【インタビュー】WANIMA、新作EPに「“始まりか終わりか、決めるのは君だ”ということを」

■「CGじゃないの？」とか言われるんですけど、ホントにキツくて
■昼に食べたカツカレーを全部吐きました（笑）──藤原弘樹(Dr/Cho)

──最後を締め括るのが「TRACE」ですね。

松本：この曲は、聴いた人が「元カノを思い出した」とか「家族に会いたい」とか、「携帯のフォルダを見返しました」と言ってくれて。自分の中にある、離れてしまったけど大切な人を思い出してくれるっていう。

──この曲は悲しみもあるけど、愛おしさもあったりして。いろんな捉え方ができるなと思ったんですよ。

松本：聴き手によって様々ですよね。そこは、今作のタイトルである「Think That...」＝「何なんだと思う？」っていう意味なんですけど、その名の通り、聴く人に決めてもらおうっていう。結局、歌ってるときは前向きだったりしますけどね。

──もしかすると、3人が演奏してるときに思い描くものはバラバラだったりすることも？

藤原：あ～、違うかもしれないですね。

松本：ただ、この曲に関してはミュージックビデオの撮影で長野の白馬っていうところに登ったんですけど、あそこで観た景色は共通して頭に流れてるんじゃないかな。

──前作の「1106」に続き、また壮大なミュージックビデオになりましたね。

藤原：あの撮影はホントにキツかったんですよ！　周りから「スタッフに持っていかせたんだろ？」とか「CGじゃないの？」とか言われるんですけど、いやいやいや！　ホントにキツくて、昼に食べたカツカレーを全部吐き出しましたからね（一同笑）。撮影機材はカメラマンさんが持ったんですけど、楽器はもちろん全部を自分らで持って。最初、「バスドラはオレが持つよ！」って登ったんですけど、ほんの10分ぐらいでギブアップ（笑）。

松本：で、元自衛官の光真くんがそこで！

藤原：ひょいっと担いでくれたんですけどね……光真くんって、普段は「キツい！」とか絶対に言わないタイプなんです。でも、そんな光真くんが「……ヤバか！」ってこぼすぐらい（笑）。

──キツいより上の言葉ですね（笑）。

松本：タイトルの「TRACE」って“跡を残す”とか“足跡を残す”って意味なんですけど、まさにそんな感じで踏みしめながら登って。それも自分の中で繋がったりしましたね。

──ミュージックビデオは空撮も凄いですよね。

松本：ドローンを飛ばしてもらいました。

藤原：ただ、演奏してると結構当たりそうにもなったりしてね。「もし、当たりそうだったら落としていいんで」とか言われてたけど、そんなこともできないじゃないですか（笑）。でも、それも含めて、楽しい撮影でした。

──次に新しい作品をリリースするときにはまたミュージックビデオを撮ることでしょうけど、WANIMAはああいうシチュエーションが似合うので、イモトアヤコさんのように自然へ挑戦して欲しいです（笑）。

藤原：「1106」は海、「TRACE」は山だったから、次は空ですかね？（一同笑）。

松本：ともあれ、「自然が似合うバンドだね」って言われるのは嬉しいっすね。

──前作で愛してくれた人は今作も愛してくれるだろうし、新しく知る人にとってもいい入り口になる1枚だと思います。

藤原：愛されたいですね～。

──いやいや、もう結構愛されてるじゃないですか。ツアーファイナルでファンのメッセージがビッシリと書き込まれたフラッグを受け取ってたのを見てビックリしましたから。

藤原：あれはホントに嬉しかった。今回のレコーディングでは、あのフラッグを壁に貼って演奏したり歌ったりしましたからね。

──前作のリリースからこれまで、凄くいい流れでバンドが動いてると思います。となると、ちょっと気は早いですが、やっぱり聴き手としてはフルアルバムを期待したくなりますね。

藤原：バンドとして、フルアルバムへ向かいたい気持ちはありますね。聴いてもらいたい曲はいっぱいあるし。

松本：シングルじゃ伝えきれない部分もあったりするし。まだまだ全然ですから。

──今回のツアーでは、さらなる新しい曲が披露されたり？

藤原：そういう気持ちではあるんで、できたらいいですね。

──となると、ツアーではまさに現在進行形のWANIMAが観れるという。いいムードでやれてますね。

松本：ですね。ただ、フェスとかに出演するといっぱいいっぱいだったりしますけど（笑）。やっぱりプロのミュージシャンはすげえなと思いましたよ。僕らも楽しみながら一生懸命やってはいますけど、まだまだだなって思ったりするし。ガムシャラだけじゃ届かない部分ってあるじゃないですか。そういう部分を考えたり。

──ただ、そのガムシャラがなくなるとWANIMAじゃなくなるだろうし。

松本：そうなんですよね。だから、そこは注意しながらも、たくさんの人の気持ちをグッと動かしたいですね。

取材・文◎ヤコウリュウジ





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