【ライブレポート】Chelsyの未来は輝いていた

9月5日（土）、渋谷duo MUSIC EXCAHNGEにてChelsyのレコ発ワンマンライブ＜I'm here cause I miss you＞が開催され、フロアを埋め尽くしたオーディエンスの拍手は、アンコールの演奏が終わった後も鳴り止まなかった。

◆Chelsy画像

ステージ後方のスクリーンに映しだされたオープニング・ムービーには「自分たちの音楽が、それを聴いた人の何かの“キッカケ”になって欲しい」という想いが込められていた。白い紙で文字や楽器、笑顔、音符の形を作り、それをコマ撮りによって表現した温かみのある映像は、Chelsyのキュートさと音楽への真摯な思いが込められているようだった。




それにしてもChelsyのステージは素晴らしかった。レディースバンドにもいろんなタイプがあるし、何が一番で何が最も凄いという話でもないが、Chelsyの存在はあらゆる点で一段抜けている。楽曲のよさ、声の良さ、歌の良さ、バンドの表現力、そして個性際立つ各メンバーのキュートなルックス、MCのフランクさ、グンを抜いた演奏力…そして何よりも特筆すべきは、音を出すこと／音楽を演奏することが楽しくて仕方がないという思いが、表情から、動きから、そして音そのものからはじけるように伝わってくる多幸感だ。音楽に向かう3人の視線に迷いがない。それはとても清らかで崇高なものにも見えた。

MIOのヴォーカルを中心に、タイトでキレの良いグルーブを生み出すMIOのドラム、舐め回すような深みと疾走感を併せ持ったSHIZUKAのベースは、一瞬でオーディエンスを心地良い音の波に乗せてしまう。

「久しぶりにこの曲をやります、Rocket」と、ライブでしか聴くことのできない曲やアニメ『アオハライド」の挿入歌「I will」、この日初披露となった新曲「You Make Me」でのフロア全員で楽しんだ振り付け、こちらも初披露の「Rain」など、様々な表情を見せるChelsyの楽曲が、オーディエンスから笑顔を引き出していく。


12曲目の「My Way」では、「みんなで合唱するシーンを想い描いて、書きました。」（MIO）と、ステージ後ろのスクリーンにMIOの手書きの歌詞が映し出され、会場全体で大合唱が繰り広げられた。「My Way」はインディーズ時代に初めてCDを作った時の1曲目に収録された楽曲で、最も長く歌い歩んできた曲だからこそ「みんなと一緒に歌いたい」と語ったものだ。

「私たちは、みんなにとっての何かの“キッカケ”になりたくて音楽をやってます。…自分たちが続けたい音楽をキャッチしてくれる人たちが居て、皆さんが居て初めて、このステージに立つことができるんです！そんな想いを込めてツアータイトルも、『I'm here cause I miss you』にしました。本当にありがとう！」──MIO


本編のラスト「Rain」を終え、アンコールの歓声に迎えられ、MIOの口から10月にメキシコでライブをおこなうことが発表され、「YES」と人気曲「escape」（未CD化音源）でこの日にライブは幕を閉じた。

「私たちは、バラードが強みのバンドだから、MIOの声をより良く魅せるような演出を心掛けた…」と、ベースのSHIZUKAが、このライブに込めたメッセージをライブ前に話してくれたが、バラードの良さのみならず、彼女たちの存在自体がキラキラときらめいて見えた。Chelsyの未来は輝いている。









◆Chelsyオフィシャルサイト