【ライヴレポート】VALSHE、「うまくいかないと思ったことも無駄じゃなかった」

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デビュー5周年を記念したベストアルバム『DISPLAY –Now&Best-』のリリースに先がけて、全国5都市を廻る初のライブハウスツアー<VALSHE LIVE TOUR 2015 LIVE THE ROCK!! 2015 ~BEST DISPLAY for...>を開催したVALSHEが9月6日、東京TSUTAYA O-WESTにて、そのセミファイナル公演を行なった。

◆VALSHE 画像

ヴォーカリストとしての実力に定評があるVALSHEだが、これまではコンセプチュアルなライヴが多く、至近距離のライブハウスでストレート勝負のパフォーマンスを見せるのは今回が初。ドラム、キーボード、べース、ギターという4ピースが姿を現したところで沸き起こった大歓声の中、ステージに颯爽と登場したVALSHEの姿がクールで凛々しい。ライヴは彼女のヒストリーが凝縮されていると言っても過言ではない新曲「DISPLAY」で幕を開けた。

「セミファイナルですが、ファイナルという気持ちで臨んでいこうと思うんですが、いいですか!?」──VALSHE

VALSHEが煽り、ゲーム『WRITERZ』のテーマソングに起用されたアッパーチューン「marvelous road」ではイントロで大歓声。ハンドクラップで盛り上がるオーディエンスからは本物がすぐ近くに居るという興奮が伝わってくる。「もっと!」とたきつけるVALSHEのヴォーカルは切実で、声に何ともいえない色気がある。


「盛り上がってますか!? すでにVALSHE、汗だくです! ひとりだけじゃ許せないから、みんなにもびっしょびしょになってもらいます! 次は東京限定セレクトのナンバーです。1回もライヴで歌ったことがない曲」──VALSHE

今回のライブハウスツアーでは各地でその土地でしか演らないスペシャルな曲が披露されているが、この日、セレクトされたのは不安と葛藤に揺れていた時期のことを綴ったという「Dead to the World」だった。“本当はもっと 明日に期待したいんだろう?”と歌うこの曲のイントロでVALSHEは過ぎ去った日々を思い返すかのように目を閉じたまま、上を向いていた。

さまざまな時期を乗り超えてきたVALSHEのリアルが歌や表情、発せられる言葉からダイレクトに伝わってきたのがこの日のライヴだった。「AFFLICT」と「Fragment」を歌う前のメッセージも印象的だった。

「次は2曲が対になっている珍しい曲です。表裏をテーマにしているんだけど、みんなもいろんな顔を持っていると思うんだ。“頑張るぞ!”と思っても、ひとりになると“うまくいかないんじゃないか”って不安になったり。それはついてまわるものだから、うまく付き合わなきゃって。そういう想いを歌にした曲です」──VALSHE

ほとばしる熱も包みこむような優しさも感じさせてくれるVALSHEの歌には、人間味と奥行きがある。疾走感たっぷりのエレクトリックなダンスナンバー、開放感あふれるポップチューンと、守備範囲は広いが、それらを1本の線で繋いでいるのがVALSHEという表現者のメッセージと誰にも似ていない存在感なのである。


バックバンドのメンバーによるインストゥルメンタルを挟んで、中盤でTシャツに青のライダースに着替えたVALSHEが再びステージに姿を現し、「Myself」では大合唱。VALSHE楽曲の中で最もテンポが速く、ロック色が強い「ジツロク・クモノイト」では「東京! 暴れていこうぜ!」「もっと来いよ!」と叫び、攻撃的なヴォーカルを叩きつける。その凛々しい表情はバラードを歌っているときとは、まるで人格が変わったかのようだ。続いて日本の近現代文学をモチーフにした最新ミニアルバムから「人間失覚~破戒の枝~暗い夜の行き路」のメドレーへ。難易度の高い曲をピッチをはずさないで歌う力と性別も年齢も超えていく表現力には魅了されずにはいられなかった。

「ライブハウスがいいなと思うのはいちばん奥まで顔が見えること。見えてるからね」と笑顔を見せ、力強いビートと突き抜けるメロディが快感の「REVOLT」ではコール&レスポンス。EDMを取り入れたポップチューン「MANY ORDER」ではタオルを振ってジャンプ。少年のようでもあり、少女のようでもある無邪気な表情を見せた。

「楽しんでる? 最高だね。楽しい時間は限りがあるから楽しいんだと思うんだ。最後に今日、いちばんの熱と声を!」──VALSHE

大歓声の中、本編をアニメ「名探偵コナン」のテーマ曲でおなじみのヒット曲「Butterfly core」で本編を締めくくった。


アンコールではTシャツに赤のチェックのパンツ姿で登場し、VALSHE流R&R「PLAY THE JOKER」を投下。ツアーを共に廻ってきたメンバーをひとりひとり紹介し、バラード「Another Sky」で切なく透明感のある歌声を響かせると場内のあちこちから「ありがとう!」という声が上がる。

デビュー当初は謎に包まれていたVALSHEというアーティストがこれまでにぶつかってきた壁や悩み。そんな話も明かされ、「わかりあおうって思ったのは、みんなのせいだからね」という言葉のあとに歌われた「君への嘘」も鮮烈な印象を残した。

「たぶん、いつだってこうやってみんなに会えていたら、こんなに“もっと”って思う欲はなかった。うまくいかないと思ったことも無駄じゃなかったって今はすごく思ってるし、今なら必要だったと思える。だって、こうやって触れられるぐらい近くにいるんだよ。でも、今を作った原点は忘れたくないし、みんなにも忘れてほしくなかったから、もう1度、生まれ変わらせた楽曲があるんだけど、聴いてもらえますか? この曲があるから次に行けると思った」──VALSHE

5周年を目前にしたVALSHEから贈られた曲はインディーズ時代のナンバーのリメイクヴァージョン「crash!-REBIRTH-」。原点を胸に刻み、新たな扉を開け放ったのが、今回のライブハウスツアーでもあった。最後の最後はみんなのシンガロングが響きわたった「Shout of JOY」。すべての演奏が終わった後はバンドのメンバーと手を繋いで挨拶。「ライブハウスツアー、大成功、ありがとうございます!」とすがすがしい表情で叫んだ。

なお、ツアーファイナルはデビュー5周年の集大成となる10月3日の舞浜アンフィシアター公演だ。VALSHEからの「重大発表」があることが予告されている。

取材・文◎山本弘子


■ベストアルバム『DISPLAY –Now&Best-』

9月23日(水)発売
【初回限定盤(CD+DVD+フォトブック)】JBCZ-9019 4,200円 tax in
※三方背仕様
※フォトブック(24P)付き 
<特典DVD収録内容> 
・「DISPLAY」MUSIC VIDEO
・Making of 「DISPLAY」 
【Musing盤(CD+豪華ブックレット)】JBCF-9006 13,000円 tax in
<特典内容>
※LPサイズスペシャル・パッケージ仕様
※三方背BOX 収納
※豪華ブックレット(28P)付(LPサイズ撮り下ろし写真、書き下ろしイラスト、歌詞を掲載)
※音楽ポータルサイト"Musing"のみでのお取り扱いとなります。
※Musing限定特典は、白皙描き下ろしコミック!
VALSHE非公認サークルの始動&続報をお待ちください!
【通常盤(CDのみ)】JBCZ-9020 2,800円 tax in
<CD収録内容>※全共通楽曲
DISPLAY
crash! -REBIRTH-
Myself
REVOLT
jester
PLAY THE JOKER
AFFLICT
Fragment
Tigerish Eyez
BLESSING CARD
Butterfly Core
RAGE IDENTITY
TRANSFORM
marverous road
TRIP × TRICK
ジツロク・クモノイト
君への嘘
全17曲
<全共通封入特典>
※連動特典応募用ID封入

■<VALSHE LIVE TOUR 2015 ファイナル公演 LIVE THE ROCK!! 2015 ~BEST DISPLAY for YOU~>

2015年10月3日(土) 舞浜アンフィシアター
開場/開演 17:30/18:30
全席指定 6,500円(税込)
※3歳以下入場不可。4歳以上チケット必要
チケット一般発売:2015年9月19日(土)
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888(平日12:00~19:00)

◆VALSHE オフィシャルサイト
◆VALSHE オフィシャルブログ
◆VALSHE オフィシャルTwitter
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