【インタビュー】flumpool、『FOUR ROOMS』に「1本の大きな木を植えて新しい根を」

■こういう作品を出そうと思ったのは偶然ではなくて
■バンドの流れで必然的に生まれたもの

──ふふふ。さっき故郷の話をしてくれましたけど、3曲目の「MY HOME TOWN」もめざましテレビのデイリーテーマソング「大好きだった」も地元を意識しているんですか？

山村：「MY HOME TOWN」は故郷のことを書こうと思って、地元に帰ってよく遊んでいた場所や駅前を歩いてみたんですね。でも、「ああ、懐かしいな。どんどんフレーズが出てくる」という気持ちにはなれなくて、むしろ東京のことばっかり考えている自分に気付いたんです。と同時にやっぱり故郷ってどんな状態であってもちゃんと自分を包みこんでくれる大事な場所だなって。そういう想いになったときにできた歌詞です。「大好きだった」だけはコンセプトディスクの話が出る前からあった曲で、合わなかったら違う曲にしようと思っていたんですけど、そんなことはなかったんですね。こういう作品を出そうと思ったのは偶然ではなくてバンドの流れで必然的に生まれたものだったのかなと思いました。

──4つのピースがぴったりハマったんですね。それと初回限定盤のボーナストラックには阪井さんと山村さんが中学生時代に家で作っていたというラジオ番組『FM SAKAI』の現在版「FM SAKAI～リターンズ～」が収録されてるんですよね？

山村：あ、その話は大丈夫です！（笑）。

──そんなこと言わずに教えてください（笑）。

阪井：中学生のとき、ラジオに憧れて隆太と2人でラジオ番組ごっこしてたんです。『FM SAKAI』っていうタイトルでラジカセで録音して。

山村：これ、コンセプトディスクに入れなくてもよかったんじゃない？（笑）。

阪井：いやでも、『FM KAMEDA』（J-WAVEの亀田誠治氏の番組）だって、亀田さんが小～中学校のときに自分で作っていたラジオ番組が、夢叶ってホントに番組になったんだから。

尼川：それはホントにできたパターンでしょ（笑）。

阪井：『FM KAMEDA』だって序章に過ぎないです。

山村：実際、大阪の堺市に『FM SAKAI』ってラジオ局があったんですよ。最近、終わっちゃったけど。

小倉：じゃあ、引き継いだら？（笑）。

阪井：みんなで毎週、堺市に行って？

尼川：なんで俺らも？

小倉：オマエの看板番組なんだからひとりでやれよ（笑）。

尼川：まぁ、「FM SAKAI～リターンズ～」は聴く価値ないです（笑）。

阪井：あるよ！　昔から曲も作ってたし。たまにオカンの声が入っちゃったりしたけど（笑）。

山村：当時はコンセプトも決めて真剣にやってたんだよね。

阪井：そう。「FM SAKAI～リターンズ～」は装い新たに収録されたものです。真面目なイメージの強いflumpoolが“こんなこともできるんだ”って驚く瞬間ですよ。これ聞いたらみんなファンクラブに入るはず（笑）。

山村：どうかな。

尼川：聞いてもらって、素直な感想を教えてほしいですね。

──ははは。DVDには松原市の成人式で行なったサプライズライヴのドキュメンタリーとダイジェスト映像や、「大好きだった」のスペシャルムービーも収録されているし、盛りだくさんですね。最後に8月8日と9日に大阪・大泉緑地で行なわれる初の単独野外ライヴについて、今語れる範囲のことを教えてください。

山村：僕らのいい意味でゆるい部分だったり、幼なじみ感というか、仲のいいヤツら4人が音楽をやっている雰囲気を1人でも多くの人に感じてほしいですね。だからこそ大泉緑地という自分たちがいちばん自分たちらしく居られる場所を選んだんです。今のflumpoolがやっている音楽を自分たちにとって最高の環境で……っていうライヴなので、夏に海や山に行くような感覚でぜひ遊びに来てほしいですね。この先、flumpoolが10周年、15周年を迎えられるような息の長いバンドになって、本当に人の心に残っていくバンドになるのか。そういう覚悟でのぞむライヴでもあるので、真剣に遊びます。

取材・文◎山本弘子




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