【インタビュー前編】バトル・ビースト、メイン・ソングライター脱退の危機

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──バンドのメイン・ソングライターだったアントンが離脱したことは、大きな痛手ではないでしょうか?

ノーラ・ロウヒモ:アントンはファースト・アルバムの頃から曲を書いてきたし、彼が脱退したのは、バンドが始まって以来の大きな変化ね。特に『アンホーリー・セイヴィアー』はこれまで以上にアントンの世界観を描いたアルバムだった。彼の魂の旅路についてのコンセプト・アルバムといえるかも知れない。もちろん『アンホーリー・セイヴィアー』での自分のヴォーカルは誇りにしているけど、アントンは自分の殻に閉じこもって、他のメンバーからのインプットを拒絶していた。彼が柔軟に周囲のアイディアに耳を傾けていたら、アルバムはより良くなったと思う。

──アントンの脱退後すぐ、2015年3月にフィンランドとロシアで短期ツアーを行いましたが、ファンからの反応はどんなものでしたか?

ノーラ・ロウヒモ:すごい盛り上がりだった。バトル・ビーストを続けていく選択が正しいものだという気持ちを新たにしたわ。ヘルシンキのショーでは、私の前任者のシンガーだったニッテ(・ヴァロ)がステージに上がって、共演することができたのよ。ニッテと私では歌い方もトーンも異なっている。彼女の方がダークな声をしていて、私の方がブライトな感じかな。ニッテは私より年上だから、年季が入った低音の魅力があるのかもね。いつかバトル・ビーストでデュエットをやってもいいんじゃないかと思う。

──ニッテは2012年にバトル・ビーストを脱退しましたが、メンバー達は連絡を取り合ってきたのですか?

ノーラ・ロウヒモ:ニッテがバトル・ビーストを脱退した理由は“家族の事情”と発表されたけど、やっぱりアントンと人間的・音楽的に合わないことがあった。彼女はしばらく他のメンバーとも疎遠になっていたけど、今回の事件をきっかけに、また連絡するようになった。私も彼女と話して、親しくなることができたわ。ニッテのおかげで、自分たちが間違っていなかったことがわかって安心した。彼女はバーニング・ポイントというバンドで歌っていて、相変わらず素晴らしい声をしているわ。

──今後、バンドは新しいギタリストを加えて活動を続けるのでしょうか?

ノーラ・ロウヒモ:今回のジャパン・ツアーではヤンネ(・ビョルクロート/キーボード)の弟のヨーナがギターを弾いているのよ。彼はフォー・ジ・インペリウムというバンドのメンバーでもある。素晴らしいバンドだから、ぜひ聴いてみるべきよ。彼はバック・ヴォーカルも取れるし、人間的にも信頼できるわ。ヨーナのスケジュールが合わないときは、オッシ・マリストに参加してもらっている。彼はフィンランドのヤンナっていう女性アーティストのバックでやっているけど、セッション・ミュージシャンという感じではなく。ユニークなスタイルを持ったギタリストよ。彼らのどちらかが“正式メンバー”になるかは、まだわからない。実力的には文句のつけようがないし、人間的にも良好な関係だけど、バンドとして新しいものを生み出していけるかどうか、もう少し時間をかけて決めようと思う。それにスケジュールの問題もあるからね。別のバンドと掛け持ちするのは構わないけど、バトル・ビーストにも全力投球してもらうわ。

後編ではノーラに、今後のバトル・ビーストの音楽性とニュー・アルバムについて語ってもらおう。

取材・文/山崎智之
Photo by Mikio Ariga


『アンホーリー・セイヴィアー』バトル・ビースト

通販限定CD+Tシャツ+直筆サイン入りブックレット付き ¥5,000+税
通販限定CD+Tシャツ ¥4,000+税
通常盤CD ¥2,500+税
1.ライオンハート
2.アンホーリー・セイヴィアー
3.アイ・ウォント・ザ・ワールド…アンド・エヴリシング・イン・イット
4.マッドネス
5.シー・オブ・ドリームス
6.スピード・アンド・デンジャー
7.タッチ・イン・ザ・ナイト
8.ザ・ブラック・ソーズマン
9.ヒーローズ・クエスト
10.ファー・ファー・アウェイ
11.エンジェル・クライ
12.プッシュ・イット・トゥ・ザ・リミット(ボーナストラック)
13.ワイルド・チャイルド(日本限定ボーナストラック)

◆バトル・ビースト『アンホーリー・セイヴィアー』オフィシャルサイト
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