生えたようで、今後音楽を通じた新たな交流もあるのではないかと、期待せずにはいられない幕引きとなった。
なお、浜田は『Journey of a Songwriter』を提げた全国ツアー「SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2015 “Journey of a Songwriter”」を、9月14日の神奈川・よこすか芸術劇場を皮切りに開催。アルバム収録の全曲を披露するツアーとなるとのことだ。
文:松下博夫
ニッポン放送「浜田省吾と山口智充のオールナイトニッポンGOLD」
5月1日22:00-24:00放送:http://www.allnightnippon.com/gold/45/
浜田省吾「Journey of a Songwriter ~ 旅するソングライター」
完全生産限定盤 CD + 特典CD + 特典映像(Blu-ray DiscまたはDVD) 7,000円+税
特典映像Blu-ray版/SECL2016-2018 特典映像DVD版/品番:SECL2019-2021
※三方背スペシャルBOX仕様
期間生産限定盤 CD + 特典CD 4,500円+税 / SECL2022-2023
通常盤 CD 3,000円+税 / SECL2024
完全生産限定アナログ盤 重量盤LP2枚組 4,000円+税 / SEJL25-26
※収録内容はCD通常盤と共通
AIDO「AIDO Complete Collection」
完全生産限定盤 CD2枚組 4,000円+税 / SECL1689-1690
※メジャーデビュー40周年記念7インチW紙ジャケット仕様
http://www.sonymusic.co.jp/artist/Aido/
※浜田省吾が1975年のデビュー当時ドラマーとして在籍していたバンド、AIDOのコンプリート・コレクション。1975年5月1日発売の1st「AIDO」と、浜田省吾脱退後の1976年にリリースされた2nd「LOVE IN CITY」の2枚のアルバムに、ボーナストラックとしてアルバム未収録の「恋の西武新宿線」シングルバージョンと、シングルB面曲「旅立ちの朝」を収録し、AIDOとしてリリースされた全ての音源を網羅した全25トラック。オリジナルのアナログマスターテープから起こしたデジタルリマスター版。7インチW紙ジャケットの中面には、初公開のものを含む貴重な当時のメンバーの写真も使用、70年代の日本の音楽シーンを解説した、増渕英紀によるライナーノーツ付。
◆浜田省吾オフィシャルサイト
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