大阪アメ村を中心に、ライフスタイルに直結した音楽とカルチャーという目標を掲げて走り続けているバンドがここにいる。その名はRIZING 2 END。エモ、メロコア、ミクスチャーから日本のポップスや歌謡曲まで、多様なルーツを持つ音楽の魅力はもちろん、スケートやBMXとコラボするイベントを仕掛けるなど、その姿勢は常にアグレッシブで行動的。彼らの目指す次世代のストリート・カルチャーと音楽シーンについて、そして待望のファースト・フルアルバム『Hocus-Pocus』について、HERO-KI(Vo&Programing)とNao(G)に話を訊いた。

◆RIZING 2 END~画像&映像~

■エクストリーム系のカルチャーにどんどん惹かれていって
■ELEMENTRのスケーターを呼んだりXLARGE(R)とコラボしたり


──このバンドは、大阪はアメ村を拠点に活動しているということですが。

Nao:メンバーに誰も大阪人はいないんですけどね(笑)。僕が岐阜で、ベースが宮崎で。

HERO-KI:ドラムが神奈川で、僕が東京。でも、大阪に来ると必ず遊んでたのがアメ村だったんで。僕はもともとXLARGE(R)でずっと働いていて、STUSSYとかCARHARTTとかSTREET SHOPはみんなツレだったし、三角公園の周りでスケートしたり、CLUBに音にと遊び倒していました。当時はアメ村ストリートを一番楽しんでる!といえば俺ら周りぐらいの感じだったので(笑)。

──大阪に行ったのは?

HERO-KI:10年ぐらい前ですね。このバンドをやるために。今のメンバーになったのは2010年ですけど。

──最初の頃は、どんなバンドを目指していたんですか。

HERO-KI:もともとはJIMMY EAT WORLDとかアメリカン・エモで、そこから派生したTHE USED、STORY OF THE YEARみたいなものが好きで、それを日本語でやってたんですね。それからNEW FOUND GLORYとかYELLOWCARDとか、メロディックな感じに寄って行ったんですよ。そこから英詞に変わって行って、今に至ります。正直、最初の頃のほうがもっとわかりやすい音楽だったんで、お客さんも多かったんですけど、僕がXLARGE(R)で働いていたこともあって、エクストリーム系のカルチャーにどんどん惹かれていって。ELEMENTRのスケーターを呼んだり、BMX関連とコラボしたり、そういうことをやり出して。20年前ぐらいの大阪には、そういうシーンがあったんですよ。ベイサイドジェニーを中心にして。

──ありましたね。なつかしい。


▲HERO-KI。

HERO-KI:僕はその頃は大阪にいなかったので、知らないんですけど、そういうシーンがあったということは先輩からしょっちゅう聞いていて。じゃあ、いま新しいシーンとしてそういうものをやりたいなと思って、アメ村のストリート・カルチャーをバンドから発信していきたいんだけどどう? という話をみんなにしたら、「面白そう」と言ってくれる人がたくさんいて。ランプをつくってスケーターを呼んで、そこからスタートしました。

──なるほど。

HERO-KI:でももともとの音楽でいったら、僕はMr.Childrenの影響も受けているし、サザンオールスターズも好きだし。小さい頃はマライア・キャリー、マイケル・ジャクソン、チャカ・カーン、スティーヴィー・ワンダーとか、そういうものがいつも流れている家だったので。そういうグルーヴィーな音楽と、邦楽のミスチルやスピッツと、ルーツはそこにあると思うんですよ。でも好きになっていったのはアメリカのストリート・カルチャーだったんですよね。そして今はまた、原点に帰って来たような気がするというか。

──というと?

HERO-KI:要は、自分が影響を受けて憧れた音楽を、そのままやってきたわけじゃないですか。でも今は自分が本当に出したいもの、子供の頃から「いいな」と思ってきたものを普通にやれている。だから今回のアルバムは、すごく新鮮な気持ちで出せるんです。

──確かに、メロディを聴くと、すごく日本的な哀愁を感じますね。歌謡曲とまで言うと語弊があるけれど。

HERO-KI:そういうものも、ルーツがあるからなんですよね。バックの音楽は、たとえばFALL OUT BOYとか今のEDMみたいな感じだったりとか、そういうものもエッセンスとして入れつつ、でも本当に好きなメロディや歌詞を今は出せているので。「やっと始まった」という感じがします。遅かったですけど(笑)。

Nao:僕はHOOBASTANKが好きなんですけど、毎回、ギターのフレーズを口ずさめるようなプレーを心がけています。CDを再生して5秒で、聴いてくれる人を期待させるようなフレーズやコード感を考えて、今回も臨みました。それがうまいこと、融合してるんだろうな。


▲Nao。

──メンバー同士の、それぞれのルーツが融合してる。

HERO-KI:そうですね。付き合いは長いんで、言わなくてもわかるところはあります。ただ、このアルバムを作るためには、少し時間がかかったんですよ。僕が行きたい方向と、メンバーのやりたい方向をすりあわせる時間が必要で、最初の頃は苦労しました。それで出てきたのが2曲目の「1.2.3」です。みんなのやりたいことのちょうど真ん中ぐらいの、日本語の歌詞で、四つ打ちがあって、HOOBASTANKみたいなノリもあって、わかりやすいサビがあって。今までの曲とは多少違うから、お客さんのノリはどうかな?と思ったんですけど、意外に反応が良かったんですよ。そうやって、ライブで手応えをつかんでいったんだと思います。その手応えをもとに、今度はどこまで行けるのか。歌謡の部分、ハードコアの部分、メロディックな部分の、それぞれどこまで行けるのか?というバランスを考えて、自分らしさを曲げずにどこまで行けるか?という感じでしたね。

──アルバムが出来上がって、その実感は?

HERO-KI:「自分たちはここまでできるんだ」と思える作品になりました。ここまで行けて、これでお客さんが増えてくれれば、次はもっと行けると思ってます。個人的にはJ-ROCKの部分を研究して、そこをうまく出せたと思うし、洋楽っぽいノリとの融合もうまくいったし。アイディアがいっぱい出てきましたね。


──個人的に、一番挑戦した曲というと。

Nao;いや~、全曲です(笑)。ギターを何本も重ねたので、正直ライブでは正確に再現できないですけど、音源の聴きごたえとか、世界観を作るために、相当重ねましたね。大体5本、マックス7本入れました。正直、鳴ってるか鳴ってないかわからない音もあるんですけど、それを外してみると何か物足りないとか。

HERO-KI:そもそも今回のテーマは……今までずっとライブバンドと言われ続けて、それはそれでうれしいんですけど、「音源がいいね」って本当に言われたいなと。それを実現させるためにギターの音はすごく大事だから、「Naoくん頼むよ」と。できることは全部詰め込んで、いらなければ外せばいいから、という話をして。

Nao:弾いたフレーズを聴いてもらって「これは大丈夫」とか。でも「これはいらない」というのは、ほとんどなかったよね。

HERO-KI:結局は、何も外さなかった。そのおかげで深みが出たのかなと思います。この4人になって5年近く、だいぶいろいろ話してきたので、お互いのこともよくわかってるし。コアな部分がズレてなければ、あとは何でもあり。

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