【インタビュー】YOSHIKI、パリで3大発表「X JAPANの核は“心に触れるメロディ”」

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──今回はあわせてライブも楽しみですね。

YOSHIKI:今回発表させてもらったのはロンドンでのウェンブリーアリーナ公演でしたけど、それ以外にも色々考えたいとは思っていますので。今後発表できれば。

──これは、新たなX JAPANの一歩ですね。

YOSHIKI:ロンドンはロック発祥の地でもありますからね。

──アルバムですが、ライブでの再現性は考えられていますか?

YOSHIKI:まあ、あったりなかったり…ですね。今現在10分近くの曲をレコーディング中なんですけど、それはライブのことは全く考えていないです(笑)。どうやって再現しよう…。ま、それはレコーディングが終わってから考えよう。

──X JAPANの場合、ドラムとピアノが同時に鳴っているからなあ。

YOSHIKI:そうですね、その新曲ではドラムを激しく叩きながらピアノソロが行われているんで、ちょっとどうしていいのか分からない(笑)。ギターも10本くらい重なっていたりするし。

──たのしみだな。同時にドキュメンタリー映画の発表もされましたね。

YOSHIKI:ウェンブリーで試写会も行います。これまでありそうでなかったドキュメンタリーというか…。

──ついにこれまでのX JAPANストーリーがドキュメントになるんですね。

YOSHIKI:結構ストーリーが壮絶なので、ドキュメンタリーというよりは本当の映画みたいになってきちゃっているんですけど。プロデューサーのジョン・バトセックとスティーブン・キジャック監督が、MSG公演の前から横浜アリーナも含めてずっとX JAPANを追っていまして…仮の完成が2015年10月、2016年の頭くらいに試写会を始めて、公開は2016年の夏くらいになる予定です。

──まだ今は撮影しているところですか?

YOSHIKI:撮るといってももう9割は撮り終えていますから、あとは編集ですね。生い立ちから、X JAPANがどうやって結成されたか、どこから生まれたのか、何故これがヴィジュアル系になったのか、メンバーの数多くのドラマがあり、何故世界に向かうのか、何故世界に行きたいのか、どうして世界に通用し始めたのか、そういったX JAPANというドラマを外国の人の視点から描いたものですね。“X JAPANというドラマが人々にどのような影響を与えたのか”、そういう映画です。プロデューサーがイギリス人、監督がアメリカ人で、基本的にはハリウッド映画と思っていただければ。今まで溜め込んでいたX JAPANのすべてを、ウェンブリーのコンサートから一気に発射し始めようと思っています。


──3月12日は凄い日になりそうですね。

YOSHIKI:脚本が上がってきた時点で観ましたけど、ドラマがあまりに壮絶すぎて、みんな信じないんですね。こんなことがひとつのバンドに起こるはずがないって(笑)。

──でしょうね。カートコバーン『COBAIN : モンタージュ・オブ・ヘック』、『ポリス インサイド・アウト』、ストーン・ローゼズ『Made Of Stone』、ブライアン・ウィルソン『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』も観ましたが、X JAPANに起こった出来事は非現実的に思えます。

YOSHIKI:ひとつのバンドにこれだけのドラマが詰まっているっていうのは信じられないって。

──120分じゃ表現できない気もします。

YOSIHIKI:悲しみも大きくてね、仮編集されたものを見せてもらうだけで、涙なしでは観られなかった。

──ついにそういう映画ができるんですね。でも逆に、何故今までできなかったんでしょう。

YOSHIKI:やはり、自分たちがそこに向き合えなかった。バンドを結成して30年以上経つけど、向き合えなかった自分たちが初めて向き合う瞬間…かな。

──これだけの年月が必要だったということですね。

YOSHIKI:なぜX JAPANがマディソン・スクエア・ガーデンまで行ったのか、ということも含めて、メンバーの死、TOSHIの洗脳、解散、再結成…全部含めてですね。

──そういう意味では身体は満身創痍だけど、今、バンドとしては健全でエネルギッシュな状態にあると言えそうですね。

YOSHIKI:そうですね、不思議ですけど、音を出すと今まで以上にパワフルなX JAPANになったのが信じられないですね。

──X JAPANの新たなるスタートの狼煙ですね。

YOSHIKI:今回はウェンブリーでライブを行うというだけじゃなく、アルバムや映画も絡んできますので、命がけで活動していきますよ。身体はどうなってもいいと思ってやりますから。

──2016年3月、アルバムが出たらバンドとしてまた大きな進化があるのかもしれないですね。

YOSHIki:そうですね、アルバムの前にシングルも出していく予定なので、今年の秋くらいからだんだん騒がしくなってくると思います。

──右手の手術は?

YOSHIKI:今の予定だと、身体が持てばですけど…手術は2017年に考えています。

──え?2017年?

YOSHIKI:ええ、2016年はまたいろいろ忙しそうなので、2017年まで手術を持ち越すことで相談しています。

──先延ばし作戦ですか。大丈夫かな。

YOSHIKI:持たなかったらしょうがない。その時はその時です。今まで20年間も待ってくれたファンのために、素晴らしいアルバムを届けられると思いますし、ウェンブリーのコンサートは基本的に全世界発売の記念なので、もし足を伸ばせる方がいましたら、是非日本からもロンドンにお越しください。


今、まさにX JAPANは無敵状態にある。7月11日にはイギリスO2にて行われるイベント<HYPER JAPAN>にて、ToshIとYOSHIKIによるアコースティック・ショーケースライブが予定されている。ライブ終了後には、製作発表からまだ一度もお披露目されていないドキュメンタリー映画のティザーが初公開され、映画の内容についてトークが展開されるとみられている。

取材・文:BARKS編集長 烏丸哲也


◆X JAPANオフィシャルサイト
◆YOSHIKIオフィシャルサイト
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