クライズラー&カンパニー、待望の全国ツアーが幕開け

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2015年5月21日(木)初夏を思わせるような暑さの晴天の中、待ちに待った「クライズラー&カンパニー」のツアー初日が幕を開けた。

◆クライズラー&カンパニー~画像~

開場前、かつしかシンフォニーヒルズモーツァルトホールは、この日を待ちきれなかったファン達の熱い熱気に包まれていた。19年は長かった。クラシック曲の斬新なアレンジで一躍時代の寵児となった伝説のバンド、Violin葉加瀬太郎、Bass竹下欣伸、Kb斉藤恒芳による、あのクライズラー&カンパニーが遂に戻ってきたのだ。


会場の座席につき、興奮を押さえながら待ち受けていると、やがて照明が落ち、華麗なクラシックの年表を1600年から現代まで駆け抜けるように紹介する大迫力の映像が始まった。もちろん、クライズラー&カンパニーもデビューの1990年から年表に登場。当時の活躍ぶりが鮮やかに蘇ってくる映像に待ちきれない心の躍動が頂点にさしかかったその時、印象的なギターフレーズと何とも小気味良いビート。座席を埋め尽くした満員のファンのどよめきと共に「ブライダルコーラス」(結婚行進曲)で復活の幕が上がった。

透明感のある照明の中、黒を基調にしたシックないでたちの葉加瀬太郎、竹下欣伸、斉藤恒芳がそこにいた。19年前と変わらないどころか、一段と成長し華麗さと深みを増したサウンドに感動、あのクライズラー&カンパニーサウンドが帰ってきた。

2曲目は一転して紫、オレンジ、動き回る光の帯を背に何とも大胆なアレンジ、思いもかけない曲調の転換等、いかにもクライズラー&カンパニーならではのパフォーマンスに感嘆のため息すら出てくる。そのあとも続々と彼等らしい素晴らしいパフォーマンスは続いてゆく。


原点に戻ったメンバー3人による、卓越した個人の力量を余すところなく感じさせる、繊細で美しいアンサンブル。高校生当時クライズラー&カンパニーの熱烈なファンだったというJazztronikのKb.野崎良太をはじめ、Drums村石雅行、Guiter田中義人、Programing八巻誠。素晴らしい4人のサポートメンバーを加えての迫力のあるリズム、壮大なスケールのサウンドあり。全く飽きさせる事のないステージングに心が踊りっぱなしになってしまった。

あと、ライブMCが何とも楽しいのだ。葉加瀬太郎の話術の巧みさ、メンバーのキャラクターをいかしたトークが本当に楽しく、ステージを一段と盛り上げてくれる。

2月25日に19年ぶりにリリースされたNew Album「New World」からの楽曲を中心に、クライズラー&カンパニーの魅力が存分に盛り込まれたステージには大満足。

あらためて思うのは、やんちゃな若者がやがて風格のある大人に成長するように、音楽もまた成長するのだと云う事。クライズラー&カンパニーのメンバーそれぞれが19年の間に積み重ねてきた音楽活動の深みが、新たに大きな魅力を加え、そしてクライズラー&カンパニーは復活したのだということ。


そして、彼らの音楽はクラシックへの深い尊敬と愛に基づいているんだと改めて感じさせてくれた。どんなに大胆に編曲を加えても、美しいメロディーライン、楽曲の品格を決して損なう事がない卓越した演奏力。日本に、こんな素晴らしいバンドが存在する事に、限りない感謝の思いでいっぱいになった素敵な一夜だった。

ファンタスティク!としか形容のしようがない、クライズラー&カンパニーの全国ツアー。ツアーファイナルは6月9日(火)くしくも19年前、解散コンサートをおこなった日本武道館でおこなわれる。

<Concert Tour“NEW WORLD”>

2015年5月21日(木)東京都 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
2015年5月22日(金)富山県 オーバード・ホール
2015年5月24日(日)広島県 ふくやま芸術文化ホール・リーデンローズ
2015年5月27日(水)静岡県 三島市民文化会館
2015年5月29日(金)愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
2015年5月30日(土)大阪府 オリックス劇場
2015年5月31日(日)大阪府 オリックス劇場
2015年6月5日(金)福岡県 シンフォニーホール(アクロス福岡)
2015年6月7日(日)兵庫県 神戸国際会館 こくさいホール
2015年6月9日(火)東京都 日本武道館

KRYZLER & KOMPANYニューアルバム『NEW WORLD』

2015年2月25日(水)
1.新世界
2.白鳥の湖
3.ブライダルコーラス
4.春
5.亡き王女のためのパヴァーヌ
6.グリーンスリーヴス
7.ヴィーナス・ラヴ
8.ユーモレスク
9.恋は魔術師
10.フィンランディア
11.水族館
12.カプリス(威風堂々/カプリス NO.24)
※#1『新世界』はテレビ朝日系全国ネット「林修の今でしょ!講座」イメージ・ソング

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