【ライブレポート】大合唱の感動と歌の力を伝えるニュータイプの超大所帯グループ、Be Choir。

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コーラス・グループ「Be Choir」(ビー・クワイア)が、7月5日にキネマ倶楽部にて、2ndアルバム『Lift』のリリースパーティーを開催した。今回BARKSでは、当日のライブレポートをお届けするとともに、日本における新たな音楽表現のかたちを提言するBe Choirをご紹介する。

◆Be Choirライブ 画像

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Be Choirというグループがいる。知っている人は知っているが、知らない人はきっと知らないだろうから、解説しよう。結成は2010年、ゴスペル・スタイルの総勢40数名に及ぶ本格的な大編成クワイア(合唱団)で、バックの演奏はピアノ、ギター、ベース、ドラム、パーカッションのバンド形式だ。グループの代表である長谷川雅洋は、ボーカリストであり、作詞作曲者でありつつ、仕事を持つサラリーマンでもあり、グループを進化させるアイディアマンであり、数々のプランを打ち出しながら、5年間にわたって、他に類を見ないこの大編成クワイアを成長させてきた。

2012年のファーストアルバム『BE』はメジャー・レーベルのKING RECORDSからリリースし、iTunesポップチャート最高8位のヒットを記録。その後も企画ライブ<もしクワ>(<もしもゴスペルクワイアのBe Choirと○○がコラボレーションライブをしたら>)で、第一回は篠崎愛が当時所属していたアイドルグループのAeLL.と、第二回ではボーカル・デュオのD-51と共演を果たす。さらに2014年8月、川崎CLUBCITTA’でのワンマン・ライブでは、ゴスペラーズの黒沢薫とのコラボを実現させるなど、オーディエンスに新しい音楽の楽しみ方を提案しつつ、じわじわとその名を浸透させてきた。その一つの集大成が、7月18日にリリースされるセカンドアルバム『Lift』だ。

本格的な大編成ゴスペル・クワイアの魅力をたっぷりと詰め込みつつ、日本らしいポップスやフォークソングなどの要素も取り込んだ、幅広い魅力を持つBe Choirワールド。先日、このアルバムのリリースを記念したライブが行われたので、早速レポートしてみよう。

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7月5日、日曜日、鶯谷にある東京キネマ倶楽部にて、Be Choirのセカンドアルバム『Lift』のリリース・パーティーを兼ねたライブが行われた。キネマ倶楽部のそれほど広くないステージの上に、合唱隊が総勢40数名、バンドメンバーが6名。そこにBe Choir代表の長谷川雅洋が加わり、50名がずらりと並ぶだけで壮観だが、全員が体を揺すり、手を叩き、ゴスペル・スタイルの合唱を始めた瞬間の強烈なエネルギーのほとばしりは、同じ熱量でも爆音のロック・コンサートとはまるで違う。人の声の持つパワーとは、かくもすごいものなのか。曲は、クワイアのメンバーからテナーのNoahをフィーチャーした「Keep On Tryin’」、ゲスト・ボーカルにカマタミズキとHiro-a-keyを迎えた「雑食Animal」、長谷川がソロをとる「Our Eyes」と、アルバムの中から明るくリズムのある曲を続け、詰めかけたオーディエンスの心を一気にさらってしまう。つかみはOKだ。





「リリース・パーティーにいらしていただき、誠にありがとうございます」
緊張気味の長谷川のあいさつに、おそらく友人たちだろう、ジョークを交えた声援が飛ぶ。負けじとステージから軽口を言い返す。空気はとても和気藹々、ホーム・パーティーに招かれたようなくつろいだ雰囲気の中、続く「彼岸」はアコースティック・ギターでしっとりと。再びテンポアップした「Hands up」では、ソプラノのChihiroのラップをフィーチャーし、しなやかなグルーヴに乗せてクラップ、ダンス、またクラップ。オーディエンスも全員が手拍子で参加して、Be Choirのライブは観客参加型であることがよくわかるシーンだ。

「みなさんも知っている曲だと思うので、一緒に歌ってくださいね」
Chihiroが語りかけ、ソロで歌い始めたのはDREAMS COME TRUEの2005年のヒット・シングル「何度でも」。ドリカムのファンの間で絶大な人気を誇るこの曲を、Be Choirがカバーしたのは、2012年にリリースしたファーストアルバム『BE』の時だった。何度でも立ち上がる、あきらめないで叫ぶ。彼らがなぜこの曲をカバーしたのかは、強いメッセージをこめたこの歌詞のせいに違いないと、聴きながら思う。Be Choirはゴスペル・クワイアの楽しさや躍動感を大切にしつつ、何よりも言葉のメッセージを重視するグループだ。「彼岸」のように人生を見つめるシリアスなメッセージもあれば、「雑食Animal」のように、ダイエットをテーマにコミカルな風刺を効かせたものもある。言葉と歌が、しっかりとくっついている。
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