【詳細レポ】VAMPS、<BEAST PARTY>初日「なんでそんなにセクシーな格好してるの?」

ツイート

日中の最高気温が35度に届く猛暑日となった8月22日にVAMPS恒例の<BEAST PARTY 2015>が開催された。先ごろ公開した速報レポに続いて、同イベント初日の詳細レポをお届けしたい。

◆<VAMPS LIVE 2015 BEAST PARTY> 画像

通算4回目を迎える野外イベントの会場は3年ぶりのビーチとなる幕張海浜公園BEACH STAGEで、もちろん今年もビキニ姿のワイルド&セクシーな美女とBEASTな男子が多数参戦。初のフリーエリアが設けられたことに加え、際限のない砂浜での開催とあって<BEAST PARTY>史上最多の20,000人、2日間で40,000人の動員を記録することになった。また休憩エリアのフードコートには『Food Nations~肉フェス~』のコーナーが広がり、VAMPSと『肉フェス』が共同開発したオリジナルコラボメニューを販売。ガッツリ食べて暴れる体力をチャージした人も多かったのではないだろうか。




青空の下、砂浜の上に立つ<BEAST PARTY>のフラッグがたなびく海賊たちの宴が繰り広げられるステージセット。この光景が目の前に飛びこんでくると、それだけで“今年もVAMPSの夏がやってきた”とワクワクさせられるが、加えて、今年はステージ下手側にどこまでも海が広がっている。最高のロケーションだ。2014年はメンバー全員が各々バギーに乗って客席エリアを走りまわるオープニングで沸かせたが、今回はオーディエンスの中を屈強な男たちに神輿のごとくかつがれてHYDEとK.A.Zが登場。それも、スクラップCARの車体部分に乗ってエリアを回るというクールなオープニングに、もちろんオーディエンスは大熱狂だ。

幕開けのナンバーは1stアルバム『VAMPS』収録の「I GOTTA KICK START NOW」、続いて「AHEAD」が投下される。

「ようこそ! <BEAST PARTY>へ。よく来たな。BLOODSUCKERS! これがないと夏が終わらないから。そして今日ほど天気を気にしなかったことはありません。何の心配もいらないから安心して水をかぶってください」──HYDE



HYDEが会場を沸かせ、「天気の神様に感謝したいと思います」と祈りのポーズ。上半身水着姿の女性が大半を占める会場を見渡して、「なんでみんな、そんなにセクシーな格好してるの? 食っちゃっていいかな!? 肉、食いてぇな!!」と叫び、おなじみの「HUNTING」へ。同曲では中央のランウェイから放水銃をかまえて、嬉しそうな表情で派手に水を撒き散らすHYDE。また、あちこちに設置されたウォーターキャノンからも宙に向けて大量の水が噴射される演出が真夏のパーティを盛り上げまくる。

ARIMATSUのキレ味抜群のドラミングが冴えわたり、K.A.Zがくるくる回りながらギターを弾いた「ANGEL TRIP」ではVAMPSのカラフルなタオルが振られ、スクリーンに映るオーディエンスの表情は笑顔だらけ。「パーティ、始まったばかりだけど、2人きりで抜け出そうぜ」とHYDEが囁き、大歓声。シンガロングが空の下に響きわたる開放感が心地いい。そして、こちらもお馴染みのShampooのカヴァー曲「TROUBLE」ではシャボン玉がビーチにふわふわと飛び、野外パーティはダンスフロアと化した。


HYDEが再び、晴れわたった空に感謝の言葉を述べ、前の週から天気予報を気にしていたことを明かした。「かといって、“やったぜ! 俺の勝ちだぜ!”とか思うとダメなんですよ」と自分を戒めつつ、「蝉のごとく燃え尽きましょう! 夏を楽しもうぜ!!」と、ますますテンションを上げていく。

青にオレンジが混ざっていく自然の風景に溶け込むように鳴らされた「COSMOS」、Ju-kenが右手を挙げて煽り、HYDEが下手、K.A.Zが上手と2手に分かれてギターをかきならしながらロックンロールのワイルドな魅力が炸裂する「LOVE ADDICT」。同曲ではランウェイでK.A.ZとJu-kenが向かい合ってのパフォーマンスも。空と海の境界線がなくなっていく時間帯に届けられた「HELLO」も格別だった。

ARIMATSUのパワフルなドラムソロを挟んでの中盤戦では、浴衣に着替えたHYDEが何とゴムボートに乗ってオーディエンスの波の上をクラウドサーフ状態で移動し、サブステージへ移動するという刺激的すぎる演出が。ゆらゆら揺れるボートの下で興奮するBLOODSUCKERSたちに、「信用してるから!!」と呼びかけ、無事にたどり着いたときには拍手喝さい。

「大丈夫だった? ありがとうね。じゃあ、夕方なので、しっとり歌わせてもらっていいですかね」──HYDE

そう語りかけ、JINのキーボードをバックに歌ったのはJitterin’ Jinの1990年の大ヒット曲「夏祭り」をスローバラードにアレンジしたカヴァーだった。昨今の<BEAST PARTY>では井上陽水の「少年時代」や矢沢永吉の「時間よ止まれ」をカヴァーしていたが、これは本邦初公開。夏のノスタルジックな淡い情景を浮かび上がらせていくHYDEの歌が暮れなずんでいく浜辺に染み渡っていく。曲が終わる頃にはメンバーが揃い、「知り合いが好きだった曲を」とHYDEの1stシングル「EVERGREEN」がアンプラグドスタイルでプレイされた。

この癒しタイムの中盤戦では、<BEAST PARTY>恒例の夏の思い出話を各メンバーが披露。地元がふなっしーと同郷のJu-kenは車で走ってやんちゃしていた時代の冷やっとする思い出を、JINはバンドと8ミリ映画作りに熱中していた青春時代を、ARIMATSUは最近、富士山を制覇した初体験を、K.A.Zは川で泳いだり、虫取りをしていた夏休みの記憶を、HYDEは50ccのバイクで和歌山から長野の友達の家まで遊びに行ったときの冒険談でみんなを沸かせた。

サブステージでのアコースティックタイムは「THE JOLLY ROGER」のアコースティックヴァージョンから、「MY FIRST LAST」で切なくも感動的に締めくくられた。そして舞台を再びメインステージに移し、後半戦へ。



すっかり夜の闇に包まれたビーチは海賊の妖しいパーティ会場へと姿を変え、光の洪水の照明とともに鳴らされた「ZERO」、HYDEの野性が加速するヴォーカルと野太い演奏に血が騒ぐ「DEVIL SIDE」ではステージに火柱があがった。さらに「EVIL」と空気をシリアスに一変させていく。

「夜が来たぜ! 夜は任せろ! もっと悪いことしようぜ! 昼間のことは忘れてやっちまおうぜ」とHYDEが煽り、K.A.Z節のギターが光る「THE PAST」ヘ。「GET AWAY」のグルーヴが最高に気持ちいい。

「今日も残りすくないね。でも、みんな、肉、食ったから元気なんでしょ? ウチらもひととおり食べたよ。全部、美味しかったよ」とK.A.Zが久しぶりに会った友人に話しかけるように、場をなごませ、HYDEも「肉は揚げたヤツがいちばん美味しかった!」と年1回のパーティを満喫している様子。


そして、「MEMORIES」を演奏し終わったあとに呼びこまれたのは初日のゲスト、清春だった。ミリタリー帽と白のジャケットの下にVAMPSのTシャツを着て登場した清春の肩にHYDEが手をかけ、このスペシャルな共演にみんな大興奮。モトリークルーのカヴァー「LIVE WIRE」が披露された後は、HYDEと清春によるMCへ。「本来、夏は苦手だったんですけど、HYDEさんのお呼びであれば」と清春が言うとHYDEが「今は?」と問いかける。「今は、隣の人がいればいい……かな」というやりとりから、「ということは、す……」(HYDE)、「……き」(清春)と半ばムリヤリ(?)「夏が好き」と言わせる展開に。

HYDEは清春のことを「昔からの戦友って感じですね」と紹介していたが、L'Arc~en~Cielと黒夢がメジャーデビューを果たしたのは1994年。まさに同期なのである。リハーサルのときにHYDEが半裸だったのを見て緊張がほぐれたというエピソードも明かされ、「もう1曲」とSADSの代表曲のひとつ「SANDY」が届けられた。清春とHYDE、K.A.Zの3人がランウェイでパフォーマンスするという超レアな光景も飛び出し、まさに夢のようなひとときが繰り広げられた。



HYDEが「最後に暴れようぜ!」と叫んだラストナンバーは、その言葉どおり、海賊たちもBLOODSUCKERSも暴れ倒した「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」。「また明日会うまで、首洗って待ってろよ!」と投げキッスをしてのエンディング。最高にして最強の宴が終わった後の夜空には、初日の大成功を祝福するように何百発もの花火が打ち上がった。

取材・文◎山本弘子
撮影◎岡田貴之/田中和子

■<VAMPS LIVE 2015 BEAST PARTY>
2015年8月22日@幕張海浜公園内特設ビーチステージSET LIST

01.I GOTTA KICK START NOW
02.AHEAD
03.HUNTING
04.ANGEL TRIP
05.TROUBLE
06.COSMOS
07.LOVE ADDICT
08.HELLO
09.We Will Rock You
10.夏祭り
11.EVERGREEN
12.THE JOLLY ROGER
13.MY FIRST LAST
14.ZERO
15.DEVIL SIDE
16.EVIL
17.THE PAST
18.GET AWAY
19.MEMORIES
20.LIVE WIRE
21.SANDY
22.SEX BLOOD ROCK N' ROLL

◆VAMPS LIVE 2015 BEAST PARTY 特設サイト
◆VAMPS オフィシャルサイト
◆VAMPS レーベルサイト
◆VAMPS オフィシャルFacebook
◆VAMPS オフィシャルTwitter
この記事をツイート

この記事の関連情報