【対談】ミヤ (MUCC)×CIPHER (D’ERLANGER)、「何しろキーワードは“発狂”だからね」

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■ベードラ買ってきてドラマーに「これを叩いてみて」って言うとか
■「マジか? どんなやっちゃねん?」という感じじゃないですか(笑)──CIPHER

──しかし年々、お互いの距離が縮まってきているわけですよね。去年の8月にもCLUB CITTAで共演してるじゃないですか。

ミヤ:そうですね。あの日、終演後に川崎で吞みに連れていっていただいたじゃないですか。打ち上げがあって、で、そのままもう1軒。増田さんも一緒でしたよね(笑)。

CIPHER:そうそう。「もう1時間だけ行こうや」って。初めて酒宴の場で一緒になったのは三軒茶屋やったけど、当時のミヤは今よりももっと吞めないという感じやったから。

ミヤ:当時はそうだったかも。吞めなかったし、吞まなかったというか(笑)。

CIPHER:だから誘いにくかったよね。吞める人やったら「ちょっと行こうや、今度」って言えるんだけど、「そっか、吞めないんか」と思うと……「ご飯行こうか」になりますからね(笑)。

ミヤ:あはは!

CIPHER:川崎の時にしても、「じゃあ話の続きは打ち上げで」ということになった時、あの頃より吞めるようになったって言うから「そうか、じゃあ吞もう」ということになって。で、まあ、あの夜は、あんな感じで……。

──話、はずんでましたもんね。

ミヤ:楽しかったっす、すごく。

▲MUCC<SIX NINE WARS –ぼくらの七ヶ月間戦争- Episode 6.「ARMAGEDDON」>
2014年8月22日@川崎CLUB CITTA'VS D'ERLANGER


──接する機会が増えていくなかで印象は変わってきましたか?

ミヤ:いや、変わらないですね。

CIPHER:本音でええぞ(笑)。

ミヤ:いや、ホントに変わらないです(笑)。やっぱりCIPHERさんとしてのイメージっていうのがあるじゃないですか。いろんな人の口から聞く昔の話とかもいっぱいありますけど……。

──ここで書けないような危ない話とか?

CIPHER:ちょっと待ってよ(笑)。

ミヤ:なんか、そういうのを抜きにしてもホントにいい意味で昔から抱いてきたイメージのままというか、それ以上というか。ただ、そうじゃない元々の部分というのが、こうしてお付き合いさせていただいてるなかで初めて見えてきたことが俺的には重要なんだけど、イメージ自体はまったく変わってないです。やっぱりどこか……怖い感じがあるじゃないですか。これ、本音ですけど(笑)。

CIPHER:おいおい、そこが変わってへんちゅーことか!(笑)。

ミヤ:でもなんか、めちゃくちゃ怖くてめちゃくちゃ優しいというか。そういう感じでなんです、今の自分が言えることは。

──実際、CIPHERさんは初対面の相手から「もっと怖い人かと思ってました」とか言われること、あるんじゃないですか?

CIPHER:ないですね。ホンマ、それはない。

──そう言えないほど怖い、とか。

CIPHER:いやいやいや(笑)。

──逆に、CIPHERさんのなかでのミヤさんの印象の変化というのは?

CIPHER:やっぱりさっき言ったように、エンジニアさんを介して知らされていた一方的なミヤ像というのがあったので。実際にこんなやつだぞと感じる前にね。要はもう、レコーディングに際しての機材の揃え方だのなんだのが尋常じゃない、と。だから、いわゆるオタクという印象ですよね。そういうインプットを俺はエンジニアさんから受けていて。たとえばベードラ買ってきてドラマーに「これを叩いてみて」って言う、とか。「マジか? どんなやっちゃねん?」という感じじゃないですか(笑)。会って話してみると、そういうことがホンマに大好きだというのがわかるんですけどね。そこは俺とはまったく真逆ですから。無頓着の果てに居ますからね。そういう話は俺、一切できないから。でもね、吞んで話してみると、そんなことはさておきという感じで盛り上がるし、男同士、気持ち良く過ごせるから。

ミヤ:なんか、俺がちまちま細かいことを言ってるようなところを、二言三言ぐらいでバシッと「これだろ?」っていう感じで言ってもらえることが多々あるんですよ。俺が言いたかったのはまさにそれでした、みたいなことを。だから「まわりくどいことを言うな!」って何度も怒られました。

CIPHER:おいおい、怒ってないやろ、こらぁ(笑)。

──なるほど(笑)。もしかして、ミヤさんがCIPHERさんに対して感じていた怖さというのは、往年のDANGER CRUEに対して抱いていたイメージとも重なるものだったりするんじゃないですか?

ミヤ:いや、うちらが入った頃のDANGER CRUEって、多分、D’ERLANGERが居た頃のDANGER CRUEとはまったく別モノだろうと思うんですよ。今もまた今で、別モノだと思うんですけどね。最初にこのレーベルのイベントに出た時は、44MAGNUMのメンバーが登場したり、kyoさんのBUGが出たりという感じで自分たちにとっての先輩方が居て、同時にうちらみたいな若手が居て、という流れがなんとなく残っていて。もちろん事務所のイベントというのは今でもやってるんですけど、そういう流れのある感じのものではなくて、それこそ若手だけでやってたりとか。何かを受け継ぐとか、そういう感じではないんですよね。だからこうして自分が任されるんだったら、先輩が居て、後輩が居て、その真ん中に中堅が居て、というイベントにしたいなというのがあったんです。自分が教わったのはそういうイベントだったから。そのほうが絶対面白いし、それがいいなって単純に思ったから、D’ERLANGERをお誘いしたんですよね。だからこの<COMMUNE Vol.1>については、DANGER CRUE云々というよりかは、後輩のバンドにもD’ERLANGERを観てもらいたいとか、その逆とか、そういった気持ちのほうが動機として大きいんです。

──なるほど。ミヤさんは今回、イベント・プロデューサーという立場。察するに、発端としては大石社長から「何かやってくれないか」という指令があったわけですよね、きっと。

ミヤ:そうですね。しかも社長いわく、「なんか最近つまらんな」ということで。

CIPHER:そこで「あんたもな」って言い返したらいいのに(笑)。

──それが言えるのはCIPHERさんぐらいのものです!(笑)。

ミヤ:で、「じゃあイベントでもやりますか」って言ったら、「やってくれ」と。実はここまで丸投げされたことって、これまであんまりなくて。「まあ、任されるんだったら自分なりにまず考えてみます」って言って、今回のようなことになったわけなんです。やっぱり各バンドが、実際にサウンドとして出してるものに引っ掛かるものがあるような顔ぶれじゃないとちょっと嫌だな、と思って。それでこういう並びになったんです。だからDANGER CRUEを盛り上げようという感じでもなければ、若手に場所を、というのでもない。何しろDANGER CRUEプレゼンツと言っておきながら、その所属バンドはほとんど出ないわけで(笑)。だからレーベルのお祭りということではなくて、自分が思う“DANGER CRUE的な感じ”というのをイベントそのものに打ち出そうとしていて。

──いわば、DANGER CRUE精神みたいなものを?

ミヤ:うん。ただ、それを言葉にはしてないんですよ。精神とかイズムを受け継いでいくとか、そういうことも言ってなくて。まあ文字にしたらそうなるのもわかるし、それも間違ってはいないと思ってるんですけどね。

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