ミゲル、甘美さと激しいエネルギーが交錯する、圧巻のステージ

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2013年度のグラミー賞(最優秀R&B楽曲)受賞以降、更なる注目を集め続けているカリフォルニア出身のR&Bシンガー・ソングソングライター、ミゲル。マライア・キャリーをはじめアリシア・キーズ、アッシャー、ケンドリック・ラマー、サンタナ、レニー・クラヴィッツとジャンルを超えたそうそうたるアーティスト達からのラヴ・コールが止まない“アーティストが惚れるアーティスト”が、3年振りの新作『ワイルドハート』のUKリリースを目前に、6月18日ホクストン地区の人気クラブXOYOにてロンドン公演を行った。

◆ミゲル画像

今回UK公演はこのロンドンのみ、しかもキャパ800人の小箱でのレアなライヴだったため、会場は勿論ソールド・アウト。オープニング曲「Thrill」のイントロが流れると全身白でコーディネートした衣装にシルバーのロング・ネックレスを重ねづけしたミゲルが颯爽とステージに登場し、ステージ前方に陣取った熱狂的な女性ファン達の黄色い叫び声が響く中、観客は1曲目から大合唱となった。そして、米人気ドラマ『ガールズ』サントラにも収録された「Simple Things」、デビュー盤からの「Sure Thing」へと続き、一気にヒートアップ。アルバムで聴くような気だるい浮遊感が漂うエレクトロニック系R&Bとは異なり、ライヴでのミゲルは激しくシャウトしながらの華麗なステージ・アクションや官能的なファルセット・ヴォイスを披露し、ある種プリンスを彷彿とさせる。また、サイケデリックなロックからソウル、ファンク、ヒップホップ、レゲエ、ラテン、エレクトロニック・ミュージックまで自由自在に行き来する楽曲は、5人編成(b/g/key/ds/programming)のバンド・メンバーによるジャム・セッション的な演奏スタイルにより、独自のボーダーレスな音楽的魅力が一層際立っていた。

この後はロック色の濃い新作より7曲が披露され、レニー・クラヴィッツがレコーディング参加した「Face The Sun」やミゲルが生まれ育ったカリフォルニアを歌った「Leaves」等、ギター・サウンドが印象的なナンバーを中心に更に会場を沸かせていく。そして、新曲紹介の途中では新作『ワイルドハート』に込めたメッセージについて「大切なのは他人が押し付ける“普通”って言葉やネガティヴな意見には振り回されずに、自分はどうしたいかを考えること」、「自分の信念を曲げずに突き進んでいく上で、時には犠牲を払うこともあるだろう。でも、犠牲を払ってでも逆境を乗り越えることが大事」と自身の哲学を熱く語った。

終盤は、現在UKでヒット中の最新シングル「Coffee」、前作からの代表曲「How Many Drinks」へと続き、最後に2014年グラミー賞に輝いた名曲「Adorn」で盛り上がりは最高潮に。ラスト3曲で再び大合唱となり、ライヴ終了後も興奮冷めやらぬオーディエンスの拍手が鳴りやまないほど。甘美さと激しいエネルギーが交錯する、圧巻のステージであった。


セットリストは以下の通り。
1.THRILL
2.SIMPLE THINGS
3.SURE THING
4.GOING TO HELL
5.HOLLYWOOD DREAMS
6.FACE THE SUN
7.FLESH
8.LEAVES
9.WAVE
10.COFFEE
11.HOW MANY DRINKS
12.ADORN

ミゲル『ワイルドハート』


日本盤2015年9月2日 発売(輸入盤6/29)
SICP-4509 スペシャル・プライス¥2,200(+tax)
1.ア・ビューティフル・イグジット
2.ディール
3.ザ・ヴァリー
4.コーヒー
5.NWA feat.コラプト
6.ウェイヴス
7.ホワッツ・ノーマル・エニウェイ
8.ハリウッド・ドリームス
9....ゴーイング・トゥ・ヘル
10.フレッシュ
11.リーヴズ
12.フェイス・ザ・サン feat.レニー・クラヴィッツ
13.gfg
14.デスティナド・ア・モリール
15.シンプル・シングス
16.ダムド
※国内盤のみボーナス・トラック追加収録予定
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