【インタビュー】the GazettE、2014年の再定義を経て原点に大きく舵を切り返した新作『DOGMA』

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2015年の3月10日の日本武道館のライヴで、彼らは中央に13段の階段を象徴的に置いたコンセプチュアルなステージを魅せた。そして。彼らはそのライヴの終演後、今後の展開を臭わすシンボルと【漆黒】と【教義】というワードを提示し、今ここに、ニューアルバム『DOGMA』を完成させたのである。2014年1年を通して【再定義】を掲げたツアーを行ないながら、並行して制作していたという今作。約1年10ヵ月ぶりとなる『DOGMA』と名付けられたその作品の中には、いったいどんな想いが込められているのだろう?

◆the GazettE~画像~

■今回はもともと七つの大罪っぽい感じにしようと思っていた
■虚無・猛威・奇怪・夢魔っていう意味が連なっている統一感


──2015の3月10日の武道館のライヴを観た人たちは、明らかにそこから大きなプロジェクトが始動したのを感じ取ったと思うけど、どのあたりから今回の大きなプロジェクトのテーマが生まれてきた感じですか?

RUKI:アルバムタイトルにもなってる『DOGMA』っていうワード自体は、2014年の6月ぐらいかな。武道館に近い時期に、ふと【プロジェクトダークエイジ】って書いたのが、確か事の発端だった気がするんです。「OMINOUS」だけ出来てた状態だったんですよ。あとはコンセプトもなにもなく、最初一度進めてみたんです。

──おのおのの曲作りを?

RUKI:そうそう。まず一番最初何作ろうとか言わずに、好きな曲だけ持ってくるっていうので、みんな持ってきて。それを聴いて。そこから「OMINOUS」は残したんですけど、その他の曲は、これからやろうと思っているモノとはちょっと違うよねって。最初の曲出しの段階では、そんなに前回のアルバムと変わらないようなニュアンスがあったんで、そうじゃないよねみたいな話になって。で、そんときに俺の中に『DOGMA』ってタイトルとジャケットのイメージができて。その時点で、それを見せてメンバーにその意図を説明したんですよ。そこからもう1回作ってこようかって、それぞれが曲作りに向き合ったんです。

──メンバーに伝えた具体的な意図とは?

RUKI:2年近く振りに出すものだったら、もうちょっと変わったものというか、ちょっと今までの自分たちを汲むようなやつをやりたいって話をしたんですよ。と言っても、それもすごく抽象的な言い方なんで、各々『DOGMA』っていうものを感じて、そこを意識して1回作ってこようってなって。そこからですかね、だんだん自分たち的にも向かう方向がはっきりと見えてきて、固まってくるようになってきたのは。


▲『DOGMA』完全生産限定盤


▲『DOGMA』通常盤

──今回オリジナルアルバムとしては通算8枚目になるわけでしょ。受け取り側である私たち的には、the GazettEは、常に新しい音というか、新たなジャンルをthe GazettEの中に吸収して消化して、それによってthe GazettEらしさを新たに作り生み出してきたみたいなアルバム作りだった気がするのね。特にここ最近から数えた2~3枚のアルバムは挑戦、挑戦、挑戦でこう来た感じが強かったと思うんだけど。

RUKI:うんうん。

──そこを経て、自分たち自身がthe GazettEらしさというところを見つめ直して、自分たちの原点に大きく舵を切り返したというか、そんな感じに見える。

RUKI:うん。わりとずっと『TOXIC』っていうアルバムから『BEAUTIFUL DEFORMITY』っていうアルバムあたりは、結構実験的というか、なんかこう自分たちのライヴにおいてどんどんどんどん変化していこうっていうよりは、音楽的にどうやっていこうかっていうのを試行錯誤してやっていたアルバムだったからね。『DIM』辺りまでは、どっちかっていうと1枚出して自分たちと更に向き合って、次のアルバムではそこで学んだことや吸収したことを活かして、どんどん進んでいった感じがあったんですよ。これを得てライヴでどうしたいかっていうのが頭にあったのかなとは思いますね。

──なるほどね。『DIM』は“仄暗さ"という一つの軸となるテーマがあったアルバムでもあったけど、ちょっとそこと近い作り方でもあったのかな? もちろん、まったく同じ感覚ではないだろうけど、『DIM』に向き合うときの向き合い方と近かったとか?

RUKI:まぁそうですね。『DIM』も、やろうと思ってやったっていう作り方だったから。でも、違うのはバンドのテンション感的なところかな。

──バンドのテンション感なところ?

RUKI:そう。バンドのテンション感が、特に『DIM』の頃は悪くて。

──あ、そうだったの?

RUKI:うん。テンション感っていうか、ピリピリした感じがちょっとあったというか。そんなのもあって、自然とああなってたって感じだったんだけど。『DOGMA』もポジティブかっていったらどっちかって言うとネガティブ要素が強いので、なんかそういうところは反映されているかなぁとは思う。あえて暗くしようとかはなかったんですけど、作るときの環境が明るいものかって言ったらそうでもないっていうのが反映された感じはあるんです。例えば怒りだったり憤りだったりとか、そういうものを日々感じていく中で創りだしていくものっていうのは、わりとこうなっていくっていうか。そんな気がしますね。

──今、バンドのテンション感としては、すごくいいと感じるけどね。

RUKI:そうですね。今、バンドの状態はすごく良くて、今回のアルバムもストイックなモノが出来たっていう自信はあるんですけど、なんだろうな、わりと素に近いというか、やりたいことをやってるっていうニュアンスに近いかなって思うんですよね。

──今回、EDMっぽい同期音を排除する方向にもっていったのはどうして?

RUKI:なんかEDMって印象が強いし、1回やったからちょっと自分たちの中で満足感もあって。今アルバム作るなら、基盤であるバンドサウンドがいいなって発想になったんです。

──たしかに、EDMは音の存在感が大きいからね。でも、the GazettEは、the GazettEというバンドの中で、すごく上手くEDMを使っていたというか、ならではの融合を感じたし、大きな個性を残したと思うけどね。間口を広げた気がするというか。

RUKI:たしかにそうですね。俺自身は、EDMがどうというとこより、音自体が好きだったので、それだけかなって感じなんです。ベースの感じとかも好きでしたけど、そういう意味では、the GazettEの音をどうこうというより、わりと趣味に忠実というか。そんな感覚だったんですよね。こんな音入れていこうっていう好奇心というか。

──うん。そういうところこそが個性となるわけだからね。

RUKI:わりと実験的というか。まずはそんな好奇心から始まるというか。

──取っ掛かりはそこからだろうからね。そこの追求が個性となる。

RUKI:そう。音楽の趣味も変わっていくしね。そういうとこは、わりと忠実というか。

──【これ、今すげぇやりたい気分なんだよね】、でいいと思うんだよね。それをthe GazettEとしてどう消化してくるかっていうところに個性があるわけで。そういう意味では、今回のアルバム曲は、いままでのように1曲ずつにいろんなチャレンジがあるってわけではなくて、全部を通しての一環した見せ方でもあると思うんだよね。

RUKI:うん。アルバムの曲作りの仕方って、わりと1個の作品を作ろうとするんですよね。メンバーそれぞれ違うと思うけど、俺がアルバムの曲を作るときは、なるべく全部のアルバムが見えやすいように曲を多く作る。だからそのなかの展開だったりっていうのはあるんですけどね。いままでは、作りたい音に向かって作っていた感覚だったけど、今回は【the GazettEらしさってなんだろう?】っていうところが自分たちの中のテーマでもあったから、すごく難しかったのもあったんですよ。the GazettEってのは、なかなか分からないんですよね、自分たちだと。

──“らしさ”って、そういうものだよね。2014年の再定義を経て、今回のアルバムを作ってみて、少し前に話を聞かせてもらったとき、改めて【the GazettEとは】っていうところに5人で向き合ったって言ってたけど、客観的にthe GazettEらしさって見えた? 客観的に受けとめる立場にある私たちからすると、今回、アルバムという形で改めてこれだけの固まったthe GazettE感を14曲見せてもらって、the GazettEらしさが見えたけどね。RUKIくんが歌詞としてテーマにすることとか、ジャーナリズム的な切り口だったりとか、歌詞の持ってき方とか、譜割とか、メロディの構成とか、改めてすごく色濃く見えた気がするっていうか。

RUKI:すごくラウドに転ぶか、ヴィジュアル系なのかって、結構極端に転ぶ方多いじゃないですか。うちはあんまそれがないというか、極端に転ばせないというか。あんまりジャンル的にどっち寄りって考え方はあんまりしない。だからちゃんとメロディもあるっていう。それっぽいメロディっていうよりは、本来の自分たちのメロディのまま活かそうと思うというか。それが自分たちの個性というか、独特の感じなのかって思ってるんですよね。ぶっちゃけ、曲作ってるときにはそこまで考えてないというか、あんま気にしてないんですけど、自然とそうなってる気がするんですよね。

──「DAWN」の持つメロディの感じは、まさに独自の感じだよね。

RUKI:そうですね、すごくthe GazettEっぽいっていわれるんですけど、自分的には正直、こんな感じのあったっけ? って感じですけど、まぁなんとなくメロディの感じがthe GazettEっぽいのは分かる気はしますね(笑)。

──「DAWN」は、まさにこのプロジェクトの始まりでもあった、3月10日の日のことを歌っているっていうところのリアルさも色濃くthe GazettEの今を感じさせてくれたしね。ところで。いつも長いワードが曲タイトルになっている印象だけど、今回、曲タイトルが全部単語だよね。そうしたことには、何か意味が?

RUKI:そう。今回単語でお送りしてますからね(笑)。こだわりというところではないですけど、もともと七つの大罪っぽい感じにしようと思っていたんですよ。虚無・猛威・奇怪・夢魔っていう意味が連なってる感じでね。統一感を持たせたかったんですよね、そこで。だから意味もわかりやすいっていうか、そのものに対しての一言というか。

──その曲で提示したいことっていう印象だよね。じゃあ逆に、今までひとつの文章としても受け取れるようなワードを曲タイトルにしていたときの意味はあるの?

RUKI:いままでは、歌詞を書いて、わりとそれの結果について書いたワードがタイトルになってたんですよ。別に、タイトルになっているワードが歌詞に出て来るとか、そういうことではないんですけど、本当はこういう意味なんだよっていうことを、タイトルとして付けてたっていうか。例えば、この曲を色で表すとこんな感じ、とかね。そういう付け方だったんです。作文書いて、それにタイトル付けるのって、すごく難しいですよね。その一言に集約するっていうのが難しいんですけど。だから前は、歌詞で言い切れなかった部分をタイトルにするっていうのが多かったんですよね。わりとテーマの部分をタイトルで書くというか。そういうのがのが多かった。

──なるほど。歌詞って、また作文とは違うから、すごく限られた文字の中で言いたいこと、伝えたいことを綴っていくから、本当の意味は聴き手に委ねられるというかね。聴き手がどう取るかっていうところで、それぞれ伝わり方が違うと思うのね。

RUKI:たしかにそうですよね。どこをどう解釈するかで、伝わり方も変わってくる。もちろん、それでいいと思うんですよ。でも、たしかに、何のことについて書いたかを伝えることで、より明確に何が伝えたかったのかは伝わりますからね。

──そう。たしかに、【「BIZARRE」は、少年犯罪のことについて書いた歌詞です】って言ってしまうと、すごく軽く思われがちだけど、でも、少年犯罪そのものを歌っているわけじゃなくて、「BIZARRE」は、なぜそういうところに至るのか、っていうところを歌っているわけでしょ。少年犯罪について書かれた歌詞であったことを知ることがなかったら、ふわっとしちゃうけど、少年犯罪について書かれた歌詞であることを知って聴くことで、RUKIがそこで伝えたかったこと、それに対するRUKIの哲学を深く読み取れることになるわけだからね。

RUKI:そうっすね。今までは言わない美学みたいなのがあったんだけど、わりとヒントでも何でも、より言うとわかりやすいかなって思うようになったというか。

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