【インタビュー】家入レオ、月9ドラマの主題歌「君がくれた夏」は「子供時代の自分を抱擁して“もう行かなくっちゃ”っていう曲」

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■新しいことをするときにはきっと傷つくと思うんですが
■傷つく勇気と行動する勇気さえあれば何でもできると思う


──カップリングの「Shooter」はクールでカッコいいですね。

家入:この曲は10代の時に作ったんです。誰にでも自分の可能性を消し去ってしまいたくなる衝動に駆られる時期があると思うんですが、私はそういう気持ちが特に強かったんです。自分で音楽の道を選んだものの17才でデビューしたので、まわりのコが遊びに行っているときも歌手活動をしているから、だんだんキツくなっていった時期があって。フツーにできることができない悔しさがあったんですよね。

──友達や彼氏と一緒にゴハンに行ったり、海に行ったり、同世代のコたちがしていることができないっていう。

家入:そうですね。全部捨てて逃げ出したかったし、壊したかった。でもそれと同時に自分を圧迫するものや圧迫している人たちにすごく愛されたかったんです。そういう矛盾した気持ちをぶつけられた曲です。

──「Shooter」は夏の歌ではないけれど、理性のコントロールがきかなくなるという意味で“ひと夏の恋”みたいな捉え方もできるなと思いました。

家入:確かに心情的には、ひと夏の恋に似ているのかもしれない。私が逃げ出したいと思ったのも時期的なものなので、そういう意味では重なるところがありますよね。

──心が揺れまくっている時期というかね。

家入:そう。人生に一回しかない思春期みたいなもの。“花の命は 短すぎて 飛び込みたくて 我、忘れた”というところは自分の10代を象徴していると思います。

──ちょっと自暴自棄になっちゃうような感覚?


▲「君がくれた夏」初回限定盤


▲「君がくれた夏」通常盤

家入:全部、放棄したかった。いろいろなことに絶望しちゃって“なんで、こんな気持ちのまま、こんなことやらなければいけないんだろう”、“なんでこういうことができないんだろう”とか、さまざまな気持ちが渦巻いていました。10代のときに書いたんですけど、そのときに「Shooter」を発表するのはあまりにも生々しかったので、ずっと眠らせていたんです。でも、今回、「君がくれた夏」のカップリングを決めるときにカップリングの候補曲を聴いたら、“この曲、すごく10代っぽいな”って。そう思ったときに“もう過去のことになってるんだ”ってショックも覚えたんですけど、距離感が生まれたからこそ、ちゃんと作品として届けられるなって。

──なるほど。キャロル・キングの「I Feel The Earth Move」のカヴァーのライブヴァージョンも収録されていますが、もともと好きな曲なんですよね。

家入:すごく好きでデビュー前からずーっと歌っている曲です。福岡に住んでいた頃にオリジナル曲とこの曲を歌っていた私を見つけてくれたレコード会社の人がいたからこそ、今の私がいるっていう。ツアー中、日比谷(野外大音楽堂)で歌っていても、渋谷公会堂で歌っていても、その人が客席にいてくれて、すごく感慨深かったし、いろいろなことを考えました。

──今回のシングルにはレオさんのヒストリーが詰まっているんですね。初回限定盤にはツアー初日の日比谷野外大音楽堂のライヴ映像もパッケージされていますが、ツアーを通してまた成長できましたか?

家入:はい。できたと思います。15公演のツアーは精神力も要求されるけど、楽しかったし、あらためて自分がやりたい音楽の形が見えたんです。もっとライヴ中心に活動していきたいと思ったし。

──やりたい音楽の形とは?

家入:もっとバンドサウンドにこだわりたいと思ったし、もっとライヴ感、臨場感のあるロックテイストに寄った曲を歌いたいなと思いましたね。“もっとこうしたい、ああしたい”という気持ちが溢れてきました。

──レオさんの歌はバラードもエッジのあるロックも甲乙つけがたい魅力があるんですよね。声の力や歌い方もふくめて両方、表現できるのが武器だなと。じゃあ、今後はもっとロックに振り切れた曲も歌っていきたい?

家入:そうですね。ロックに寄せた曲も歌いたいし、逆にピアノだけをバックに歌うのもいいなと思うんですよね。

──楽しみです。

家入:なんか、最近、当たり前のことって1つもないと思うんですよね。平和ってないんじゃないかなっていうか。

──それは心の平和っていうこと?

家入:それも含めてですけど、今、こうやって話している最中にもどこかで終わりのカウントダウンが始まっていたり、次の始まりへのゴングが鳴っていたりとか、そういう意味でいうと、この環境は当たり前ではないし、いつ何が起こっても不思議ではないと思うんです。例えば、すごく大切なスタッフが違う現場に移ってしまうかもしれないし、私の声が出なくなって歌えなくなるかもしれない。だからこそ、今、やるべきことを1つずつちゃんとやっていこうって。

──今は今しかないと思う気持ちが強くなった。

家入:そうですね。自分がよりしっかりしなくちゃと思うようになりました。

──あんまり頼るイメージないですけどね(笑)。

家入:いや、もちろん、今でも多くの人たちに支えてもらっているんですが、以前は“この人がいなきゃダメ”、“あの人がいなきゃ”っていう気持ちが実は強かったんです。でも、もう20才だし、いつまでもそんなこと言っていられないなって。どんな状況に置かれたとしても私は私でいなきゃいけないし、自分の音楽を届けていきたいと思ったときに、ひとつ強くなれたのかもしれないと思いました。

──じゃあ、プライベートで“レオちゃん、変わったね”って言われることもある?

家入:…って言われるほどプライベートの時間が今はないんですけど(笑)、これからですね。
v──20才になったら楽しみにしていることがたくさんあるって言ってたけど、まだ炸裂してないんだ?

家入:してないです。“明日も仕事があるよ”って言われると体のケアを考えなくちゃいけない(笑)。

──ははは。まとまった休みがあるといいですね。

家入:ね。でも、2015年は走る年ですね。

──では、最後に2015年は突っ走る宣言をぜひ。

家入:今やれることをやることがいちばん大事だと思っていて、その先に自分がやりたいことが見えてくると思うんですよね。音楽的な挑戦にしても新しいことをするときにはきっと傷つくと思うんですけど、傷つく勇気と行動する勇気さえあれば、何でもできると思う。たくさん傷ついてたくさん笑っていたいですね。

取材・文●山本弘子



ニューシングル「君がくれた夏」

8月19日(水)発売
初回限定盤 (CD+DVD / VIZL-853) ¥2,000+tax
完全生産限定盤 (CD+グッズ / VIZL-854) ¥1,700+tax
通常盤 (CD / VICL-37087) ¥1,200+tax

【CD】
01.君がくれた夏
02.Shooter
03.I Feel The Earth Move (Live)
04.君がくれた夏 (Instrumental)
05.Shooter (Instrumental)

【DVD】
・君がくれた夏 (Music Video & オフショットムービー)
・Live at 日比谷野外大音楽堂 2015.5.4
lost in the dream
Silly
純情
サブリナ
Bless You
TWO HEARTS

ライブ・イベント情報

<情熱大陸SPECIAL LIVE  SUMMER TIME BONANZA'15>
2015.08.22 (土)夢の島公園陸上競技場
[問]キョードー東京:0570-550-799、キョードー横浜:045-671-9911

<FREEDOM aozora 2015 九州>
2015.09.05 (土)みやざき臨海公園 サンマリーナ宮崎 多目的広場
[問]GAKUONユニティ・フェイス:0985-20-7111 (平日:10:00~19:00)
http://www.freedom-aozora.com/

<【HANABI Music Fes.】 World Heritage Munakata 2015>2015.09.12 (土)神湊海水浴場(釣川河口左岸) 特設野外ステージ
[問]World Heritage Munakata 事務局 TEL:0940-51-2013 (平日9:00~17:00)
http://www.miare.jp/

<ビクターロック祭り 番外編 IchigoIchie Join 2 家入レオ × 大原櫻子>
2015年10月13日(火) Zepp Tokyo
出演:家入レオ / 大原櫻子
[問]tep TEL:03-5453-7558(平日13時~18時)

<「君がくれた夏」リリース記念!会場限定特典お渡し会>
<東京>
2015年8月19日(水)「お台場夢大陸 めざましライブ」
会場:お台場夢大陸オマツリランド内 夢大陸 SUMMER GATE スタジアム
<名古屋>
2015年8月23日(日)「君がくれた夏」発売記念イベント 
イベント内容:ミニライブ+特典お渡し会
会場:エアポートウォーク名古屋 3F イベントステージ
<大阪>
2015年8月23日(日)「君がくれた夏」発売記念イベント
会場:あべのキューズモール 3F スカイコート
CD会場販売開始時間 10:05AM

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