【インタビュー】家入レオ、月9ドラマの主題歌「君がくれた夏」は「子供時代の自分を抱擁して“もう行かなくっちゃ”っていう曲」

ツイート

家入レオがフジテレビ系月9ドラマ『恋仲』の主題歌としてもおなじみの通算10枚目のシングル「君がくれた夏」をリリース。これまでに数々のドラマのタイアップを手がけてきた彼女だが、この曲は20才の家入レオ自身が過ごしてきた過去と今をドラマに重ね合わせて書きおろした切なく揺れるバラード。カップリングには“当時は生々しくて発売することができなかった”という思春期の止められない感情を歌ったエッジーなナンバーが収録されている。今回のシングルについて“子供時代の自分を抱きしめてサヨナラを告げるような曲”と表現した家入レオ。傷つく勇気を持って新しいことに挑戦していきたいと未来のヴィジョンについても話してくれた。

◆家入レオ~画像~

■“いつまでも子供のままじゃいられないんだな”って感じることが増えたので
■新しい一歩を踏み出そうとしている人たちの背中を押したいと思って作った曲です


──月9ドラマ『恋仲』の主題歌としてオンエア中の「君がくれた夏」は切なくてちょっとノスタルジック。メロディと歌詞がスーッと溶けていくような曲ですね。ドラマにインスパイアされて書いた曲なんですか?

家入レオ(以下、家入):はい。主題歌のお話をいただいてから制作にとりかかりました。福士蒼汰さん演じる葵が建築家を目指して上京したもののアシスタント止まりで社会の波にのまれながらも奮闘している役で、仕事や友情や恋を通して少年が大人になっていくストーリーだったので、今の自分とリンクするところがあったんですね。私自身、2014年の12月に20歳になって、まわりの友人も就活したりしている中、“いつまでも子供のままじゃいられないんだな”って感じることが増えたので、自分も含めて新しい一歩を踏み出そうとしている人たちの背中を押したいと思って作った曲です。

──ストーリー自体に共感するところがあったんですね。

家入:そうですね。幸せなことにデビューしてからドラマの主題歌を担当させていただくことが多かったんですが、毎回、ドラマと自分との共通点を見つける作業に時間がかかっていたんです。今回は出演されている方たちも同世代だし、今の私が感じていることをそのまま綴ったらドラマに重なっていったのですごくスムーズでした。

──“夏”という季節の儚さと二度と戻らない時間が重なって響いてくるミディアムバラードなんですよね。

家入:そうですね。“また明日ね”って言っていたのが“また今度ね”に切り替わっていくことや、ささいなケンカをしながら未来を一緒に描いていた人と別れて、次に会うときはお互いに知らない日常を生きていることの切なさだったり‥‥。でも、それは大人になっていく上で当たり前の経験で、泣くことでもないのかもしれない。なぜかというと、その切なさは前に進んでいく喜びでもあるから‥‥。

──確かにそうですよね。


▲「君がくれた夏」初回限定盤


▲「君がくれた夏」通常盤

家入:人って子供の頃から練習してきているんだと思うんです。小学校、中学校、高校と変化に馴染めるような免疫をだんだんつけていって、大学に進学したり、就職するときに親元を離れる人もいる。日常だったものが劇的に変わる瞬間もあるだろうし、それは生きていく上で当たり前のこと。だけど、今まで一緒にいた人たちとの別れは痛みを伴う。そういう切なさをぎゅっと閉じ込めた曲になりました。

──“当たり前に そばにいたこと 未来なんていつもそう 疑いもせず”って歌っていますものね。“まるで空を 歩いてるみたいな日々”という歌詞がとても好きなんです。恋をしているときの心模様にも通じるし、まだ地に足がついていない10代の頃を見事に表現しているなって。

家入:ありがとうございます。子供の頃はホントに自由だった。空はどこまでも無限に広がっていて、“いつか世界旅行に行こう!”って嘘偽りなく叶うと思っていたなって。でも、成長するにつれて叶うことと叶わないことの分別がつくようになって、いつしかそんなことを口に出さなくなっていく。“あの頃は恥ずかしげもなく夢を語っていたし、思うがままに話して生きてきたな”と思ったら、浮かんできたフレーズです。

──レオさん自身の過ごした日々も思い出して書いたんですね。

家入:そうです。今までのことを振り返って書いたので、この曲は自分の中でひとつの区切りになるなって。子供時代の自分を抱擁して“もう行かなくっちゃ”っていう曲かな。

──MVもドラマ仕立てになっていますが、レオさんからリクエストしたことはありますか?

家入:監督さんには自分が思い描いている世界観をお伝えしました。前に踏み出せないでいる男のコと女のコが夜の街をさまよっていて、私が彼らにそっと歌いかけるストーリーになっているんですが、最後のシーンでは夜空がバーッと広がるんですね。星は一人で光っているけれど、星が集まる夜空はすごく強い輝きを放っているから、“一人じゃないよ”っていうメッセージが伝わったらいいなと思いましたね。

──そんなMVの撮影時の印象深いエピソードというと?v
家入:夏にさしかかる季節の中、自然豊かな丘の公園で撮ったんです。暗い中、照明をつけると虫がたくさん寄ってくるので歌っている最中にポトッと降ってきたりして、カットがかかった瞬間に“キャ?ッ!!”って(笑)。

──(笑)虫との戦いだったわけですね。

家入:虫除けをたくさん撒いて撮影しました。セットチェンジのときはスタッフさんと怪談話をしていたんですけど、ひとりで怖がっていました(笑)。暗い中で聞くとホントに怖いんですよ。

──レオさんも怪談話を披露したんですか?

家入:私はおびえながら聞くばっかりでした。

──虫におびえて怪談におびえるMV撮影?

家入:(笑)そうですね。でも、すごく素敵な景色の中で撮れたのでよかったです。

◆インタビュー(2)へ
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス