サザン、22年振り日本武道館公演。ビートルズ完コピ演奏のサプライズ

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サザンオールスターズの全国ライブツアー<おいしい葡萄の旅>が、追加公演となる8月17日、18日の日本武道館公演で大団円を迎えた。オフィシャルのレポートで最終日の模様を紹介したい。

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今回のツアーはニューアルバム『葡萄』にふさわしく、愛媛県“武道”館から始まり、この日本“武道”館で締めくくることとなった。五大ドームも含め、全11ヶ所23公演のこの大規模ツアーは合計で50万人にも及ぶ動員を記録、サザンの全国ツアーは、2005年に行われた<SOUTHERN ALL STARS Live Tour 2005みんなが好きです!>以来10年振りだったが、10年振りにして最高動員を塗り替えるツアーとなった。

さらに、サザンの日本武道館公演は、1992年から93年にかけて行われた全国ツアー<歌う日本シリーズ>の最終日以来、実に22年振り。超プレミア公演のチケットを幸運にも入手できたファンは開演前からテンションマックス。“皆様、本日はようこそお越しくださいました”から始まる字幕がステージ上に映し出され、メンバーがステージに登場すると、武道館全体を大きく揺らすかのような大歓声が沸き起こった。

全国各地を大いに盛り上げてきた今回のツアーだが、武道館でも同様にボリューム満点。往年のヒット曲から『葡萄』収録曲まで、新旧にわたるサザンの名曲・ヒット曲を36曲披露、公演時間は3時間半以上にもおよんだ。ライブの中心となっているのはもちろん『葡萄』収録曲。CMソングとしてもおなじみのロマンチックなポップチューン「はっぴいえんど」や、すでに名バラードとの呼び声が高い「平和の鐘が鳴る」では、曲中で自然にさざ波のような温かい拍手が沸き起こった。また、原 由子がメイン・ボーカルをとる「ワイングラスに消えた恋」では、原が普段のキーボードの位置から離れ、ステージ中央に立ちダンサーを従え歌謡ショーさながらに歌い上げると観客は大喜びだった。

終盤になると、会場の盛り上がりはレッドゾーン振り切れ状態。「東京VICTORY」では会場全体がひとつになって拳を振り上げ、「アロエ」では、ステージに多数登場するアロエをあしらった衣装をまとったダンサーとともに客席全体がダンスフロアーと化す。さらに「マチルダBABY」「エロティカ・セブン(EROTICA SEVEN)」「ボディ・スペシャルII(BODY SPECIAL)」「マンピーのG★スポット」という怒涛の盛り上がり曲連続攻撃に、1万2000人が狂喜乱舞した。

中盤のMCで桑田は、「武道館といえば、49年前にかのビートルズが来日してライブを行った場所です」と、自らが最も敬愛するビートルズについて言及、その後そのビートルズにちなんでメンバー紹介が行なわれる。桑田が、当時ビートルズ公演の司会をしたE.H.エリックを真似て「それでは、日本で初めて迎えるビートルズでございます。どうぞ皆様の盛大な拍手でもって迎えたいと思います。Ladies and gentlemen, welcome The Beatles.」と切り出すと、ドラムの松田弘が「リンゴ・スターです」、ベースの関口和之が「ポール・マッカートニーです」、そしてキーボードの原由子が「ジョン・レノンの恋人、小野妹子です(笑)」、さらにパーカッションの野沢秀行が「ジョン・レノンです」と、それぞれ小ネタを交えながら自己紹介。ミュージシャンシップがあふれながらも、ユーモアたっぷりで会場は爆笑の渦に包まれた。

そして、メンバー紹介が終わると、桑田が「曲、やっちゃおっか」の発言に続き、なんとバンド全員で「HELP!」を完コピで演奏。まさかのサプライズと、リスペクト感にみちたバンド全員のミュージシャンシップに、会場全体から温かい拍手があふれる一幕だった。

この二日間の武道館公演で、「おいしい葡萄の旅」は一旦終了。しかし「命ある限りみなさんとこうやって逢瀬を重ねていきたいと思います」というステージ上での桑田の発言通り、今後もサザンの音楽の旅は続くだろう。

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◆BARKSライブレポート
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