【座談会】オムニバス盤『Agitation Clysis』、V系6バンドが「衝撃に、人生変えられている」

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■バンド名を見ると先輩や後輩が結構います。相関図作ります?(笑)──En’ya(More)
■当時のどつかれたような衝撃を持ってまだこうして続けている──kazu(STEREO.C.K)

▲En’ya(More)

──今回のお互いの曲を聴いてないので、なんともコメントはしづらいと思うんですが(笑)。互いのバンドについてはどう思っていますか。

想:どうする、“気に入らねぇ”とか、そういうアレですかね?(笑)。

龍蛾:ははは。対バン関係はもちろん、人間関係としても結構みんなつながりがあるんですよね。だいたいうちに関しては、以前のヴォーカルが、今、STEREO C.K.さんにいるし。

kazu:で、Sel’mには僕がやっていたバンドのローディがいたりとか。そのローディとKaya君は以前一緒にやってたり(笑)。

Kaya:もう15年前になるんですけどね(笑)。

龍蛾:そういう人間的なつながりがあったりもするんです。改めてみると知ってる人ばかりで、defspiralさんは地元の先輩なんですよ。

En’ya:こうやってバンド名を見てると、僕も先輩や後輩が結構いますね(笑)。特典で相関図作ります?(笑)。

kazu:ここは友好関係とか、そうじゃないとか、“×”とか“♡”がついてるようなやつ(笑)。

En’ya:天敵?とか(笑)。

──そういう視点でも面白いオムニバスになったわけですね(笑)。キャリアのあるミュージシャンならでは。

kazu:STEREO C.K.の活動は2年くらいで、HOLLOWGRAMもまだ短いよね?

一也:1年半くらいですね。

kazu:で、Femme Fataleも1年で、Moreは1ヶ月(笑)。emmuréeは16年で。

龍蛾:Sel’mは11年ですね。

kazu:という感じなんですけど、キャリアがある人たちだから、当然みんなこのバンドが初めてではないんですよね。よくライブをやっていてよくあるのですが、対バンの人が僕が以前にやっていた蜉蝣のことは知っているけど、STEREO C.K.に蜉蝣のベースとギターがいるということを知らなかったりする。それはお客さんにも言えることなんじゃないかなと思っていて。それぞれの時代やバンドキャリアのなかにファンがいるけど、その人が今なにをやってるのかを知らない人たちって結構いるんじゃないかなと。今回、こういう作品を出すことでそういう人たちに届くかなと。話が来た時にそれもいいなと思ったんですよね。そういう気持ちもこもっているかな。

▲kazu(STEREO.C.K)

──キャリアを重ねてくる中で、ミュージシャン個々やバンドとしての音楽性の変化というのはそれぞれありますか。

Kaya:多分みなさんそれぞれだと思うんですけど、個人的には結構変化しましたね。核の部分は変わってないんですけど、10年以上ソロでダンスミュージックをやっていたんです。それで10数年ぶりに、バンドに戻ってきた形なので。バンドはもともと好きではあったんですけど、再びバンドを組むとは実は思ってなかったんです。でも今のメンバーに出会ったからですかね。この人たちと音を出したいっていう、じゃあイコールバンドだなと。

一也:僕個人でいうと、HOLLOWGRAMが最初のバンドなんです。なので、音楽が変わったり変わってないというのは特にないんですけど、たぶんみなさん、いろいろありますよね?

kazu:その時々によって、表現の仕方は変わっているけど……例えばHOLLOWGRAMのryo(Vo)さんのことは昔から知ってて、俺からしてみると変わってないなっていうのはあるかな。見せ方だったり、ryoさんだったら言葉を使うからその表現の仕方は変わってますけど、アーティストとしては全然変わってないと思う。

Kaya:ここに集まってるバンド、収録されているバンドは特にそうかもしれないですね。表現方法は変わっても、核となる部分はずっと変わらずにきている人たちというか。

想:emmuréeの場合はもう16年やってるんですけど、たぶん何も変わってないと思う(笑)。手法も変わらないし、やりたい曲も変わらない。それこそ今回の発端となった『EMERGENCY EXPRESS』を聴いていた世代なので、そういうオムニバスから受けた衝撃のまま今もやっている感じはありますよね。1996年にリリースされた『EMERGENCY EXPRESS』にZI:KILLの「憂鬱」が収録されていたんですけど、僕らはその頃受けた衝撃をいまだに出しているだけっていうのはあるんですよ。

──それほど強いものだったということですよね。

想:人生、変えられているのでね(笑)。

kazu:ほんと、そういう衝撃を知らなきゃこんなことやってないよね(笑)。僕らの世代が当時影響を受けたものが、そういうカウンターカルチャーで。当時のどつかれたような衝撃を持ってまだこうして続けている。それだけすごかったんですよね。じゃなかったらもうとっくにやめていると思うんですよ。

──今回はそういう意思をつなぐオムニバスを作るわけですよね。これを聴いて自分もなにかをはじめてみようというキッズたちがどこかにいるかもしれませんね。

想:だといいですよね。当時は、学生だったからお金もないじゃないですか。結構、最初にオムニバスを買って、そのなかから気に入ったバンドのアルバムを買うみたいな感じだったんです。今の若い人がどういう考えかはわからないですけど(笑)。そういうふうになってくれてもいいなと思いますよね。

kazu:オムニバスを買って、そんなに好きじゃないなっていうバンドもなんとか好きになろうと聴いたりしたもんね。

En’ya:それわかる。

kazu:このオムニバスしか持ってないから(笑)。なんとかこの音源から自分の好きなポイントを探そうって。

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