【FUJI ROCKメモリー】[Alexandros]、夢を叶えた初フジロックにしてGREEN STAGEの大舞台。「出演者になるまで行かないって決めてた」

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2015年7月24日(金)25日(土)26日(日)に新潟県 苗場スキー場で行われた<FUJI ROCK FESTIVAL’15>。いまだに“フジロス”を引きずるフジロックファンもちらほらと見かけるほど、大盛況の内に幕を閉じたが、今回BARKSでは、最終日にメインステージであるGREEN STAGEに登場した[Alexandros]のメモリアルなライブの模様を振り返りたい。

◆[Alexandros] ライブ画像

今回のフジロックは大変天気に恵まれた。というかかなり気温も高く、[Alexandros]が登場した3日目の午前11時30分、太陽がジリジリと照りつけていた。突き抜けるような青空の下、GREEN STAGEのトップバッターとして彼らはSE「Burger Queen」と共に堂々と姿を現した。ライブは、最新作『ALXD』の収録曲でありライブでは初披露の「Boo!」から始まった。会場中の誰よりも本人達がいちばん気持ちよさそうに、とびきりに上気した表情を浮かべながらダイナミックに演奏を聴かせる4人。続く「Waitress, Waitress!」では、スリリングで色気のあるこの曲でオーディエンスをすっかり魅了した。そして「Run Away」では、サビの川上洋平のファルセットが美しく響くも、途中は雄叫びも飛び出し、彼らの中でいかに気持ちが高ぶっているかが伝わってくるのであった。

そう、彼らは初のフジロックで、GREEN STAGEという大舞台に立っているのだ。MCで「光栄です! めっちゃ嬉しいです! ありがとうございますっ!」と素直に喜びを表現し、川上は続けてこう語った。「俺が高校生の時にフジロックができて、バイト代でぜってぇ行ってやると思ったんだけど、バイト代が間に合わなくて行けなかったんです。その時、『俺、出演者になってからじゃないと絶対行かない』って決めてました」──そこで今回のフジロック初出演にしてGREEN STAGEの大役。美談過ぎるくらいのエピソードだ。だが彼らは、これまでずっと「世界一のバンドになる」と胸を張って言い続け、実際ここまでのバンド活動の道のりの中で、着実にライブの集客も作品の音楽性もスケールアップを果たしてきたのである。世界を見据え、大きな野望をひとつずつ本当に叶えていくミュージシャンなのだということを、改めて実感した瞬間だった。



[Alexandros]は、彼らにある特別な思い入れを全身で表しながら、文字通り白熱のライブを展開した。その興奮のステージは、今でもすぐに脳裏に蘇ってくるほど。庄村聡秦のタイトなビートと気迫のこもった歌にファンは踊り狂うようだった「Kick&Spin」、雄大で瑞々しい演奏が苗場の空に高く響き渡った「starrrrrrr」。

その後は、川上が「フジロックで結ばれたカップルに次の曲を捧げます」と、いたずらな笑顔を浮かべながら失恋ソング「Leaving Grapefruits」を披露するというひと幕も(笑)。「Famous Day」「ワタリドリ」へと続き、4人は一瞬もそのプレイに手加減することなく、躍動感溢れるバンドの鉄壁のグルーブはスケールを増していったのであった。



遂にラストの曲へと向かったが、その前に、この日のGREEN STAGEの大トリをつとめるノエル・ギャラガーに寄せる尊敬の気持ちが語られた。「あの人が俺の師匠でよかった」と、これまでの活動において何かで迷った際もその存在に導かれてきたのだということを教えてくれた。そして、「楽しい!!」と満面の笑みを浮かべながら叫ぶと間髪入れずに「Adventure」へ突入。そして曲が終わり、サウンドも鳴り止んだあと、サビの「ウォ~オオ~ウォ~オオ~」という歌声を川上はひとり続けたのである。「カモン!」の声にオーディエンスも合唱し応えた。GREEN STAGEには名残惜しさと共に一体感が生まれていた。4人はステージを去ったが、この大舞台に立ったことの喜びと誇りが、その背中から感じられるようだった。ステージがスケールアップすればするほど、そのパフォーマンスがダイナミズムを増していく[Alexandros]のライブを、その勇姿を、これからももっと目撃したいと思った瞬間であった。

取材・文=RYOKO SAKAI

<FUJI ROCK FESTIVAL’15>
2015年7月24日(金)25日(土)26日(日)
@新潟県 湯沢町 苗場スキー場

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