伝説のYEN TOWN BAND、<大地の芸術祭>で復活ライブ決定。新曲も制作中

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5月22日、渋谷ヒカリエで開催された<「大地の芸術祭」開幕直前展>のトークイベントにて、出演した小林武史からYEN TOWN BANDのライブ開催が発表となった。さらに、現在新曲も制作中であることも明かしている。

YEN TOWN BAND(イェンタウンバンド)は、1996年に岩井俊二が監督、小林武史が音楽を担当した映画『スワロウテイル』に出てくる架空のバンド。ボーカルは、劇中に登場する主人公グリコ役を演じたChara。プロデュースを小林武史が手掛けている。1996年7月に発売されたシングル「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」は、約2ヶ月後の10月7日付オリコンチャートで1位を獲得し、85万枚を超える大ヒットとなった。また、アルバム『MONTAGE』は2週連続で1位を獲得。2週目にはシングル・アルバム同時1位という快挙を成し遂げている。

そんな伝説のYEN TOWN BANDが、7月26日から9月13日まで開催される<大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015>クロージング前夜のイベントで、約12年振りのライブとなる復活を遂げる。

もともと<大地の芸術祭>は、金融グローバル社会から取り残されていく地域にアートの力で世界からの視点を集めることに成功した、地方国際芸術祭の先駆者的存在。

そこに、音楽を通じて人と自然とのつながりや持続可能な社会を、「お金」という具体性を伴った媒体に根ざして考える融資活動「ap bank」を行ない、東日本大震災以降は東北の復興支援を続け、2017年には石巻の牡鹿半島を中心とした芸術祭開催を予定している音楽プロデューサー・小林武史が、ひとつのアート作品として元々お金中心な社会にアナーキーな態度をとっていた“YEN TOWN BAND”を概念として登場させるアイデアが浮かび、映画監督の岩井俊二からの賛同も得たうえで今回のライブ出演が実現した。

小林は、「イベントで一度ライブを行ったことはありますが、その時はあくまでイベント出演に応じたということであり、今回が本当の活動ということになると思います。劇中の架空のバンドに命を吹き込んで出来たのがYEN TOWN BANDですが、映画『スワロウテイル』と同様に、20年近く経っても古くなっていない。アジアや(一部)ヨーロッパ等でも時代を超えて高く評価されている。その普遍性に新たなミッションを加えてYEN TOWN BANDという伝説的な入れ物に新たな魂を吹き込んで行きたい。」と、語っている。

バンドメンバーやチケット発売日を含むライブについての詳細は、本日からスタートしたYEN TOWN BAND Official Facebook(https://www.facebook.com/YENTOWNBAND.since1996)およびTwitter(https://twitter.com/YEN_TOWN_BAND)にて後日発表される。


岩井俊二(映画監督)からのコメント

「スワロウテイル」が公開されたのは1996年。来年で二十年が経つ。
この映画の舞台は円都(イェンタウン)と呼ばれる架空都市。物語のテーマはお金=貨幣だった。

この映画は僕の中でずっと社会を見るひとつの物差しのようなものとして残り続けた。
時代の様々な局面で、今、ここがイェンタウンだったら、と、想像を巡らせることが多かった。
今、ここがイェンタウンだったら、どんな人々がどんな暮らしをするだろう。どんな冒険が待ち受けているのだろう。
そんなことを想像してみるのが、自分の癖のようにすらなっていた。
これは僕だけではない。きっと小林さんの中にもあった。
現実をイェンタウンと重ね見る行為。
そこから何か新しいイマジネーションやクリエイションは生まれないだろうか。
そんな会話も長い間お互いの間で、幾度もなされて来たのだが、ここに来て、にわかに具体的になってきたのは、やはり時代の流れとしか言いようがない。
この穏やかならぬ時代なればこそ……。

こうしてイェンタウンバンドが二十年ぶりに動き出すことになった。
活動再開、と呼ぶべきか、そもそもが架空のバンドだったので、リアライズ、とでも言うべきか。
ともかく、二十年の歳月を経て、僕らの中でイェンタウンが再び胎動を始めたのは間違いないようである。

大地の芸術祭 2015 YEN TOWN BAND @NO×BUTAI produced by Takeshi Kobayashi

日程:2015年9月12日(土) 17:00開場/18:00開演
会場:まつだい「農舞台」(新潟県十日町市松代3743-1)
チケット発売日:後日発表
前売り:5,000円(税込・全自由・入場整理番号付き)
当日券:5,500円(税込・全自由・入場整理番号付き)
※「大地の芸術祭」作品鑑賞パスポートチケット付き
お問い合わせ:大地の芸術祭実行委員会事務局 http://www.echigo-tsumari.jp
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