【インタビュー】KAMIJO「ファンの24時間を自分の音楽で染めたい」

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■フランスのTVインタビューで全部の質問が、
■僕が永遠に生きている前提だったんです(笑)



── そういえば今回のワールドツアー中、衣装が紛失して現地のファンが制作するという出来事があったとか。

KAMIJO:そうなんですよ! ロンドンでスカーフが紛失しまして、それで現地のプロモーターに、フランスのストリートチームのリーダーと連絡を取ってもらったんです。10年以上前から僕のコスプレをしてくれている子が、ヨーロッパに何人もいるのを知っていましたから。で、サイズ等の詳細な打ち合わせをしてもらい、それを伝え聞いたドイツのストリートチームの子が中1日であげてくれて、無事に次のケルン公演に間に合ったという流れです。そのスカーフは今でも着けていますよ。

── 国を超えて瞬時に情報をやり取りできる、今の時代だからこそ為せるワザですね。

KAMIJO:そのせいか、ヨーロッパのオーディエンスが以前よりも日本的な感性になってきている気もしましたね。フランスはそうでもないんですけど、それ以外の国に関しては曲への接し方であったりノリ方が、日本に近くなってきていた。例えば以前はバラードでもお構いなしに歓声をあげていたのが、曲調によっては静かに聴くようになっていたり。考えてみるとVersaillesの活動休止後にソロを初めてから、日本より海外でのライブのほうが多いんですよ。日本のライブって全然やってない(笑)。7月からのジャパン・ツアーが国内では凄く久しぶりのライブですよ。

── つまりはKAMIJOさんの来訪を待ち望むファンが、世界中に存在するということ。

KAMIJO:ありがたいですね。Versaillesでツアーしたときから、LAREINEファンの方たちも待ってくださっていたのがわかっていたので、今回、ようやくLAREINEの曲を聴かせてあげられたという感慨もありました。ただ、海外で盛り上がる曲って、意外とソロ曲なんですよ。「Moulin Rouge」だとか「BASTILLE」、メジャーデビュー作『Symphony of The Vampire』の第四楽章「Dying-Table」であったりとか。やっぱり新しい曲ほど洗練されているのかもしれない。

── それも20年の蓄積ですよね。ところで、正直なところ20年続くと思っていました?

KAMIJO:続くとか続かないとか、そういう感覚ではなかったですね。理想のボーカリスト像というのが僕の場合、最初は氷室京介さんから始まったんですけど、いつの間にかそういった存在がなくなって。途中から……ヴァンパイアになりたいと思うようになったんです。何年かかってもいいから、ヴァンパイアのような美しい歌声が欲しいって。

── あの……ヴァンパイアの歌声を聴いたことのある人って、世の中に存在しませんよね?

KAMIJO:例えばヴァンパイアは怪物だから、すごく怖い声を出すというふうに考える人もいるでしょうけど、僕のルーツとなっているのは『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(1994年製作の米映画)なので、レスタト(トム・クルーズ演ずるヴァンパイア)が歌ったらどうなるか?なんですよ。それで『クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』(『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の続編)を観て“これは違う。僕がなる!”って。

── いや、ヴァンパイアはまさしく時を超越した存在ですし、今日のお話を伺ってもKAMIJOさんがヴァンパイアに惹かれる理由はよくわかります。

KAMIJO:そうなんですよね。面白かったのがフランスでTVインタビューを受けたとき、途中で“おかしいな?”と思ったら、全部の質問が僕が永遠に生きている前提だったんですよ! その番組としてはヴァンパイアにインタビューしてたつもりだったみたいで、あんまり“ヴァンパイア”を押し出すのも考え物だなぁと、さすがにそのときは反省しましたね(笑)。

── 作品と現実を混同してしまうくらい緻密に作り込んだ世界観を、KAMIJOさんがアピールできているということですよ。

KAMIJO:そうならいいんですけど(笑)。要するに僕がイメージするヴァンパイアというものは、永遠に生きる美しい声を持つ人なので、そんなふうになりたいなと。

── となると20年という単位もKAMIJOさんにとっては小さなもので、次に30周年を意識することもありませんよね。

KAMIJO:ないですね。そもそも自分の理想とする歌を目指すのに、“いついつまでに頑張る”なんてことは言っていられないですよ。だから音楽をやる人とか、これからプロを目指したい人がいるとしたら、“何歳までにできないと”とかっていうリミットを決めたらできないよ、って言いたいですね。

── どれだけ時間を掛けてもやり抜くんだという覚悟でやれと。お話を聞いていると20年経ったからといって、今後の活動も落ち着くなんてことはなさそうですね。



KAMIJO:その想いはアルバムのジャケットにも表れているんですよ。背中を向けて進もうとしている、その先には過去の景色も未来の景色もあって。今は早くオリジナルアルバムを作りたいですね。自分の頭の中にあるストーリーを早く形にしたい。

── そのストーリーとは?

KAMIJO:前作『Heart』は帝国だとか国というものがテーマだったんですけど、今、この現実世界のとある国が舞台になります。あえて言うとフランスではない国が……と、お話しできるのはこのへんまでですね。

── 了解です。12月28日にはZepp DiverCityで20周年のグランドフィナーレが行われますが、ここで何か特別な趣向があるとか。

KAMIJO:はい。この日はLAREINE、NEW SODMY、Versaillesと、僕が在籍した歴代のバンドメンバーが集います。まずはTERU君(Versailles/現Jupiter)のゲスト出演が発表になったのですが、特設サイトで次第に明らかになっていきます。この日は曲だけではなく、ステージに立っている人間でさえも時を破壊してしまおうかなと。この人とこの人が横に並んでいるなんて、ホントに夢の中でしかありえない!っていう不思議な感覚に、この日は陥れますので覚悟しておいてください。

  ◆  ◆  ◆

◎KAMIJOコメント動画
アルバムについて、そして自身の音楽活動について、たっぷりと語ってくれたKAMIJO。さらに、BARKS読者に向けたスペシャルメッセージ映像が届きました!

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アルバム『Royal Blood 〜Revival Best〜』

2015年7月15日(水)発売
[初回限定盤デラックス・エディション](CD+DVD)
WPZL-31045/6 ¥4,000(+税)
※フォト・ブックレット付き三方背BOX仕様
※KAMIJO本人が自ら全曲を解説するセルフ・ライナーノーツ掲載
■DVD
VersaillesやLAREINE時代の貴重な映像 +ロングインタビューでKAMIJO20年の歴史を紐解くスペシャル・ドキュメント映像 +ライヴ映像4曲(2014.12.13 AiiA Theater Tokyo)

[通常盤](CD)
WPCL-12157 ¥3,000(+税)

[CD収録曲]
1.Emblem
2.Imperial Concerto
3.薔薇は美しく散る
4.Aristocrat’s Symphony
5.蝶の花
6.Audrey
7.この世で一番美しい薔薇よ
8.冬東京
9.HEEL
10.God Palace
11.Royal Blood

[ライブ情報]

『Royal Blood 〜Revival Best〜』発売記念イベント
<7.19 リアル・バースデイ・ヴァージョン>
2015年7月19日(日)東京都 タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース

<Celebration-Live 2015 Royal Blood>
2015年7月20日(月・祝)東京都 東京キネマ倶楽部

<KAMIJO World Tour 2015 -20th ANNIVERSARY BEST- JAPAN>
2015年7月24日(金)宮城県 仙台MACANA
2015年7月26日(日)北海道 cube garden
2015年8月1日(土)神奈川県 新横浜 NEW SIDE BEACH!!
2015年8月2日(日)神奈川県 新横浜 NEW SIDE BEACH!!(※ファンクラブ会員限定)
2015年8月9日(日)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
2015年8月16日(日)福岡県 DRUM SON

<KAMIJO World Tour 2015 -20th ANNIVERSARY BEST- JAPAN FINAL>
2015年8月23日(日)東京都 東京キネマ倶楽部
2015年8月28日(金)愛知県 ell.FITS ALL
2015年8月30日(日)大阪府 OSAKA MUSE

<KAMIJO World Tour 2015 -20th ANNIVERSARY BEST- Grand Finale>
2015年12月28日(月)東京都 Zepp DiverCity TOKYO

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